162 危機一髪
「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
加速しながら手に持っている偽核を全力で上空に投げつける、鬼神化により普段の100倍の身体能力になっている状態での投擲、偽核が空高く飛んでいく、その次の瞬間上空から恐ろしい程のエネルギーの発生を感じとる事ができた。
「まるで太陽がもう一つ出来たみたいだな、とんでも無いエネルギーだ、人のいる場所で崩壊していたらどれだけ犠牲者が出ていた事か…」
『昔アルフさん達と見た魔核の崩壊よりも凄い威力ですね…って感心してる場合じゃ有りません!ユイトさんも早く逃げてください!』
上空で発生した破壊の力は球状にゆっくりとその範囲を広げている様にみえた、実際には猛烈な勢いで広がっているのだが距離が離れすぎている為ゆっくりと見えているのだろう。
「そうだな、地上は大丈夫だろうけどこの空域は危険だ、さっさと地上に戻ろう」
『あの破壊の力は凄いスピードで広がっています!急いでください!』
「ちゃんと自分の身の安全も考えているって言っただろ?大丈夫だ、こんな所で死ぬつもりなんて更々無いさ」
破壊の力はもう近くまで広がって来ている、前にアルフさん達と魔核の崩壊に巻き込まれた時の事を思い出す、この世界に来てから危険な目に遭ってばかりだな。
「さて、そろそろいいだろう、あとは地上に戻るだけだ」
神靴ヘルメスの飛翔の力を解除する、全身にガクンと重量の掛かる感覚を感じた次の瞬間俺は地面めがけて真っ逆さまに落下し始めた。
『えっ!?な!何してるんですか!?このまま落ちたら地面に叩きつけられちゃいますよ!?崩壊の力から逃げるにしても飛翔の力を使ったらいいじゃないですか!!』
「飛翔の力を使って下に飛んでも崩壊の力に追いつかれてしまうさ、ちょっと考えがあってな、これはその為の準備、心配はいらないさ」
落下している俺の上空から崩壊の力が迫ってくる、いくら鬼神化している今の状態でも巻き込まれればタダでは済まないだろう。
「このタイミングだ!『金剛』!!」
神甲アイギスの持つスキル金剛、他のスキルと併用出来なかったりと不便な面はあるが短い間使用者を完全無敵状態にするとっておきのスキルだ。
『もうダメ…!?あ…あれ?なんとも無い?どうなってるんですか?」
「神甲アイギスの金剛のスキルを使ったんだ、この力を使うには飛翔の力を一旦止めないといけなかったからな、驚かせて悪かったよ」
崩壊の力に巻き込まれたが金剛のスキル効果のおかげでダメージを負う事は無い、しばらく落下すると崩壊の力の切れ目が見えて来た、空高くで崩壊させた為地上までその効果が届く事は無かった様だ。




