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159 鬼の舞う空

「そっちだ!上を取られているぞ!気をつけろ!」


「ダメだ!間に合わねぇ!また1人やられた!これで10人目だ!もう半分しか残って無いぞ!」


「すばしっこい野郎め…今度はどこに行きやがった!?」


「ここにいる、お前で11人目だ」


「グフッ!いつの間に…俺の…後ろに…」


1人の魔人の胸に背後から咲夜の切っ先を突き立てる、刃は魔人の身体を胸に埋め込まれた偽核ごと貫き通した、偽核を貫かれた魔人の身体が赤黒い粒子となり消滅していく。


「どうやらお前達は元々そんなに戦闘の経験が無い人間だったみたいだな、確かに身体能力は高いが動きに隙が多すぎる」


「クソっ!クソっ!!クソぉぉぉ!!あの商人俺達を騙しやがった!何が人智を超えた力だ!?こんなガキ1人に敵わねぇじゃねぇか!」


「いや、十分にお前達は人智を超えた力を手にしていると思うぞ?問題はその力を与えられたのが残念な連中だったって事だ、特にリーダー気取りのそこのお前は最低も最低、敵に自分達の弱点を教えてどうする?頭が悪いのか?」


数人の魔人を倒しリーダー格の魔人と対峙する、先程投降しようとした仲間の命を奪った男だ、ヤツのお陰で偽核を破壊する、もしくは体内から取り出すと魔人は光の粒子となって消滅する事が分かった、無能な仲間ほど厄介なモノは無いって話を聞いた事があるが本当だな、こんなヤツが仲間じゃなくて良かったとつくづく思う。


「馬鹿にしやがって!俺達に戦闘経験が無いだと!?これでも俺達は名の売れた盗賊団だ!今まで何人も殺して来た!素人扱いするんじゃねぇ!」


「前にもお前みたいに人を殺せる事が強さだと勘違いしているヤツがいたよ、でもそれは違う、自分の欲求を暴力で満たそうとするのは断じて強さじゃあ無い!」


「偉そうに説教たれやがって、今だ!やってしまえ!」


狩猟神の耳飾りが敵の接近を知らせる、背後から2人、鬼神と化している俺にとっては欠伸が出る程ゆっくりとした攻撃だ、不意打ちのつもりだろうが意味がない。


「ほら、仲間に不意打ちさせるのにお前が声を出してどうする?卑怯な上にマヌケって救いが無いぞ?」


一瞬で後ろから襲い掛かって来た2人の背後を取り偽核を破壊する、何が起こったのかもわからないまま2人の魔人は光の粒となった。


「これで13人、最初の1人とお前が殺した分を合わせて15人か、まだ続けるか?」


「何でだ!何で今の攻撃が当たらねぇ!?第一翼も無いのに何で空を飛べるんだよ!?おかしいだろ!」


「あんまり怒るなよ、そんな風に逆ギレしたって状況は良くならないぞ、本当に無能なリーダーだな、俺がお前の部下ならとっくに見捨てて逃げ出してるよ」


「無能?俺が無能だって?ハハ…フハハハハ…いいぞ…いいだろう…」


怒りのあまりおかしくなってしまったのだろうか、リーダー格の男が不気味に笑いだす、そしてヤツの口から信じられない命令が残された部下に放たれた。

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