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153 戦場の空気

「魔法隊は前へ!弓矢隊は今の内に矢の補充をするんだ!」


「おい!こっちに何人か怪我人が出た!救護兵!早くきてくれ!」


「奴ら城壁に梯子を掛けるつもりだ!そうはさせるか!魔法隊は梯子を狙え!」


戦いが始まってどの位の時間が経ったでしょうか?5分くらい?それとも1時間?戦場の空気に呑まれてしまった私とアイギスちゃんはただ立ち尽くす事しか出来ませんでした。


「これが戦場…怖い…モンスターを相手にするのとは全然違う」


「私も怖いです、人間同士が殺し合う事ってこんなにも怖い事だったんですね…」


前にアイロンスティールでユイトさんが落ち込んでいた気持ちが良く分かります、人間の放つ殺意は動物やモンスターと違い鋭く冷たい殺意です、本能では無く理性を持ちながら他者の命を奪おうとする、それはとても悲しく恐ろしい事だと思います。


「大変だ!左翼の敵が多くて今にも突破されそうだ!梯子の数も多くて対処しきれない!手の空いているヤツは左翼の援護に向かってくれ!」


伝令の兵士さんが叫びながらこちらへ走ってきます、大変です、私達も左翼の応援へ向かわないと。


「アイギスちゃん、左翼へ行きましょう、私達ならきっと戦況をひっくり返せます」


「サクヤは平気?私は守る事しか出来ないけどサクヤは違う、行けばきっと人を殺す事になる…」


「平気…と言えば嘘になります、でも私達が戦わなければ多くの味方が死ぬ事になるんです…ラッカさんにペーギさん、国王様だって、それに私達も無事でいられる保証はありません…」


私達がどれだけ戦いたくないと願っても敵はそんな事お構い無しに攻撃をしてくるでしょう、ここは戦場なのです、自分を…そして大切な人を守る為には戦うしかないのです。


「それはイヤ!絶対絶対イヤ!私は…戦う!皆を守る!それがここに残った私の役目!」


アイギスちゃんが拳をギュッと握って私の顔を見つめてきます、やっぱりアイギスちゃんは強い人です、戦場に身を置く覚悟が出来たんですね。


「私だって嫌です、だから…戦います、ユイトさんにも大丈夫だって言ってしまいましたしね」


「主さまも今頃きっと必死に戦っている、私達も負けていられない」


「その通りです、さぁ!行きましょうアイギスちゃん!」


私はアイギスちゃんの手を取り左翼へと駆け出します、途中何人かの負傷した兵士さんとすれ違いました、左翼の防衛で負傷した兵士さんの様です。


「アレは!?アイギスちゃん!シールドをお願いします!」


「間に合え!シールド展開!」


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