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126 密会

七星核を手に入れた数日後俺はグランズ城下町に有る酒場のカウンター席に一人で座っていた、店は大勢の人で賑わって騒がしい、チビチビと飲んでいると店員さんが話しかけてきた。


「お客さん良い飲みっぷりだね、もし気に入ったお酒が有ったら教えてよ、ウチは土産用にボトルの持ち帰りもやってるからさ」


声を掛けて来た店員さんは可愛らしい女の子だった、俺と同じ位の年齢だろうか、髪をボーイッシュに切り揃え元気ハツラツって感じだ。


「それじゃあ今年イール村で作られた火酒はあるかな?一本持って帰りたい」


「これはまた珍しい注文だね、イール村産で間違い無いんだね?ブラーゴ産じゃ無くて」


「あぁ、イール村で作られた火酒が欲しい、持ってきてくれないか?」


「実はボク余り酒に詳しくなくてどの火酒の瓶も同じに見えるんだ、良かったら一緒に地下の酒蔵探して欲しいな」


女店員に連れられ店の地下にある酒蔵への階段を降りる、地下の突き当たりに有る部屋の前へ着くと女の子の雰囲気がガラッと変わった、先程までの明るさが嘘の様だ、まるで感情を感じられない表情で女の子が部屋の扉をノックする。


「失礼します、ユイト様をお連れ致しました」


「案内ありがとう、鍵は開けてある、入ってくれ」


部屋の扉を開けると中には1人男性が座っていた、眼鏡を掛けており優しそうな中年の男性だ。


「はじめまして、君がユイト君だね、面倒な方法で呼び出して悪かった、今回の件はできるだけ他人に知らせたくなかったんだ」


「はじめまして、旅人のユイトです、あの…失礼ですが貴方が?」


「あぁ、ごめんごめん、名乗り遅れたけど僕がラオン=グランズ19世、この国の国王だよ、君にはカッパーに話を聞いた時から一度会って見たかったんだ、あの事件ではユイト君に助けられた、本当にありがとうね」


目の前で頭を下げてる優しそうなオジさんがこの国の国王、失礼だが全くそんな風には見えない。


「そんな、俺はただ友達を助けただけです、ビズミスを倒したのは成り行きって言うか…」


「それでも君に命を救われた人が大勢いたのは事実だよ、ユイト君、僕の目を見てくれないかい?」


眼鏡を外した国王様が俺の目を覗き込む、透き通る様な蒼い瞳、吸い込まれそうになる。


「成る程ね…ありがとう、やはり君は信用に足る人物の様だ、今夜は君に会えて良かった」


「失礼します!陛下!ユイト様!お逃げ下さい!賊がこの店に向かっております!」


先程のショートカットの少女が部屋に駆け込んで来る、次の瞬間狩猟神の耳飾りが俺に危険を知らせたのだった。

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