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戦国好き達は英雄の代行を任されました  作者: ユートピア
美濃攻略編
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剛輝の答え

「……あのさ」

「だから何だよ。勿体振らずに言えよ!」


剛輝は僕が口ごもっていると続きをせかしてきたので

僕は意を決してしっかり言葉にした。


「昨日さ?剛輝は美濃攻略の作戦をみんなの前で立案したよね」

「ん?あ……あぁ、そうだな」


「あの作戦。僕自身はかなり良いと思う」

「だろう?さっすが俺」


剛輝はそう言うと得意げに鼻息を荒くし両腕を胸の前で組んだ


「聞いてくれ。剛輝」

「ん?何だよ」


「剛輝の作戦は確かに良い..僕はその案を採用したい。だけど」


黙って聞いてくれる剛輝に僕はしっかりと告げる


「剛輝..剛輝にはさ?人を殺めるという覚悟をあるのか」

「は?」


僕の言葉を聞いた剛輝は呆けた様な顔になり

目を泳がせ、狼狽し始めた


「あぁ…そうか。そういう事になるのか」

「剛輝大丈夫なの?」

「おう…ありがとうな由紀」


あまりにも狼狽している様に見えたのか由紀は剛輝に声をかけ

剛輝はそれに何とかという感じで生返事を返した


剛輝の気持ちはわかる


ただ…

そんな剛輝に僕はあえて厳しい言葉を選んだ


「剛毅ハッキリ言って欲しい。僕は織田信長だ。みんなを守る必要がある」


こちらに顔向けたみんなに僕は続けて告げる


「剛輝の作戦は良いと思う。だけど剛輝の存在は不可欠だ。

剛輝が戦場で尻込みする様な事があれば剛輝自信の身が危ない。ぼくらは剛輝の死を経て手に入れた勝利なんて望まない。君は羽柴秀吉だ。この先幾度となくこんな場面が来るだろう。

どうか、今回の戦いくさのためでなく僕らが今後この世界で生きていく上で必要な事だと思う」


僕は頭を垂れ


「覚悟を決めてくれ」


剛輝にお願いをした。

僕の言葉を受けた剛輝は俯いて沈黙している


「大丈夫よ。私達も完全に受け入れたわけじゃない。みんなでお互いをフォローしていきましょ」


由紀の掛けた言葉にハッとした剛輝は僕やみんなの顔見て


「アハハ八ッ。俺とした事がナイーブになっちまったぜ!」

「剛輝?」

「大丈夫。だいじょーぶだ優吾」


剛輝は手を前に出し「まぁまぁ」と仕草を交えて腰を上げた


「ちびっとだけ時間くれ。明日には答え出すから…さ」


剛輝は障子に手をかけて外へ出ていった


「剛輝!」


由紀が腰を上げ剛輝を追いかけようと立ち上がろうとしたとき


「追いかけない方がいい!」


隣に座っていた太一が由紀の腕を掴んで止めた


「何でよ!一緒にいてあげた方がいいじゃない」

「いや、男はこういう時は一人にしてほしいものだよ」


僕も太一と同意見だ。剛輝みたいな表面上何も考えていない様にふるまっている様な奴は特に

僕も由紀を止めるのに賛同する事にした


「剛輝なら大丈夫だよ。きっと乗り越えてくれる。慰めたりするのは剛輝が乗り越えてからでいい」

「優吾はあんなにグロッキーになったくせに」


僕は完全に言葉に詰まった


「た、確かに僕の部屋に来た時の優吾は酷かったけど、信長の過去は僕ら以上に酷いものだったんだと思う」


太一もグロッキーだった事は否定しないんだな…

いや、自分でも酷かったんだろうなと自覚してるけど


「と、とにかく剛輝は放っておいた方がいい。剛輝を慰めようとしてもアイツはどうせ無理してヘラヘラ笑って自分の心を押し殺すに違いないからね」

「そうですねー剛輝先輩ならそうしそうです」


僕と太一の言葉に由紀と真彩ちゃんも納得してくれたように見える


「剛輝は明日答えを出すって言ったんだ。なら、とりあえず今日は解散しよう」

「そうだね。それがいいかも」


僕の解散という意思にみんなも賛成な様で異論はなく


「みんな直接的な慰めはマイナスになりかねないけど、剛輝の事は気には欠けておこう」


僕の最後の言葉に先程よりも強い肯定が返された




剛輝side


バッシャ!

剛輝は自分の顔に冷水をかけ顔を洗った


吐き気をもようしう水でも飲もうと井戸までやってきて、気分転換に1回目の顔を洗ってから

もう7回目になる。だが、全然気が晴れない。


いつもであれば、何かあれば顔を洗えば切り替えられるのにどうもうまくいかない


剛輝の過去…いや、正確には秀吉の過去はそこまで壮絶ではない

そう他のみんなに比べればマシな方だ




秀吉side


農民に生まれ、貧乏であったが暖かい家庭に生まれ不自由ではあったが幸せに暮らしていた

15歳までの秀吉の未来は家の農地を継ぐというのが誰も…秀吉すらも疑わなかった


だが、そんな秀吉の近くで武士を目指すといい始めた若者がいた


その若者は秀吉の兄貴分の様な人で秀吉も大層慕っていた

そんな兄貴分が武士になれば、秀吉も武士になりたいと思うのは不思議ではない事


そんな旨を母上に相談すると


「あなたの生涯です。好きな様にしなさい」

「農業の方は大丈夫か?」

「母の心配はいりません。あなたはあなたの好きな様にしなさい」


そんな数言のやりとりだけで秀吉の天下人への長き道への扉は開いた


それから1年間体を鍛えなおし

兄貴分であった人が仕えていたのは今川勢だったので紹介の文を出してもらった


とんとん拍子に話が進んで、足軽になった秀吉は今川勢に仕える事になったのだが

農民という理由から仲間から嫌がらせを受けて今川勢を去った


それから1月後、信長が既に小規模ながら行っていた兵農分離にひっかかり足軽として働きだした


周りには元農民が多くおり今川勢よりも遥かに居心地がよく

ここに腰をすえようと固く決意した


2年ほど武士のあれやこれを学び、軍として初陣したのは剛輝が変わった2年前ほど前だったのだった




剛輝side


倒した敵のかずは24人。そう秀吉は人を殺した経験がなかった

だからなのか、剛輝のショックは少なく吐き気で収まり、みんなの前では平然としていられた


だが、ショックが少なかったからなのか。秀吉が思っていた事なのか

剛輝は思った。思ってしまった


「人を殺さずに天下人になる事はできないだろうか?」


久々の投稿です。

ここまで読んで下さりありがとうございました

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