この場所で皆で語り合いたい
「とりあえず、真彩がこっちに来ているって事を前提にして話をしない?」
由紀が提案してきた
「そうだね。来ていなかった時の事を考えるのは確認してからでいい」
「よっしゃ!んじゃ、みんなで柴田勝家の体にコンタクトを取るための具体的案を考えるか!!」
そして、由紀の後に太一と剛輝がまったく反論のない事を言う
僕殿なのに会釈しかしてないじゃん
ここはビシッと決めなくては
「じゃあ!今から具体案を考えるか!」
「いや、それ今俺が言ったしw」
失敗したようだ。3人の生温かい様な目が痛い
完全に3人は苦笑だ。やれやれと言いたげである
「ふーじゃあ部長。進行役任せたわよ」
「なんやかんや大事な時は優吾が進行役だしなw」
「ですね。優吾が進行したほうがしっくりします」
(お前ら...)
くじ引きで決まった部長であったが
実は僕は現代でもサークル存続の危機など事態が起きたときは、進行役を任せられる時がたまにあった
まぁそうそう起きないし、小さい問題ならば、僕は最後に意見をまとめるだけなんだが
(ふーやっぱり大事な時は僕がいないとみんな駄目だな)
(((うざい顔)))
思った事は顔に出ていたみたいだ。露骨に嫌な顔される
だが、優吾は自覚していないがリーダーとしての素質はサークルメンバー全員が認めている。なので声には出さないし、優吾が進行役になるのも全く異論はない
咳払いを一つ入れ
「じゃあ、気を取り直して話を始めようか」
3人が首肯する
「じゃあ、何か案はある?」
「そうね、私たちにしかわからない暗号で手紙を送るというのは?」
「暗号ってなんだよ」
「そんなの知らないわよ。それをこれから考えるんでしょ」
「まぁ由紀ちゃんの暗号って案は一つの選択肢だと思うよ。ね?優吾」
「ああ、だがただの手紙だと勝家がいない所で読まれる可能性もあるから微妙かもな」
「確かにね..まず間違いなく真彩にも伝わって勝家にも関わる手紙かそれに連なる物を送らないと危険な事になるものね」
皆が頭を悩ませる
「あ、そうだ!こんなんはどうだ?」
剛輝が何か閃いたようで挙手をする
「まず、生きている織田家の親族全員に手紙を出す。そうすれば、信勝の所に手紙を送ってもなんら問題はない」
「ふむ」
「なら手紙の内容はどうするんだい?」
「それはだな。俺と太一が優吾達に使った作を使うんだ」
「?」由紀が頭かしげる
「なるほど。光の玉を見たか否かって奴だね」
僕が答えると
「なるほどね」由紀も理解したようだ
「正解だ。優吾w」
剛輝が話を続ける
「光の玉を見たか!なんて聞いたら俺の隣にいた兵士のように「こいつは何いってるんだ」となる。 だけど、当然いきなり信長から来た手紙だ。しかも、親族全員に送られているから無視もできない。この内容なら真彩ちゃんが読むか、内容を聞けばピンと来るはずだしな」
言い終えドヤ顔をする剛輝
「でもそれじゃあ、さっきと一緒で真彩が読まない可能性もあるんじゃないかしら」
「それも、大丈夫だ。家来にも確認をとるよう手紙に書いても不自然じゃないだろう。そんな奇怪な文が敵である親族から来たんだ。見せろと書いてあるんだから、家臣にくらいなら相談する可能性があると思わないか?」
「一理はあるわね」
「だろう?」
「しかしだね剛輝。その作戦は真彩ちゃんには、僕らがこちらに来ているって知らせる事はできるかも知れない。でも、それだけで終わらないかい?」
「まず、それでいいだろう!二兎を追う物は一兎も得ずというぜ?」
「そうだけど、その作戦には穴がある。可能性があるにはあるが、家臣に見せない可能性はせいぜい5分5分くらいだろう」
「まぁ確かにそうだが」
「確率を伴う作戦は最良とは言えないと思う。少なくとも可能性の高い作戦にすべきだ。いくらなんでも不確定すぎる。悪い手ではないんだけど。
何も思いつかなければ最終手段で使うくらいのレベルでしかないと思う」
確かに太一の言う通りである。
太一の述べた理由に加え、真彩には僕らはこちらに来ることがわかっても、僕らからは真彩がこちらに来ているかどうかわからないという欠点もある。
それに..
