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01 チート装備に宿った鬼神

振り返った俺の目に1人の少女が映り込んだ。


透き通る様な白い肌、漆黒の髪を後ろで一つに束ねその瞳は燃える様に紅い、身長は俺の肩程で全体的に細身の少女、顔は魅入ってしまいそうなくらいに整っている、体には巫女服の様な物を纏っていた。


「もしも〜し、ご主人様?」


思わず見とれていた俺に少女が再び問いかけてくる。


「ご主人様?君は一体?」


「はじめまして!あなたが手に持っている刀に宿っている鬼神のサクヤです」


サクヤと名乗った少女は俺の腰の鞘に収められている鬼神刀咲夜きしんとうさくやを指差している。


「とりあえずご主人様はやめてくれ、俺の名前はユイトだ、ここがどこかわかるか?」


「ん〜私もついさっき目覚めた?んで何も分からないんですよ、分かるのは自分の名前とユイトさんが私のご主人様って事ぐらいです」


そう言ってサクヤは申し訳なさそうにする。


「そうか、どうしたものかな…」


装備に少女が宿るなんて話は聞いた事がない、それに体の感覚がナイアルをプレイしている時とは違う、今体が感じている風の流れや草の香りは現実そのものだ。


「ッ!?ユイトさん!後ろ!」


サクヤの叫び声で後ろを振り返ると少し離れた場所から弓を構えたトカゲの様なモンスターが3匹こちらを狙っていた、放たれた矢が俺の足元に刺さる。


「サクヤ!お前は下がれ!」


ナイアルの世界にこんなモンスターはいなかった筈だ、相手の強さは未知数だが明らかにこちらに敵意を持っている、殺られる前に殺るしかない。


咲夜を腰の鞘から抜くと同時に3匹へ横薙ぎに基本剣術スキルの【真空波】を放つ、牽制になればいい、と思っていたのだが…


「!グギャ〜〜!?!?!」


3匹の内左に居た2匹は胴を真っ二つにされ絶命、残る1匹も片腕を失い風圧で吹き飛ばされた後地面に叩きつけられ動かなくなった。


なんだこの威力は?明らかに真空波の威力では無い、流石はナイアル史上最悪のバランスブレイカー、ヤ◯ーニューストップ記事はダテではない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



トカゲ人間達の死体を確認しているとサクヤが走り寄ってきた。


「ユイトさーん!って中々にグロい事になってますね、流石は私の憑代です!」


ふんす!と鼻息を荒げて腕組みをするサクヤ、ドヤ顔である。


しかし…切断されたトカゲの死体を見つめながら考える、ナイアルの世界ではモンスターの死体はすぐに消滅し入手したアイテムは自動的にインベントリに収納される仕様だった。


「これは、現実なんだな…」


辺りに漂う血の匂いがこれはVRゲームでは無く現実だと言う事を物語っていた。

【真空波】斬撃を放つ遠距離技、シンプルな技だがその分隙も無く非常に使い勝手が良い、何事も基本は大切。

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