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178 責任

「さて…ルメスの今後についてはこれで解決だ、問題はトーラの事だけど…僕は死罪を言い渡すつもりだ、今回の騒ぎで一般市民にも死傷者が出てしまった以上僕はこの国に王としてあの男を許す訳にはいかない」


「そうだね…家族や友人を亡くした人達はきっとこの騒ぎの首謀者であるトーラを許す事は出来ないだろうさ、処刑する他に選択肢は無いね」


結局今回トーラが反乱に至った理由は自分達貴族の利益だけを考えた利己的なものだった、そんな自分勝手な理由で起こった反乱で命を落とした人達がいる、そんな人達の遺族はきっとトーラを許す事など出来ないだろう、残念ながら自業自得だ、同情の余地はない。


「俺もあの男に同情する事は出来ません、ところでトーラは捕らえられた後はどんな風になってるんですか?俺が最後に見た時は好き勝手自分の主張を語ってましたけど」


「僕も直接見た訳じゃないけど牢の見張りからの報告だと自分の正当性をずっと叫び続けているみたいだ、見張りの兵が体調を悪くする程に延々とね、あの根性だけは僕も見習いたいよ」


「今の話で大体の想像ができました、相変わらずというか何というか…」


「今回の騒ぎの顛末を国民に知らせる集会を開こうと考えているんだ、その場でトーラを処刑する事になると思う、そうだね…時期は1ヶ月くらいになるかな?出来ればその集会にユイト君達も出席して欲しいと思ってるんだけど大丈夫かな?」


やはりトーラの処刑はほぼ間違い無い様だ、それはさておき集会に出席か…出来ればあまり目立つ事はしたくないんだが。


「私からもお願いするよ、魔人や魔族の噂が広まって王都の住民は皆不安がってるんだ、神輿って訳でもないけど皆を守る存在がいる事を知れば皆の不安を少しでも取り除く事ができると思うん」


「…ラッカさんにまでそんな風に言われたら仕方ありません、俺達もその集会に出席させて下さい」


元の世界でも俺は元々目立つ事は苦手だった、しかし俺の存在を知る事で人々の不安を少しでも拭える事ができるならば仕方ない。


「ありがとう、詳しい事は追って知らせるよ、そうと決まればユイト君達の衣装や演出を考えないといけないね…そうだ!最近城下町でユイト君達を題材にした芝居を上演している一座がいるらしい、彼らに協力してもらおう、我ながらナイスアイデアだ」


「ちょっ…!何を企んでるんですか!?協力するとは言いましたけどあんまり悪ノリするなら辞退させて下さい!元々目立つ事は好きじゃないんです!」


俺の言葉は虚しく宙を舞った、国王様とラッカさんが何やら不穏なオーラを出しながらヒソヒソと話し合っている、ポンと肩を叩かれ振り返るとペーギさんが同情する様な表情で首を横に振っていた、不安だ、一体どんな事になってしまうんだろう。

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