「今織田信長はうつけと呼ばれていて部下はいるが宙ぶらりんな状態だ
まだ、指揮官としての才を見せるのは桶狭間だからね
この手紙をきっかけに「うつけはまた意味の分からん事を言っている」と思われるとこれからの士気にも関わるかもしれない。
そんな事になればもし事がうまく行ってもこれからの生活、ましてや命に係わるかもしれない。そんな危ない状況で助けても真彩ちゃんが心の底から笑えないと思うんだ。後輩が安心して笑える場所を作っておくのも先輩の役目なんじゃないかな」
「「「....」」」
僕の考えを最後まで聞いていた3人
そして口をひらく面々
「同意見だけど。最後の方くさいねw」
「ええ、真彩がこの会話聞いたら「キモイです先輩」って言うわねw」
「優吾もそこまで言うんだったらこの案は却下だなw」
3人がこちらを見てニヤニヤしてくる
自分では結構キメたつもりだったのでめちゃくちゃ恥ずかしい
「まぁ..それなりにかっこよかったわよw」
「そうだねw流石は我らの部長だね」
「やめろ。お前ら...]
「まぁそれはおいといて新しい案を考えなとなw
んで?俺の案を却下したらからには、2人ともいい案が思い浮かんでるんだろ?」
ニヤニヤしてくる剛輝
自信のあった案を完膚なきまでにたたき折られ仕返しとばかりに問いかけてきた
「ごめん。まだ、何も思い浮かんでないんだ」
「そうか、そうか。それは仕方ないな」
優越感を浮かべて剛輝は太一を見つめて言う
太一はあまり顔に出していないが、悔しそうな気がする
今度は剛輝が僕の方を向いてくる。
僕の顔を見ると頭に?を浮かべる
「どうしたんだ?優吾」
眉間にしわをよせ頭をフル回転させていた僕に剛輝が問うてきた
「あのさ、そこまで怒ることないんじゃないか?軽い冗談なわけ..だし」
「そうよ。剛輝の煽りなんて現代でもたまに会ったじゃない」
「そうだよ。確かにムカッとしたかもしれないけど剛輝もネタのつもりだったんだ。許してあげたら?」
どうやらみんなは勘違いしているみたいだ。どうやら機嫌を悪くしたと思ったみたいだ
「いや、違うぞ?脳をフル回転させてて。それに、少し頭痛がするから眉間にしわが寄っただけで」
「なんだ、そうだったのか」
剛輝は安堵の表情を浮かべる
「そんなに、怒ってるように見えた?」
「ええ、正直ゾッとしたわ」
「うん、流石第六天魔王の顔ってくらいにわね」
どんな、顔していたんだろう...
優吾本人としてはそんなに凄い顔をしていた気はしていなかったから、自分の顔が気になって仕方がない
この時代に鏡ってあったけ?ないなら、水たまりでも覗こう
「まぁ顔の事はおいといて優吾は何を悩んでたんだい?もしかして、新しい案?」
「マジかよ!それなら優吾早く教えてくれよ!」
こちらに詰め寄ってくる剛輝
「それじゃあ、優吾がはなしにくいでしょ。座りなさい」
「あ、はい」
由紀の言葉と姿が合いすぎている...お姉さんって感じだ
剛輝もつい敬語になってしまったみたいだ
まぁ今はそんな事どうでもいいか
「えっと、一応思い浮かんだけど聞いてくれるかな?僕たちの存在を伝え、接触して、短期間で仲間にまで引き入れられるかも知れない方法を」
3人は終始軽い相槌を打ちながら黙ってきてくれた
20分後
「すごいじゃん!!これなら乗ってきてもおかしくないし、この作戦を決行したうえでなら真彩を多少強引に仲間にしてもおかしくはないわ」
「ああ、もしこの作戦が完璧に成功すれば、未来にもつながる」
「流石だわ部長wいや、信長様!多少エグイがそこがまた信長っぽいな」
うん、僕の作戦は好評なようだ。とりあえず安心。
「ありがとう。じゃあ色々準備しなくちゃね。今から指示をだして明後日には作戦を決行する」
「ちょっと期間が短くないかしら?」
「いや、あまり真彩を待たせるのは良くない。少しでも早く作戦の第1段階を成功させて真彩ちゃんを安心させてあげたい」
「それもそうね。早ければ早いだけいい」
「そんなめちゃくちゃ準備も大変ってわけじゃねぇし!兵士にも力借りれば明日にでも行けるかもな!」
「流石に明日は無理だよ。剛輝」
「わかってるよ。言ってみただけだ」
みんなの声が元気になっていく
大丈夫だ。この作戦は成功する
絶対に真彩ちゃんと一緒にこの世界について語り合うんだ
みんな心は一緒だろう。
僕は一度手を叩き
「さぁ準備を始めよう」
「「「おー!!!」」」
さて、やっと主人公達が動き出す今回の話どうだったでしょう
少し自分でもうまくまとめられたんじゃないかと思うんですど...
では、最後にここまで呼んで下さりありがとうございました。
次回も読んで下さればうれしいです。では