楽しんでいこう!
信勝との会談を終え
僕たちと新たな仲間である勝家とその他部下たちは末盛城から帰っていた
行きにかかった時間より心なしか早く帰ってこれた気がする
理由は言うまでもないだろう
「柴田勝家と申します」
目の前の少女が頭を下げる
今は新しい家臣として迎えるべく挨拶という名目で柴田勝家一人とおなじみのメンバーがいつもの部屋にいた
「これより家臣としてあなたの矛となります」
凛とした佇まいでキビキビと自己紹介をする
表情は笑顔で
「よろしくお願いしますね。先輩♡」
「「「「おおおおおお」」」」
念の為作っておいた重い空気が一気になくなり
「真彩!俺に会えなくてさぞ寂しかっただろ!」
「うぬぼれないでください。キモイです剛輝先輩」
「クーッ。この返しは確かに真彩ちゃんだ」
剛輝と真彩のこの掛け合い
「それにしても随分貧相な物になったわね」
「由紀先輩こそ随分と色香もといババ臭くなりましたね」
「あ゛?」
「二人とも再会したばかりなんだしやm」
「「太一(先輩)は黙ってて(下さい)!」」
「....ごめん」
由紀と真彩が言い争い太一がいさめ...られてないけど
努力する光景
戦国時代に来ても
姿や声が違ったとしても
僕たちは5人揃えば何も変わらない
この光景を眺めているだけで楽しいと心からそう思う
「由紀、真彩。そろそろ落ち着けよ」
「優吾には関係ないでしょ」
「あるよ。もう10分は喧嘩してるじゃないか」
「まぁ確かに大人げなかったですね」
「それ私が子供だって言ってるの?」
「そう言ったつもりだったんですが?」
「ふーたーりーとも。やめなって」
「「ふん」」
「君達仲良すぎでしょ」
まったく
こうやってある程度たったら止めないと
冗談抜きで1日中やってるかなこの2人
「喧嘩はこれからいつでもできるんだし。まずはその喧嘩をするためにも
これからどうやって生きていくか決めよう」
「まだ決めてなかったんですか?」
「ああ。真彩の事を最優先に考えていたからね」
「かっこいいセリフっぽいですけど惚れませんよ?
「そんな意図はねぇよ」
「そうですよね。優吾先輩の嫁は由紀先輩ですもんね」
「「違うわ!!」」
はー話が進まない
真彩ちゃんがいると楽しいのだが疲れる
「えっと。話し戻して」
「優吾はどう思ってんだよ」
「剛輝。僕も意見を言うけど剛輝も考えてね?」
「わーてるよ」
「これは一人の意見で決めていい物じゃない。なにせ今後の生き方を決めるんだからな」
「生き方って言っても創大すぎて何から考えればいいのかわからないわね」
「ですねー。まず考えるべきなのは戦とかについてじゃないですか?」
「そうだね。まず僕たちの命を第一に考えるべきだ」
「という事は歴史通りに進めんのか?」
「いや、それはすでに無理だと思う」
「何でだよ優吾」
「僕たちはもう歴史を変えちゃってるからね」
「あ、そうか。信勝を生かして手を組んだんだもんな」
「ああ、それにもう一つ問題がある」
「?」
「僕らが習った歴史とは多少ズレている可能性がある」
「あー俺らの年齢とかか」
「それもだな。他には種子島がまだ関心はあったが持ってないとか、僕もとい信長と信勝は本当の兄妹って習ったけど、実は僕は土田御前の連れ子らしんだよね」
「なるほどな。そうだったのか」
「ああ。だから参考にするのはいいけど信じすぎるのは危ない」
「確かに歴史には伝わってない大けがとかもしている可能性がありますしね」
「そうだ。例え歴史通りに進んだとしても有名な金ヶ崎の戦いでしんがりをするのは秀吉だ」
「ああ、そうか。俺がしんがりをすんのか」
「そう。だから知っているのにわざわざそんな危険を冒す必要はない
剛輝は秀吉であって秀吉じゃない。実際の秀吉も色々考えたはずだ
剛輝は秀吉とは違う」
「剛輝が生きてしんがりを務められるという保証はないという事だね?」
「そのとおおりだ」
「なるほど。時代の流れに乗っても成功するとはかぎらないということか」
「ああ、だから僕たちは僕たちなりの選択をしよう」
「そうだね」
「賛成だ」
「じゃあ次のイベントと言えば斎藤道三?」
「ですね。まず話し合うのはそこですかね」
「道三が死なないならそれでいいんだけどね」
「まず道三は味方なのか?」
「それも考えないといけないわね」
「歴史だけじゃなくて僕は食事なんかも変えたいと思うんだけど」
「それっていいのかしら?」
「いいんじゃないですか?私たちが違う歴史を知ってるからそう思うだけで
私たちから繋がれる未来の人はそれが普通だと思うはずです」
「俺も真彩ちゃんと同意見んだな」
「剛輝先輩、勝手に便乗しないでください」
「キッツいなw」
「まぁとにかく今の生活を悲観せず前向きに」
「楽しんでいこう」