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■第46話 見舞い



 

 

アキは、毎日見舞いにやって来た。

 

 

 

学校が終わると真っ直ぐ病院に駆けつけ、面会時間終了の夜8時ギリギリまで

アサヒの傍にいた。

落ち込む姿など見せたくないアサヒは、努めて明るく振る舞い笑顔も見せた。


しかしアキは、さめざめと泣く。

 

 

 

 『フジエダ先輩、あんなに頑張ってたのに・・・。』


 『神様は、残酷すぎます・・・。』 


 『私が代われるものなら、代わりたい・・・。』

 

 

 

毎日毎日、見舞いに来ては泣いていた。

俯いて口をぎゅっとつぐみ、アキの頬から滴りおちる雫を、ただただなんの

感情もなく見ていた。


アキの笑った顔をもう思い出せないほどだった。

 

 

ある日、アキが涙で濡れた頬を拭いもせずに、言う。

 

 

 

 『私・・・ 先輩がいなくて寂しいです・・・


  先輩の、なんか・・・ 持ち物、貸して下さい・・・。』

 

 

 

急に言われて戸惑うアサヒ。

棚や引出しの中、身の回りを物色してみるが、なにも渡せるものなど

見当たらない。

 

 

ふと、右手につけたミサンガに目が留まった。


願いを掛けた手作りミサンガ。

説明書を読みながら大きな背中を丸めて、ひとり、懸命に作ったそれ。

 

 

 

 

  (でも、これは・・・。)

 

 

 

 

『ごめん、今はなんにも無いわ。』 そう言って、まだごねるアキに

諦めてもらった。

思わずそっと右手を布団の中に隠して、それが見られないようにする。

 

 

どこか後ろめたい気持ちを隠し切れず、気まずそうにアキから目を逸らした。

 

 


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