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■第41話 ブレスレット


 

 

夜7時、アキとの待ち合わせ場所に行くと、口許だけ少し笑顔を作って

手を振ったアキ。

 

 

そこは、3月いっぱいまで眩いほどのイルミネーションで飾られていて、

ホワイトデーの今日は見渡す限りカップルの姿ばかりで賑わっていた。


コートのポケットに手を入れて歩くアサヒの腕を掴み、寄り添うアキ。

周りのカップルは手をつないだり、肩に手をまわしたりしていた。

 

 

『メシは? 腹へってないの?』顔を覗き込むとなんだか浮かない表情のアキ。

返事はない。

口をぎゅっとつぐみ泣きそうな顔をして、俯いている。

 

 

 

 

  (今度は、なんだよ・・・。)

 

 

 

 

小さく笑うと、立ち止まりアキの正面に立ったアサヒ。 『どーしたー?』

 

 

すると、

 

 

『陸上部の女の子たちに、何あげたんですか・・・?』 か細い声で呟いた。

 

 

思わずため息が漏れる。

足元に目を落として、後頭部をガシガシと掻き毟った。

 

 

 

 『お菓子だよ、ただのお菓子・・・


  だってさー・・・ 向こうも義理でくれてるだけだし・・・。』

 

 

 

それでも不満気に俯くアキの手を掴み、プレゼントの小さな小箱を渡した。

 

 

 

 『お菓子じゃないよ、コレは。』

 

 

 

アキが涙が溢れそうに上目遣いをし、頬を赤く染める。


ゆっくりその箱を開けると、そこにはブレスレットが輝いている。

華奢な感じのハニーゴールドのブレスレットに、小さなハートとフェイクパール

が清楚でやわらかい。


アキが何も言わず腕を伸ばし、アサヒに手首を差し出した。

ゴツい指先でそれを掴むと、細く白い手首にたどたどしくブレスレットを

付けるアサヒ。

 

 

大切そうに手首を胸に押し付け、俯いたアキ。

また、ぽろぽろと涙をこぼした。

 

 

 

その次々に流れ落ちる幾粒もの雫を、ぼんやりアサヒは見つめていた。

 

 


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