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「て…敵魔法部隊半壊!残った者も撤退していきます!」


「追撃は必要ない!態勢を整えるんだ!負傷者は今の内に後方へ退がれ!」


「流石は勇者様のお仲間さん達だ!貴女達のお陰で窮地を脱しました!」


鬼火の着弾で混乱した敵の部隊が後方へ逃げていきます、ひとまずの窮地はしのげた様ですが左翼に向かった敵が今の部隊だけとは思えません、まだ気を抜くのは早いです。


「お疲れ様サクヤ、大丈夫?キツくない?」


「アイギスちゃんもお疲れ様でした、力を大分使っちゃいましたけど平気です、少し休めば大丈夫ですよ」


「それなら良かった、ムリはしないで、約束」


敵の部隊が陣取っていた場所には動かなくなった人がちらほらと倒れています、恐らくは…


「やっぱり誰も傷つけずに…って訳にはいきませんでしたね…」


「サクヤ…サクヤは私を、私達を守ってくれた、あの人達の死を一人で背追い込まないで」


そう言うとアイギスちゃんが私に抱きつき顔を胸に埋めてきました、私がムリになんでもないフリをしている事がバレたみたいです、アイギスちゃんには敵いませんね。


「ありがとうございますアイギスちゃん、アイギスちゃんのお陰で私はとても救われた気持ちになりました」


「友達が落ち込んでるなら慰めるのは当然、サクヤを独りぼっちにはさせない、あの人達を殺したのは私とサクヤ、だから私達は共犯」


「共犯…ですね、私とアイギスちゃんは共犯です」


普段あまり感情を顔に出さないアイギスちゃんが笑顔を見せて私の手を握りしめます、その小さいな手はとても優しく温かく感じられました。


「報告!敵後方部隊に動きアリ!アレは…翼!?複数の敵と思われる対象が空を飛んでこちらへ向かって来ます!」


「そんなバカな話があるか!どれどれ…な!?なんだあの化け物どもは!」


近くで敵の動きを監視していた兵士さんが何かを見つけ叫び声をあげました。


「私にも見せてもらえますか?双眼鏡を貸して下さい」


兵士さんから双眼鏡を借り敵陣の上空を見ると数名の人型の影を確認する事ができました。


「魔族です!魔族がこっちへ向かっています、それも複数だなんて…」


「サクヤ、私にも見せて…!?間違いない、ザラキマクで主さまが戦った連中に良く似ている」


大変です、魔族らしき人影の数は20前後、ユイトさんが居ない状態であんな数の魔族と戦えばどれだけの被害が出るか想像したくありません。


「私達で出来るだけ時間を稼ぎましょう、アイギスちゃん、もうちょっとだけ頑張れますか?」


「大丈夫、少し休んで力も回復した」


私達は並び立ちこちらへ近づいてくる魔族達を睨みつけます、魔族相手に手加減は命取りになります、最初から全力でいきましょう。

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