共通点を見つけると
「私の父は~」
光秀は身の上話をし始めた
光秀の話によると
光秀の父光綱はあまり良い人格者ではなく酒に酔うと周りに迷惑をかけ
暴力を振るう様な人だったそうだ
そしてその光綱は現代で伝わっていた数ある所説の中の一つ
斎藤道三の「美濃明智城攻め」で戦死したという
その後道三は明智の家臣やほとんどの男の家来を皆殺しにし
一部の優秀な女部下もしっかり殺したそうだ
だが、明智光秀はその頃まだ10歳
道三は子供と戦力にならない女は眼中にないそうで生かされたのだと言う
なおも続けられた光秀の話によると
あまりいい父親では無かった光綱だったが戦の腕はあり
その娘である光秀の才覚を確かめようとしたところ
「とんでもない拾いものをしたのう」とたいそう喜ばれたんだそうだ
「特に喜ばれたのは人を見るときに発揮される観察眼でした」
光秀がここまで話した所までは僕は相槌を打っていた
そんな僕は始まったと僕は心の中で言葉を発した
今までのは歴史好きとして聞いていたのが半分入っていたが
今からは光秀という女を見極めるべく全神経を集中させた
「あの道三がそこまで言ったのか」
「はい恐縮ながら」
「聞かせて貰えるか?道三が見込んだ力とやらを」
「何だが恥ずかしいですが...」
真彩みたいな反応を返してきた光秀は話を続ける
「私の家は道三様によって没落しました。あ、気にする必要はありませんよ?」
「続けろ」
僕は目線を外さずに話の先を促す
「はい。私の家は没落したゆえ身内と呼べるのは母と義父の光安様のみになりました」
なおも続けられる光秀の話
「ですが光安様は3年間の間で道三様のお力沿えで軍事や知恵を得た私を少しづつ疎ましくなり徐々に私の前に姿を現さなくなっていきました。あまり親しくもなかったですしね。
というわけで義父の事はどうでもいいのですが」
いいのかよ
と思ったが口は挟まない
「しかし私には一人大切な人がおります。それは母。名をお牧と言います」
現代に伝わっていた通りの光秀の母の名前
正直あんまり詳しいとは言えないけど
太一や由紀ならコアな所まで調べるため詳しいのかもしれないが
僕、真彩、剛輝なんかは有名武将や好きな武将なんかを徹底的に調べて他は軽くという感じなので歴史と食い違っているのかは僕にはたぶうんどうか正直わからないかもと思いながら話に耳を向ける
「私の母は病で床に伏しております。」
光秀は少し目を伏せて苦笑しながら話を続ける
「さきほど話したように実父はおらず義父もいないも同然で
しいていうなら道三様が父ですがお師匠という方がしっくりくる気がしますし
唯一床に伏した母は光秀に励ましの言葉はかけてくれましたが力にはなりましたが言ってしまえばそれはどこまで行っても言葉でしかありません」
僕は少々聞き入っていた
感想は「大変だったんだな」というごく普通の感想
だが深さが違うと思う
現代の僕なら深さなんてそのへんの人らと同じだっただろう
だがここに信長の過去が重なると話が違ってくる
そう。信長とは違うが親に頼れず一人で生きてきたという点においては共通している
僕は今まで警戒してきた光秀だったのだが
簡単だなとかチョロとか言われるかもしれないのだがが
僕の心をよそに信長の心は光秀を受け入れ始めていた
僕は自分の感情を制御できずに持て余していた。
何の考えもなしにふと前を見ると
光秀は僕の目を見て固まっていることに気づいた
「どうした。話はどうした」
「も、もうしわけありません」
光秀は動揺をみせた
僕が声をかけると今まで僕の目を一点に捉えた目はどこを捉えればいいのかわからず左右を泳ぎ始めた
僕がどう声をかけようかと思った所で光秀から口を開いた
「...はじめてです」
「何だって?」
だが、発せられた言葉は小さかったうえに光秀の顔は下を向いており聞き取ることは出来なかった
「信長様。質問の途中ですが私が質問をしていいでしょうか」
...初めて。初めて光秀が質問をする許可を求めてきている気がする
もちろん何度もされた質問の前にはほとんど「質問をしてもいいですか?」という問いかけはあった
だが、本当の意味で質問しても良いのか聞いてきた事は無かった
礼儀というべきか形式的というべきか
2000年代の日本で会社などで部下が上司に質問するような感じ
だが、今の光秀は不安がっている様な気がする
この質問に答えてくれるのだろうか、こんな質問してもいいのだろうかという
事を考えていそう
現に光秀は今ボクが驚き思考しているあいだの間もソワソワしながら僕の回答を待っている
「言ってみよ」
何を聞かれるかわからない今
この返答であれば不都合な質問の場合は答えらないと言えばそこで話は戻ると僕は考え発言した
「ありがとうございます」
光秀は床に頭が着きそうなくらい頭を下げ
「信長様のお父様はご存命ではなく、母上には疎まれていると聞いています。
信長様は誰を支えに生きてきたのですか?」
答えられない質問ではない
