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013 沼地の要塞

「オルトダイルが真っ二つなんて聞いた事ねぇぞ?それになんでコイツの居場所がわかったんだ?」


左右真っ二つに切断された双頭の鰐、オルトダイルの亡骸を指でつつきながらガンマさんが聞いてきた。


「殺気が感じとれました、俺の使える感覚を研ぎ澄ます技を試してみたんですが上手くいって良かった」


「『草原の鷹』のシグマさんも敵の気配を察知する技を使っていたけどその歳で貴方も似た様な事ができるのね、末恐ろしいわ」


「アレは人間辞めてる化け物だからな、あのオッさんがいれば楽勝なんだがこんな時に限って遠征してやがる、ギルドから連絡をしたそうだがいつ帰ってくるのかねぇ」


「今は僕達で問題を解決するしかない、師匠達の帰りを待っている間にリザードマンがどれだけ増えるか想像するだけで恐ろしいよ」


そう言いながらアルフさんはオルトダイルの亡骸に手を突っ込み紫色の石を掴み出す、石は木々の間から差し込む光が反射し幻想的に輝いていた。


「あったぞ、これが有ればオルトダイルは僕達に近づいてこない、アイツらは自分より強いと判断した敵は襲わないからね、仲間の魔石を察知して逃げて行くだろう」


「はぇ〜、凄く綺麗ですね、見とれてしまいます」


「魔石はギルドに持って行けば高値で買い取ってもらえるのよ、私達冒険者の大切な収入源なの」


綺麗な石だ、サクヤの言うようにいつまでも眺めていたくなる魅力がある。


「街へ帰ったら売りとばそうぜ、しばらく遊んで暮らせる値がつくだろうよ」


「ガンマ、これはユイト君の物だ、縄張りを出たらユイト君に渡す」


ガンマさんか溜息をついて肩をすぼめる、渋々納得した様だ。


「しょうがねぇ、俺達は何もしてないからな、それよりほらトカゲちゃんの巣が見えてきたぜ、沼の対岸だ、篝火かがりびが見えるな」


ガンマさんはそう言うと腰につけていた双眼鏡を取り出して近くの沼を確認する、俺も沼の方を見ると遠くに2つの灯りがぼんやりと見えた。


双眼鏡を借りて確認すると沼の対岸は切り立った崖になっていてポツンと洞穴になっている場所が有った、周りには篝火が焚かれ洞穴の入り口には数匹リザードマンがうろついていた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「油断しきってるわね、あっちの2匹なんて眠ってるわ」


沼を周りこみ洞穴に近づいた俺達は手頃な茂みに身を隠し入り口周辺の様子を伺っていた、双眼鏡を覗きながらなイオタさんが呆れた様な声で話す。


「自分達の巣が襲われる事なんて無かったんだろうよ、どうする大将?ユイトとサクヤちゃんがいれば強行突破もできるぜ?全員で突っ込むか?」


ガンマさんが俺とサクヤを見ながらアルフさんにたずねる。


「いや、出来る事なら騒がれる前に仕留めたい、イオタ、魔法で同時に何匹倒せる?」


「そうね…あの寝ている2匹とそのそばに立っている3匹なら【アイスフィールド】の範囲内だわ、同時に倒せるわよ」


「入り口の2匹は【ツインアロー】で俺が仕留める、大将、それでいいか?」


「頼む、ガンマはイオタの魔法にタイミングを揃えてくれ、見えている敵はその7匹だけだな、撃ち漏らしが出たらサクヤちゃんがフォローしてくれ、僕とユイト君は入り口に走り応援に備える」


アルフさんが全員の顔を見渡す、皆作戦に異論はない様だ。


「作戦開始だ、みんな頼むぞ!」

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