156 合流
「なんだあの爆発は?王城の方角からか?」
ブーチを倒し一息ついていると王城の方角から激しい爆発音が鳴り響いた、サクヤ達が戦っているのだろうか、急ぎ城へ戻らなければ。
『テミス、メリッサ、俺の方は片付いた、信じられないかも知れないけど街をこんな風にした犯人はブーチだったよ』
『良かった、無事だったのね、ブーチってあのエナハイ家のブーチ?一体どう言う事?ってそんな場合じゃないわ、今の爆発音ユイトにも聞こえたでしょ?早くサクヤ達の所にもどらなくちゃ』
『あぁ、急いで戻ろう、広場の怪我人はもう大丈夫なのか?』
『えぇ、後は兵士さんや回復魔法の使える人達に任せても大丈夫よ、お城でもきっと怪我人が出ているわ、急ぎましょうユイト君』
2人を依代に憑依させ飛翔の力で城へと急ぐ、途中で城へ避難している住民を止めている兵士達を見かけた、今王城の方へ避難するのは危険だと判断しての事だろう、王城も城下町も大混乱だ、早くこの騒ぎを治めないと。
『…!?ユイト!また魔族の反応よ!王城の方からだわ!しかも反応は1つじゃない…10…20…!?王城へ魔族が向かっているわ!』
「なんだって!?さっきまではそんな反応感じなかったぞ?まさか…」
ブーチは自分の事を魔人だと名乗っていた、詳しくは分からないが人間が体内に偽核を埋め込む事で魔人へと変化するのだろう、テミスが感じた魔族の反応は新たに誕生した魔人の物ではないだろうか。
「シャレにならないな、ブーチ並の強さの敵が20人以上だなんてサクヤとアイギスがいても防ぎきるのは難しいだろう、一般の兵士じゃ手も足も出ない」
『見えてきたわ!魔族達よ、サクヤとアイギスが戦っているみたい!』
王城の方を見ると敵の攻撃を防ぐイージスの光が見えた、サクヤの鬼火を空中で避けている敵の姿も確認できた、まだなんとか2人が持ちこたえているみたいだ。
『サクヤ!アイギス!遅くなってすまない!今加勢するぞ!』
『ユイトさん!無事でよかったです!私達2人じゃ魔族達を防ぎきれません、手伝ってもらっていいですか?』
『主さま、良いタイミング、美味しい所は残しといた、どーんとやっちゃって』
『勿論だ、この数の敵を相手するならアレしか手段は無いな、サクヤ!鬼神化だ!』
城を襲っている連中の力は未知数だ、最悪全員がブーチと同レベルの戦力の持ち主だとすると鬼神化しないと勝負にならない。
『待ってました、私は準備OKです!いつでもいけます!』
『わかった、さっさとこの混乱を終わらせよう』
『『鬼神降臨!!』』




