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150 城壁

ユイトさん達が城下町へと出発した後、残された私とアイギスちゃんは兵士さんにお城の城壁へ案内されました、城壁の上には沢山の兵士さん達が慌ただしく動き回っています。


「おや?サクヤちゃんにアイギスちゃん、アンタ達も城の防衛を手伝ってくれるのかい?」


城壁の外れにある部屋へ通されると良く知った人がいました、ラッカさんとペーギさんです、2人はお城の周りの地図を見ながら何やら確認をしている様です。


「ラッカさん?それにペーギさんも、お城に来ていたんですか?」


「あぁ、ペーギが侯爵派の蜂起が近そうだって情報を手に入れて陛下に報告に来たんだけど…」


「申し訳有りません、私の読みですと数日は猶予があるとばかり…結果この様な危機を招く事になってしまいました、戦いが終わった後でならどの様な処罰でも甘んじて受け入れます」


「何言ってるんだい、アンタに何の落ち度があるってのさ?罰なんて与えるものかい、もし陛下が罰を与えるなんて言ったらその場で引っ叩いてやるよ」


笑いながらラッカさんがペーギさんの肩をポンと叩きます、国王様を引っ叩く…ですか、ラッカさんなら本当にやりかねません。


「それは怖い、学生時代の先生の折檻を思い出します、まぁペーギに罰を与えるなんて事は考えてないんで安心して下さい」


部屋の入り口が開き国王様が入って来ました、ラッカさんの話が聞こえていたのか苦笑いをしています。


「またアンタは護衛も付けずにフラフラと、今からここは前線になる、アンタは城の奥に引っ込んでな、敵の狙いは間違い無くアンタだよ」


「いえ、だからこそ私は前線に立ちたいのです、先生やペーギ、サクヤ殿にアイギス殿、それに多くの兵士達が私を守る為に戦ってくれるのに1人だけ逃げる様な真似はできません」


「忘れてたよ…ウチのバカ旦那と息が合うアンタも大概のバカだって事を、一度こうと決めたら周りが何を言っても聴く耳を持たない、これだからバカは嫌いなんだよ」


言葉とは裏腹にラッカさんは優しく笑っています、クラブさんと昔に何か有ったのでしょうか?


「今回の戦い私が前線で指揮を執ります、城下町へ向かった兵達が帰ってくればこちらの勝ちです、先生達が戦ってくれるなら十分勝機は有ります」


「ユイトさん達が帰ってくるまで頑張りましょう、私とアイギスちゃんも全力で協力しますよ」


「どんとこい、皆は私が守る、任せて」


隣にいたアイギスちゃんがグッと拳を高く掲げます、ユイトさんは私達を信じて城下町へ向かいました、信頼に応える為にも必ずお城を守り通してみせます。

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