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133 登城

「馬子にも衣装とは良く言ったもんだね、良く似合ってるよ」


「そうですか?何か凄く動きにくいです、腕なんかホラ、全然動かせませんよ?」


「まぁこう言った服は実用性なんて考えられてないから窮屈なのもしょうがないさ、少しの間辛抱しておくれ」


ライノ武具防具店の火災から数日後、俺はラッカさんと2人で王城にある客間にいた、俺は貴族が着る様な豪華な服を着せられている。


「不思議なものですね、国王様と会うのは今回が初めてじゃないのに緊張してしまいます」


「しっ!どこで誰が聞き耳を立てているかわからないよ、アンタが陛下と会うのは今日が初めてって事になってるんだから」


ラッカさんが指を唇に当てて俺を睨みつける、胸元の開いたドレス姿と相まってとても誘惑的に見えてしまう。


「いいかい?謁見となると陛下の他にも多くの貴族達が謁見の間に集まる、その中には侯爵派の連中もいるだろうさ、この意味が分かるね?」


「ええ、この書状を渡す所をヤツらに見せつける、それが今日の目的です」


胸元に忍ばせた青の書状をチラリとラッカさんに見せつける。


「さてこれでヤツらがどう動くかね?どっちにしろもう後戻りはできない、腹を括んなきゃいけないよ」


その時客室のドアがノックされ年配の男性が甲冑に身を包んだ騎士を引き連れて入ってきた。


「ご機嫌麗しゅうございます、バルメス夫人、ユイト様、間も無く謁見の準備が整います、陛下の御前では武器や装備品を身に付ける事をご遠慮して頂いております、どうぞ謁見中は私供へお預け下さい」


身に付けていたVRMMOの装備品を外し目の前の男達に渡す、いつも身に付けている物を外すのは少し不安な気持ちになるが大丈夫だろう、どうせ俺以外の人間に装備出来る様な代物ではない。


「ご協力ありがとうございます、こちらの品は私供が責任を持ってお預かりします、決して他の者へは触らせません」


「この子にとってとても大切な物だからくれぐれも丁重に扱っとくれよ、それじゃあそろそろ謁見の間に向かうとするかね、案内してくれるかい」


「かしこまりました、私供が謁見の間の前までご案内する様に仰せつかっております」


年配の男性について謁見の間へと王城の中を歩く、バルメス邸やビズミスの館も広かったが次元の違う広さだ。


「客間へ案内された時も思いましたけどとんでもない広さですね、この場所で1人にされたら迷子になっちゃいます」


「ははは、私は実際最初に登城した時に案内人とはぐれて迷子になったよ、謁見の間が見えてきた、あの扉の向こうさ」


俺達の向かう先に扉が見えてきた、小さな家が入ってしまいそうな大きさだ、扉の前に着くと俺達を招き入れる様にゆっくりと扉が開いていった。

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