表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/358

00 ナイト&アルケミー

「頼むぞ〜これが最後の10連だ」


俺、宮山結人みややまゆいとは今月の給料を全てつぎ込みあるゲームのガチャを回していた。


彼女いない歴25年の25歳、大学を出てからは東京で営業の仕事をしている、趣味と言う趣味はなかったがここ1年は違う、夢中になれる物を見つけられたのだ。


大人気VRMMO『ナイト&アルケミー』、通称『ナイアル』


俺はこのゲームにどっぷりとハマり仕事と睡眠以外はほぼ全ての時間をプレイに費やした、その結果今ではpvpの月間ランキング1位になる事ができる程の腕前になれたのである。


俺の使うアバターは本名そのままの『ユイト』黒髪蒼眼のイケメンキャラで剣術スキルに特化した前衛職だ、ある日はクランの仲間達とレイドバトル、またある日はライバル達とpvpとナイアルでの日々を楽しんでいた。


そんなナイアルに突如としてぶっ壊れ装備が実装される。


鬼神刀咲夜きしんとうさくや


単純に武器としての性能も凄まじいのだがそれ以上に武器固有スキル『鬼神化きしんか』の効果がぶっ壊れていた、一定時間装備者の全能力値を100倍にするというとんでもない性能だ、完全なバランスブレイカーである。


実装が予告されてからプレイヤー達は混乱し大手ニュースサイトのトップニュースにも取り上げられる程の騒ぎになっていた。


「来い来い来い!!!」


目の前には10回分のガチャ結果が表示されていく、次々と現れる結果を見守っていると最後の10回目に最高レア確定の専用演出が流れお目当てのぶっ壊れ装備『鬼神刀咲夜きしんとうさくや』がその姿を現す。


「よっしゃあー!!これで来月も月間1位を狙えるな!」


俺は咲夜を手に取りガッツポーズを決める。






次の瞬間俺は突如刀から放たれた激しい光に包まれた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「ここは…どこだ?バグったのか?」



さっきまでガチャ用の専用空間に居た筈の俺はだだっ広い草原に立っていた。


「こんなフィールド見た事ないぞ…そうだ!咲夜は!?」


もし入手前にデータが戻っていたら大変だ、運営凸間違い無し、それでもダメならモチベーションが下がり引退を考えるかもしれない。


慌ててメニューから所持品を確認すると咲夜はきちんと入手状態になっている事が確認できた。


一安心して咲夜を装備する、装備後の能力値を確認する為にステータス画面を見た俺はギョッとする。


「表示が文字化けしてるじゃないか、それに咲夜以外の装備品はどこに行った?こりゃ一旦ログアウトして運営に確認してみるしかないな」


ログアウトする為にメニュー画面を開くがログアウトの欄がメニューから消えていた、フレンドやクランの項目も反応しなくなっている。


「なんなんだよ一体…」


何がどうなっているか分からず茫然としていた俺は後ろに何者かの気配を感じ振り返った。


「あなたが私の御主人様ですか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