僕は信長の考えや経験を言葉に変えた
「そんな者はおらん。今となれば多少心を許せる家臣もいなくはないが
昔となれば信じられる者など皆無。信じられるのは自分だけだ」
僕が言い終えると光秀はと言うと
ニヤニヤしていた
頑張って真顔になろうとしているが全然できていない
「先ほどの信長様の質問に答えると私の人を見抜く力は頼れる者はいなかったからです。私は母を守らなくてはなりませんでしたから」
そう言い終え光秀は深々と頭を下げ
「信長様。突然ですが正徳寺で言った事をもう一度言わせていただきます」
僕の中で何の事を言っているのか見当が付くまでに光秀の声が先に届いた
「信長様こそ私めの主君に相応しき方。日ノ本に留まることなく南蛮までも手中に入れようとする強欲さ。そして私には無かった心の強さ
そしてその光源氏に引けを取らないであろう凛々しさ
私はあなたの矛になりたいと思いました。どうか私めを誠の家臣にしてください」
長い長い礼とともに発せられた言葉
顔を上げた光秀の顔は上気し目からはキラキラと星が飛んできそうまくらい輝いていた。
「私は母のためにと精進してきましたが話を聞いたところによると信長様は己の野望のためのみだとお見受けします。私は一人で戦う事の厳しさを知っています
だから私が信長様の第一の理解者になりたいのです!」
光秀は言い終えて満足したかのような顔でなおも言葉を続ける
「光秀は自分で言うのもなんですが!道三様の言うように優秀ですよ!
主君の命は絶対ですし裏切りなんて絶対にしませんし、政略の面でもお役に立てると思います...ダメですか?」
光秀は元気よくと言うか無垢な少女のように自分を押し売りしてきていたが
最後に突然語尾が弱くなり恐らくだが近くにいたら上目遣いを使ってただろうとと変な推測を立ててみた
そしてふと思った
かわいい
何この生物
思わず頭に出てきた言葉
果たしてこれは天然なのか演技なのか
演技ならたいしたもの、天然なら
まさしく天然記念物
こういうのが得意な真彩なら見抜けるだろうか
後でからかい半分に聞いてみるか
そして僕はハッとなった
いつのまにか僕は光秀に心を許している?
最初の頃は一挙手一同に気を配っていたのに今気づいたら警戒心を解いている自分がいることにきづや
いったいいつから?と考えてみると
(やっぱり光秀の過去を聞いて信長と似ていると思ったときだろうか)
やっぱり共通点というのは人との距離を縮めるのか
それとも光秀が心に入ってくるのがうまいのか…
道三と僧坊酒を飲んでいるとき確か真彩が酒を零したときにも吹くものを取りに行ったのも光秀だった
ふむ..どちらの要因もあるのかも?
(結構考えてしまった)
一度「ふー」と息を吐き反省を開始する
相手の前で考えてしまう
これは迂闊な行動や発言をしないという意味ではいいが
考えすぎて妙な間ができた場合色々問題があるといえるだろう
これは僕の治すべき欠点だろう
僕はそんな事を思い口を開く
「我は意見を覆すつもりは無い」
「それはつまり...」
「貴様を正式に家臣にするかどうか決めるのは先の話だという事だ」
いくら僕が光秀に共感し本当ぬに家臣にしても良いかもと思っても僕の一存では決められない
信長は一人だったかもしれないが僕はこの時代を一人で生きているんじゃない
僕の後ろには4人の仲間がいる
(まぁ、前にいるんだけど…)
前にいるみんなを見て口が上がるという気持ち悪い事をしてしまう
そんな僕の目の前で
「そうですか..では私は戦果を挙げてみせます。私から目を離さないでくださいね♡」
最後絶対「♡」付いてたと確信できる
てか、マジかわいい
こういう子って女子からは...
「認めませんよ私は」
全員の目が声を発した主に目を向けられる
そう言うと皆から視られていた真彩もとい勝家は立ち上がり光秀に向かって歩を進め
「私はよそ者を家臣に取り立てるのは断固反対です」
完全にケンカ腰だ…
ここは真彩を止めるべきだろうか…
「勝家座れ」
「座りません!完全に心を許した信長様黙ってください」
ぐっ
完全に言葉に詰まった
立場上「いいから座れ!」と言えば命令に従うだろうが
「心を許した」という部分で完全にひるんでしまった
思わぬ形で痛い所を刺されてしまった。指摘されるとは思っていなかったし、ましてバレているとは思っていなかったので反論に躊躇が生まれた
そんな僕の前で今度は光秀が声を発した
「あなたは勝家殿でしたね。私が何かしましたか?」
光秀の態度はあくまで冷静を装っているがまちがいなく
(あれ、絶対怒ってる)
あーこれは大変なことになるかもしれない
僕は頭痛がしてきそうな・・いや、今してきた
僕が溜息をこぼす前で
「あなたそもそも媚びすぎじゃないの?」
「コビルってどういう意味ですか?喧嘩を売ってきているのですから相手にわかる言語を話すのが礼儀じゃないですか?」
おい、と真彩に全員がツッコんだ
これもしかしたらマズイか?
