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ライブ観戦

 今僕の目の前には熱々の鉄板に乗った肉厚の湯気が立ったハンバーグがある。

 そこにナイフを入れると肉汁がぶわっと溢れ出してくる。

 肉汁が出ると見てるだけで何だか凄く美味しそうに感じる。

 だがこれは間違っているらしい肉汁が出るのはうまみが全部出ているので実際には美味しさは落ちてるらしいのである。本来は噛んだ瞬間に肉汁があふれるのが理想の形だがそれをやるのを普通のファミレスに求めるのは酷と言うものだろう。

 そんなくだらないことを考えながらハンバーグを食べ進めて言ると声をかけられてしまう。

「あんたの事で話し合っているのにあんたは何呑気に食べてんのよ!」

 気の強そうな女性がこちらに指を指しながら怒鳴っている。

 もとはといえば勝手にそっちが喧嘩をしだしたのが原因な訳でそれをただ邪魔しないように空気を読んだだけの事なんだけどと思いながら。

「それにしても皆さんは食べないの冷めたらおいしくなくなるよ。……あれもしかしてもうご飯食べ終わったところでしたかそれなら早く食べますね」

 僕は冗談ぽく軽く言ってみた。

 それに同調した、ように彼女はそれに乗っかって私もおなかすいてたと言って食べ始めたところで机がバンっとなる。

 気の強そうな女性はこちらを射殺すんじゃないかと思うくらい睨んできていた。

「ま、まあ冗談はさておいて……で話し合いは終わりましたか」

 さすがにこれ以上怒らしてもいいことないので自分は話し合いを所望する。

「別に話し合いって程のものでもないわ。凛音の決定は私たち二人にとって絶対なんだから」

 じゃあ何を揉めることがあったのやら。

「ただ個人的にあんたが嫌いってだけよ」

「俺はまず男が好きじゃない」

 メンバー二人に嫌われていることがすぐに発覚した。

「結構傷つくんですけどまあ言ってくれるだけまだ楽なんだけどね」

 第一嫌われる理由が全く分からないんだが第一印象は大事とは言いますけど自分今あってさっきしゃべったばっかですけどとも思う。

 あれですか顔ですかやっぱ、でもそうイケメンなんてこの世にはいないから価値があるとは思いませんか。フツメンがいるからイケメンもカッコよくない人も際立つっていうものでしょ。

「じゃあ交流会も終わったことだし本題に入ろうか」

 この会の張本人は僕が嫌われていることなんて関係ないみたいな感じで話を進めている。

 いや、四人バンドの二人に嫌われてるって結構重大じゃないとも思たが、別にこのバンドに深入りしていくつもりはないむしろまとまった金が入ってくればおさらばであるので関係ないか。

「じゃあ今日の夜開催するライブがあります以上!」

 彼女は元気よくそう宣言して席に座る。

「じゃあ僕はそれを見ていればいいてことかな」

 その発言に彼女は何言ってんのこいつと言っているかのような目を向けてくる。それにお前がだよという目を返してあげる。

「えっなんでそんなに人前に立つの嫌、これからいやって程立たせるつもりなのに~」

「嫌とか以前の問題に僕は君たちの曲も何も知らないんだよ。どうやっていきなり合わせるんだよ」

 その僕の言葉に彼女は考えるそぶりを見せる。

「まあそうだよね。じゃあ今日はしょうがないけど観客ってことか」

 そんなことはまあわかってたような口ぶりなので言ってみただけみたいな感じだろう。

「じゃあ何日あれば一緒にライブに立てるかな」

「合わせを何回かする前に君らの演奏している音を聞きたいのと歌詞を見せてくれたら一週間で覚えてくるよ」

 これは今が夏休みという長期休暇だからできる時間をできるだけ充てられるからもしかしたらもっと早い段階で終わるかもしれないが一週間もあればまあ十二分だろうという計算である。

 僕の言葉にうなずきながら聞いていた彼女は鞄から歌詞が書かれた紙とUSBメモリーを差し出してきた。

 それを僕は受け取りパラパラっと見る。

「用意がいいでしょ私はこういうところが気が利くんだよね~」

 自分で言わなければもっと良いのにと思いながら鞄に入れる。






 ライブは地下の小さいライブハウスで行われていた。

「てか狭い」

 こんな小さいところにこんな人数が入っていてよく気持ち悪くならないなもうパリピまじ恐い。

 だがそれだけ人気があるのかもしくはバカ騒ぎしたいだけか。考えものである。

「あいつらは今日最後って言ってたけど、この窮屈の状態が一時間以上は続くとなると嫌気がさすな」

 今日のライブはここのオーナーがお気に入りを呼んだライブとなっているらしい。

 ため息しか出ないが将来のスターになるかもしれない人がいるんなら知り合いにはなっておきたいものだ。

 

 




 ライブが始まると会場のボルテージは常に最高状態でパリピまじ恐いと思いながら僕も楽しんでいた。

 遂にライブが最後に差し掛かってくるとあたりの声がクリアに聞こえてくる。

「来るなここのオーナーのとっておきのグループが」

「ボーカルはすごいんだけどな」

「ああ、周りの奴もすごいんだろうがボーカルが群を抜いてやがるよ」

 そんなお声が上がってることに一抹の不安を感じながらライブに出て来た面子を見る。

 ボーカルの彼女はギター持ってマイクの前に立っている。ピアノにはあの髪の長さからしてあの気の強い女の子だろう。そしてドラムの方はあの強面男性か。

「今日はありがとう最後までいてくれてすごく嬉しいよ」

 そんな彼女の挨拶に一部の所から歓声が出ている。

 アイドルっかと思った。

「じゃあ改めて今日のトリを務める!レッドウィングでーす!」

 今度は会場から怒号のような歓声が沸く。

「じゃあいつものあの曲からいくよ”テンション上げていこう”」

 それタイトルとツッコミたくなる名前を聞きながら演奏は開始する。

 曲はタイトル道理のテンションが上がる感じの曲でノリがいい。

 全体的にレベルが高いと思うその中でひときわ輝いているのがやはりボーカルの彼女は別格であった。

 自然に心に響いてきて、心を震わせてくる。

 最後のステージに相応しい物になって幕を閉じていった。




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