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012 歪んだ共生

「ゲッ!グギャーーー!」


森の中に人ならざる者の叫び声が響いた。


「敵か!?皆!警戒するんだ!ユイト君は後衛を護衛してくれ、ガンマは索敵に集中しろ!」


俺達は武器を構え辺りを警戒する。


「あっちだ!おい…どういう事だ?ヤツら仲間割れしてやがる?」


叫び声が聞こえた方角を見ると遠くにリザードマンの集団が見える、1匹のリザードマンが仲間達に囲まれて槍で突き殺されていた。


「ギ、グクゲ、ギ!」


リーダー格のリザードマンの号令で仲間の亡骸を残しリザードマン達は森の奥へと姿を消して行く。


「なんなのよ一体?…様子がおかしいわ?」


よく見ると亡骸になったリザードマンの周りの空気が揺らめいている、次の瞬間巨大な双頭の鰐が姿を現しリザードマンを丸呑みした。


「そう言う事か…仲間の犠牲を覚悟してこの場所に巣を作ったんだ…リザードマンは繁殖力が強い、1組のつがいでも1年もたてば10匹以上の子を産むんだ、多少の犠牲を出しても安全な繁殖地を確保出来ればそれ以上に群れの数は増えて行く」


アルフさんが忌々しげに呟く。


「大将!マズい!コッチに気がつきやがった!」


リザードマンを丸呑みにしたオルトダイルは俺達の方を見つめていた、ゆらりとその巨体を周囲に同化させ姿を消す。


「ガンマ!奴の気配を追えるか?」


「………畜生!無理だ、離れて行った!俺達を付け回して隙を突くつもりだ!」


厄介なヤツだ、精神的に俺達を追い詰めるつもりだろうか?だが甘いな、VRMMO(ナイアル)でも気配を消して襲いかかって来る敵はいた。


「試してみたい事があります!2人は後衛を守って下さい、前に出ます!」


「わかった、無理はするなよユイト君!」


俺は目を瞑り周囲意識を張り巡らす。


「【明鏡止水】」


自分の五感を研ぎ澄まし周囲の気配を探る、索敵を目的とした剣術スキル『明鏡止水』だ、VRMMO(ナイアル)でもアサシン型や忍者型とのpvpで重宝した、あのライバル達に比べるとオルトダイルの擬態はとても稚拙に感じられる、殺気が駄々漏れだ。


「そこか!『真空波』!!」


少し離れた木の陰に隠れていたオルトダイルに向けて縦に咲夜を振り下ろす、放たれた真空波は一直線に飛んでいき隠れた木諸共オルタダイルを真っ二つに斬り裂いたのだった。

【明鏡止水】五感を研ぎ澄ませ周囲の気配を察知する技、別に全身が金色に輝いたりはしない。

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