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165 首魁

間抜けな兵士に案内された俺は先程の豪華な天蓋の入り口へと辿り着いた。


「止まれ!侯爵様へ何の用だ!?」


「見張りご苦労さん、コイツはほら…例の魔人だよ、頭を見てみろ」


「頭…?あぁ、角が生えてるな、初めて魔人を見るけど確かに普通の人間じゃないみたいだ」


鬼神化した俺の頭にはエネルギーが集まり2本の角が生えている様に見える、今回は思わぬところでこの角に助けられた、まぁ侯爵派の兵達がマヌケ揃いじゃなければこう上手くはいかなかっただろう。


「さっき伝令が魔人部隊は壊滅って情報を持って来たが…とにかく何が起こったかを侯爵様に説明してくれ、かなりイラついてるみたいだから覚悟はしておけよ」


天蓋の入り口を見張っていた男が入り口を開ける、あとはこの中にいるトーラ侯爵を捕まえ一件落着だ。


「久しぶりだな、トーラ侯爵、随分と目立つ天蓋のおかげで楽に会える事ができた」


「お…お前はあの時の平民!?なぜここにいる!?それにその姿は…」


「お前の手下が案内してくれたんだ、もう少し手下の教育に力を入れた方がいいぞ、あんな連中何人いても意味がない」


「トーラ殿、この男は一体?私もどこかで見た事のある様な気がするのですが」


トーラと椅子を並べていた男が何事かとトーラへ問いかける、身なりの立派な男だ。


「例の勇者だとか英雄だともてはやされいる平民ですぞ、大分姿が変わっておりますが間違い無い、あの時は良くも恥をかかせてくれたな!」


「言い掛かりはよしてくれ、勝手に自分で恥を晒したんじゃないか」


「なるほど…それなら私もこの男には恨みがあります、噂によると我が息子が騎士団の詰所に捕らえられたのはこの男の仕業だとか」


貴族、騎士団に捕らえられた息子、トーラと何で座っている男はブーチの父親、エナハイ侯爵か。


「お前がブーチの父親か、1つお前に伝えなければならない事がある」


「なんだ?命乞いか?申してみろ」


「お前の息子、ブーチの事だが…俺が殺した、正確にはまだ生きているかも知れないが二度とお前に会う事は無いだろう、謝るつもりは無い、恨むなら恨め」


俺はブーチを宇宙空間へ弾き飛ばした、ある意味死よりも恐ろしい仕打ちだ、幾らブーチが悪党だったと言っても実の父親であるエナハイ侯爵には俺を恨む権利が有る。


「な…なんだと…ブーチが死んだ…だと…?ブーチ…我が愛しい息子…誇り高き我が息子が?」


家族として本当にブーチの事を愛していたのだろう、心が痛むがヤツはそれだけの悪事を犯した、エナハイ侯爵は椅子から滑り落ち床に伏して嗚咽をもらし出した。

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