「媚びるというのは、あなたみたいなブリッ子の事をいうんです」
「だーかーら。意味が分かりません。ブリッコってなんです?それにどことなく下品な言葉ですね。流石は脳筋武将です」
「は?私のどこが脳筋なんです?」
「無知の者に対して同レベルの言語で話せない者は脳筋ではないですか?」
「私はあなたの数倍知識があるし南蛮人とだって話せます!あなたこそ私の言葉の意味もわからないなら脳筋じゃないの!」
「違います。恐らくは勝家殿が言っている言葉は南蛮語なのでしょう?
それであれば、光秀には今まで南蛮語について教えてくれる者いなかっったのですから当たり前です。賢き光秀が南蛮語を教われば一月であなたに劣らぬ位まで行く自信があります」
「そんな簡単なわけないでしょう」
「あなたと一緒にしないでください」
今の真彩は光秀より5センチ程背が高いので見下げるような形で光秀は見上げるような形で互いに睨みを続け
「この話は不毛ですね。で?あなたは何が言いたいのです?ブリッコとかいうののをやめて欲しのですか?」
「そうね。まずは私とキャラがかぶるからやめて欲しいわね」
「きゃら?というのはわかりませんがそのブリッコというの。それにきゃらとコビルと言うのも教えてください」
「媚びるっていうのは相手に弱い部分やしおらしい自分を見せて仲間に引き入れることです。そしてブリッ子って言うのはさっき教えた媚びる奴の事を言うの。キャラって言うのはその人の人柄。性格って捉えてもらえればいいわ」
「?」
まぁ当然だろうなと思う
いきなり早口で外来語や未来の言葉を話されて混乱するのも無理はない
「意味はわかりました。文脈から察するに、私は信長様に取り入ろうと演技をしたという事でよろしいでしょうか?」
「…間違ってはないわね」
「ふむ、そういう事でしたら私は信長様の前で演技などしていませんよ?」
今度は真彩が?を浮かべる番だった
そして驚き→苦虫を噛み潰した
「嘘でしょ..」
「私は主君の前で嘘はつきません」
恐らくだがみながこう思った事だろう
(((((天然だったのか...)))))
正直驚いた
そして男子はもれなくこうも思ったのではないだろうか
(((こんな子本当にいるんだ)))
と
『天然と演技』のぶりっ子
一緒だが全然違う共通点
僕は思った。この言い争いを期にさっき見つけた共通点を見つけると仲良くなれる。という格言は撤回しなければならない
(共通点はときとして仲を悪くする…と)
だがそろそろこの言い争いを止めなばなるまい
この言い争いを今まで聞いていたのには途中からちゃんと理由がある
僕自身は光秀を仲間にしたいと思っている。その考えは変わらない
それどころか光秀と話て見てさらに一緒に世界を歩きたいと思った
これは
人として気に入った信勝にも
同盟者として気に入った道三にも
抱かなかった感情
この時代に来てずっと一緒にいたいと思った初めての相手
僕はそれほど光秀を気に入った
僕自身が気に入ったのか僕の中の信長が気に入ったのかはまだわからない
だが、芽生えてしまったこの気持ちは本物だ
だから僕は南蛮語ぼ自主的に覚えさせるキッカケとして少し放置してみていた
光秀が家臣に入り近くにいるとなると僕らの近くに必然的にいる事になり
その場合英語や外来語に理解をしてもらった方が僕達としても気が楽だろう
ただ、これ以上はいくらなんでも危険かもしれない
何が起こるかわからないし
僕はあたふたしている剛輝
苦笑いをしている太一
ではなく
目をつむって二人の声に耳を貸している由紀に声をかける事にした
「長秀。止めてくれ」
僕がそういうと由紀は沈黙を解き
1分もかからずに言い争いを止めた
由紀マジスゲー
前回が短ったので今回は少し多め
どう…でしたか?
タグに恋愛ってありましたよね?忘れてる、タグ詐欺だと思った思っている方がいらっしゃったならおまたせしました?この話からちょっとずつ入ってきたりこなかったりまぁこれからどうなるかはわかりませんし
まだ決めてな…んんっ(咳払い)
こんな感じで後書きは終了してそろそろ終わりへ
ここまで読んでくださりありがとうございました
よければ次話もよろしくお願いします




