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戦国好き達は英雄の代行を任されました  作者: ユートピア
美濃攻略編
25/39

人は見かけによらない{後篇}

もちろん所説はある

だが、僕は納得しなかった...いや、少し違う


大学で過去の文献を読んでこの所説の方が正しいのかも知れないとは思った


だが僕は推測という名の願望を持って否定を繰り返した


それは、「斎藤道三は息子義龍にわざと勝たせたのではないか」


現代ではまったく根拠のない戯言

これをサークルメンバーに話したとして話のネタとしては面白いが

説得する自信や根拠は全くなかった



あの歴史オタク達に論破されないように

だからこの話は僕の中で暇な時のために温めていた


だが、この時代に来て願望は「もしかしたら」に変わった


この時代に来て実際は道三の所には軍勢が1万くらいはあるという事

これは織田家の忍者らっぱを送らせてわかった事


ならば、なぜなのか

もちろん不意打ちや裏切りの可能性もあるが


僕の目の前にいるこの男がそんなミスをするだろうか


僕が実際会ったのは初めてだが

この感じる曲者感


気を抜けば自分の思い通りに話を進められそうな緊張感


まちがいない。これは織田信勝には無かった違和感

斎藤道三は強い。心技体全てにおいて


そんな男がなぜ


やっぱり道三の敗因は相手が息子だったからでは無いかと思う


この道三の沈黙と今の道三の顔が言葉よりも雄弁に語っている


「我が軍門に下れ。そうすれば貴様は天命をまっとうできようぞ」

「若造が知ったようなことを」


「ああ、知っているからな」

「何?」


「我は未来がわかる」


前の2人は面をくらった顔をする

まぁ面を食らっているのは僕の後ろもだが


そして案の定後ろから声がかかった


「信長様!何をおっしゃいますか!!」


後ろから利家もとい太一の声が聞こえてる

ここで僕を「優吾」と呼ばなかったのは流石太一と言うべきだろうか



「いいから黙って聞け利家よ」


「....ハッ」


僕のたしなめる声にしぶしぶながら肯定の意を示す


「ふむ、では儂も含めここの皆にわかるように説明して貰おうか」


「無論だ」


僕の言葉に皆が耳を向ける

僕は息を吸い言葉を発する


「最初に言っておくが本当に未来がわかるわけじゃない」


僕は後ろに一度目配らせをしておく

これで安心...はしないだろうが多少はマシだろう


「さっきも我は言っただろう。我の推測だと貴様の嫡男に負けるだろうと」


「言っておったのう」


「我の未来視はゆうなれば推測だ。だが当たる自信はある」


「...いつもならたわけがと笑い飛ばすところじゃが」

「我は真剣だ」


「信じられんがそのようじゃな。嘘を言う者の目じゃない」


まぁ本当の事は言ってないが嘘も付いていない

不確定とは言え未来がわかるのは本当だし


「ここは儂の目を信じてみるかのぅ」


「そう言いながらも少しは疑うのだろう?」

「当然じゃろう。貴様の目が無ければまるでたわけの戯言じゃからのう」


「それで構わない。我も貴様が今未来が見えると言えば戯言としてかたずけるからな」


「そうじゃろうのう」


「だが我のは事実だ。貴様はさっき我を優秀だという評価を下したな?

未来視も含めて我の軍門に下るがいい」


「暴論じゃのう」


「そうだ。もう一度言う我の軍門に下れ」


「...いいだろう」


僕は笑いを抑えられなかった

口角が自然に上がる

だが僕の笑いはすぐに真顔に戻ることになる


「だが条件がある。試しに軍門に下るだけだ

不甲斐ない姿や選択をしたらすぐに裏切ると宣言しておく

そしてもう一つ軍門に下る前にも条件だ」


溜めて道三はもう一声


「貴様の未来視とやらのお手並み拝見をさせてくれ」


やっぱそうなるよな

答えは考えてある。だがこれでいいのだろうか


これを思いついてからも文献なんかを僕は頭の中で読み返していた

だが、これより可能性が高い者となると...


ええい!時間がない

あまり間を開けると疑われかねない

仕方ない


「貴様は死後我に美濃を明け渡す気でいるのでは無いか?」


「な、なぜそれを!」


あ、当たったーーー

と僕は心の中で歓喜した

正直確率では測れなかったが

現代に伝わっている道三の遺言は確かだったようだ


「しまったのぅ。口が滑ってしまった」


道三は今日一番で楽しそうな顔をして言葉を続けた


「信長よ。貴殿のは未来視ではなく推測なのだろう?何故そう思うのか聞かせて欲しい」


僕はすこし躊躇した

文献通りか...

それとも


思考は一瞬だった

さっきは過去の文献にたよったが正解とは限らない


僕は信長であって信長じゃない

なら僕なりの選択をしないで

僕の考えを表に出さないでどうする


「斎藤道三殿。貴殿は息子に同じ苦労をさせたくない...からでは無いか」


僕の勝手なイメージ

押しつけがましい僕の斎藤道三への願望


さて、どうなるか


「フッハッハッハッ」


さっきの今日一番をすぐに塗り替える道三の大笑いが部屋を包んだ


「いや愉快愉快。まさか美濃のマムシと呼ばれる儂にそんな事を言ってくるとはのぅ」


「...違ったか?」


道三は大笑いの余韻を残しながら答えた


「フッ。もう良いかのう。たまには正直になってもわるくない」


ん?道三の顔にこれは...やさしさ?

今までに見せなかった道三の顔


「だが貴殿の推測とやらも完全ではないようじゃしのう」


やっぱり違ったのか


「理由だけが少し不十分だ

正直貴殿の儂の息子に苦労させたく無いと言う面も恥ずかしながらある

だが、一番は美濃を治める器が我が嫡男義龍にはない。表だってはその理由だ」


つまり僕が用意していた答えはどちらも正解していたという事になるのか

だけどもしかしたら...


「まぁ儂の話はこの辺にして

軽く謀るつもりが、貴殿が儂の考えやこの先考えている事を見抜くとは思わなんだ。誠あっぱれよ」


「お褒めに預かり光栄にございます」


「おいおい、儂は貴殿...いや信長様の軍門に下るのだろう?

そんな綺麗な言葉遣いは必要ない」


「それなのだがな?我の軍門に下るといってもいつどんな事でも進言しても構わん

加えれば外面そとずらは主従を演じて欲しいが、日ごろからへりくだる必要はない」


「ほう、ある程度の規律を敷かねば配下に示しがつかんぞ?」


「我の理念の中に一つこんな者がある」


これは僕の考えと信長の考えで良いと思う物をこの時代で生きていくための心得として胸に抱くことにした


これは信長の方の考え。僕がかなり気に入っている物の一つ


「下らない規律など邪魔なだけ。周りの事なんか気にするなだ」


「カッカッ。その年で世の中の考えに逆らうとは流石儂の見込んだ男じゃ」


ここまで褒められると少々照れくさい

だが、ここで謙虚になれば信長らしくないか


「ふふ。良き結果に会談が進んでよろしかったですね道三様」


「そうじゃのうw」


あ、こんなどうでもいい事じゃなくて大事な事を忘れていた


明智光秀をどうしよう....まぁ今はいっか


正直疲れた

ここまで疲労するとは


ホント見た目はイカツイじぃさんなのに


人は見かけによらない

3話に渡った道三との会談は終了です

もしかしたらおかしいだろうと思った所があるかもしれませんが大目に....


では最後にここまで読んでくださりありがとうございました

次話もよろしくお願いします


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