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先週は体調不良で更新ができず、申し訳ありません。

今週もよろしくお願いします。

今回はほぼ会話です。

「フェリクスがそんな風に言うなんて、随分サラちゃんと仲良くなったじゃないのよぅ。

そんな面白いことがあったなら、アタシも一緒に居たかったわねぇ」


「笑い事じゃありませんよ。殿下にこれ以上変な呪いをかけられたら、たまりませんからね」


研究室の机に頬杖をついてニヤニヤしているクリスティアンの前には、不満顔のフェリクスがいた。


「それにこちらに来る途中、押しの強い騎士に声をかけられて困っていたようですしね。

そこに私が通りかかったからいいものの、男ばかりのところに彼女が来ればあんな風に声をかけられるくらい、あなたにも想像できるでしょう?」


「サラちゃん可愛いものねぇ、声くらいかけられるわよぅ。

でも、フェリクスが助けてあげたんだから問題ないじゃないの」


「今回は偶々です。騎士といえ、様々な人間がいるんですから何か起こる前に防ぐことが重要なんです」


「あらぁ〜随分過保護な発言ねぇ」


「そういう事を言っているわけじゃありません!

はぁ…あなたとはいつになったら意思疎通ができるようになるんでしょうかね」


「少し口は悪かったみたいだけどサラちゃんとどんな形であれ、コミュニケーションが取れたのなら良かったわ。どう、話して見て?」


「元々彼女はお人好しなようですし、こちらからの無理な要求にも応えてくれていますから感謝こそすれど、サラさんを嫌っているなんてことはありません。


今のところ殿下に何かする気配もありませんし、そもそもあの魔力量では大掛かりな呪いなんてかけられませんしね。


…ですが、彼女の意思でないとしても、何か起こる可能性がないとは言えませんからね。やはり警戒しておくに越したことはありません」


フェリクスは不機嫌な顔から、辛そうに視線を逸らしてしまう。


目の前にいたクリスティアンはそんなフェリクスを見て困ったように笑っていた。


「まぁ、殿下を守るためにはそれくらいじゃなきゃねぇ。何よりも殿下を一番に考えるのがアタシたちのお役目よ。


だからと言っていつまでもサラちゃんを疑うって言うのも楽じゃないわ。少しでも疑わしいと思えば、白だって言う証拠をバシッと掴めばいいわけだし、そんな辛そうな顔することは無いわよぅ」


「?辛そうな顔なんてしていませんよ」


「え?それ無意識なの?」


フェリクスが辛そうな顔をしていたから慰めるような言葉をかけたのに、予想外の返事にクリスティアンの方が驚いてしまう。


「フェリクスがそう言うなら、それでいいんだけど。

それで、サラちゃんに魔力を送ってもらってメロメロになってる殿下に魅了がかけられてないか確認すればいいのよね?」


「相変わらずかなり曲がった解釈していますが、確認の方はお願いします」


「わかったわよぅ。あぁでも、新しい魔術だったら面白そうよねぇ〜、今から楽しみだわぁ!

サラちゃんのところに行って調べてみようかしら?」


「サラさんは殿下に一晩付き添って起きていたんですから、今は寝ているはずですよ。

寝ている女性の部屋に勝手に入るなんてしないでくださいよ」


ウキウキして怪しい光がクリスティアンの目にさしたのを見逃さなかったフェリクスは、すぐに釘を刺した。


「わかってるわよん。じゃ、ちょっと出かけて来るわねぇ〜」


「クリスティアン!」


が、言うが早いか、止める間もなくクリスティアンはさっさとフェリクスの前から姿を消してしまった。


いくら言葉や仕草が女性的でも、クリスティアンは男だ。

寝ている女性の部屋に勝手に入ることも問題だが、それ以上にクリスティアンは結果が出るまでしつこく調べる質だから魔術が絡んで興味を持ってしまったら…。


ー止めなくては。


そう判断するやいなや、フェリクスも慌てて研究室から飛び出していった。


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