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戦国好き達は英雄の代行を任されました  作者: ユートピア
尾張平定編
14/39

ありがとう

馬の上にまたがり上下に揺れている

馬には初めて乗ったが、剛輝の言う通りすぐに乗ることができ変な感じだ


もうまもなく末盛城にたどり着く

昼の12時の鐘が鳴ってから出たから、1時という所だろうか

心臓がバクバクいってきた


(緊張するな...)


自分に落ち着けと命じる

だが、心臓の鼓動は早いままだ

しかし、吐きそうなどとゆうことは無い

これは、信長の記憶のおかげか僕の肝が据わったのか


ポジティブに考えればこれは良い緊張感と言えるのかも

と思うと気が楽になった様な気がする


(よし!いける)


末盛城の城門に着く

息を吸いこみ

威厳を込めるように


「我は織田信長なり!会談に参った、門を開けよ!!」


そう言うと、頑丈そうな門がギィィィィと音をたて開いた


馬を下り、歩みを進める

後ろを付いてくるのはおなじみのメンバーに足軽6名だ

他の家臣は話し合いに口出されても困るので連れてこなかった


城の玄関に着くと数人の人影が


「ようこそいらしゃいました。信勝様はすでにお待ちです」


優吾は記憶を探り驚愕した

声をはした女性の正体は、記憶の柴田勝家と一致した


「じゃまをする」

「はい」


ただ

柴田勝家が目の前にいるからと言って気安く話しかける事はできない

計画通りに作戦を執行するのが得策

ボロを出して、失敗に繋がれば最悪だ


僕たちは全く言葉を交わすことなく歩き続ける

ある程度歩いたところで勝家が


「ここでございます」

扉が開かれる


僕は敷居を踏まない様に部屋に入る


「本日は時間を取っていただきかたじない。信勝」

「いえ、問題ありませぬ。我が義兄ですから遠慮なさる必要はございませぬ」

「そう言ってもらえるならよかった」

「はい...して、要件は?」

「今来た所だぞ?少しくらい雑談をしても良いのではないか?」

「そう...ですね」


僕たちは腹の探り合いをする

話の主導権を渡すわけにはいかない

少しでも作戦を成功に進めるために


「考えてみたのだが、あまり共通の話題とはないものだな」

「そうですね」

「そうだ。質問させてもらおう」


一泊間が空き。言葉を続ける


「信勝よ。貴様は尾張を統一した後どうしたい」

「どうとは?」

「まさか、尾張を統一したらそれで終わりという事はあるまいよ」

「そうですね...まず治安を良くします」

「ふむ」

「その後は、おいしい食べ物でも食べて暮らしたいですね」

「それだけか?」

「....そうですが」

「なるほど。貴様の考えは理解した」


一度考えるフリを入れ

言葉を発しようとすると

信勝が


「なぜそのような事を?」

「何軽い意思確認じゃよ」

「義兄はどうなされるおつもりで?」


一瞬驚く

がその後二ヤリと笑みを浮かべる


「後で教えてやろう」

「はぁ...」

「質問はそれだけか?2つ目の質問良いだろうか」

「ええ..」

「では、貴様は南蛮についてどう思う?」

「異国人で信用ならないですかね」

「なるほど」

「何を喋っているのかわかりませんし、髪の色が金などというふざけた奴もいます」

「重ねて質問だ。なぜ髪の色が問題になる?言葉が違う、それは興味深いとは思わんのか?」


「...それはうつけの義兄様だからではないですか?」

と皮肉めいて言い放ってきた


予想通りの反応すぎて笑えてきそうだ


「我は、知ってのとおり南蛮の文化に大変興味がある」

「存じています」

「うむ。南蛮は素晴らしい。見たことない武器や食べ物がたくさんある

貴様は知ってるか?この世界は丸いのだそうだ

地球は1周できるのだそうだ」

「そんな事ありえませぬ」


クスクスと笑い始める信勝とその家来


「信じろとは言わん。貴様たちはこの狭い地で退屈に過ごすがいい」

「「「.....」」」


笑っていた者たちは口を閉ざす

僕が少し怒気を露わにして言葉を出したからだろう

これで完全に会話の主導権を握った


「さきほどの質問だが、我は尾張を平定した後、日ノ本を狙う」

「なんと!武田信玄や今川義元を敵にまわすと言うのか!!」

「そうだ」

「そんなのバカげてる!できるわけがない!!」

「そんな事できるはずがない!」

「今信じる必要はない。直に結果を出し。望むなら貴様の前にまず今川の首を持ってきてやろう」

「....]


信勝は

いや..部屋中が静まり返った

これは、優吾の親友達もで優吾の出す空気に完全に飲まれていた


「では、そろそろ本題に入ろうか」

「....]


返事はないただのしかばね...いや、人形のようだ

だが、優吾は話を続ける


「ただ、すでに少し本題に触れてしまっているがな

単刀直入に言おう

貴様に尾張を任せたいと思っている」


作戦を知っている者以外の目が見開かれた

そしてやっと、信勝が口を開いた


「ど、どいうことです?」

「先ほども言ったように我は尾張にさほど興味は無い

ただの通過点にすぎん」

「日ノ本を統べると...?」

「いや、違う」

「?」

「我が狙うのは日ノ本はもとより南蛮や他の土地もだ」


目の前で口をパクパクする、信勝


「...そんな事できるわけないと思います」

「貴様にとやかく言われるいわれはない」

「....」


「これはわれの野望であって貴様にはさほど関係のない事だ」

「...そうだな」

「貴様に求めるのは尾張を統べる気があるのかという事だ」

「詳しく聞かせてもらおう...」

「よかろう。貴様はさきほど尾張を統べれば他には特に野望はないのだな?」

「ええ」


「ならば、我の条件を飲めばこの尾張をやろうという貴様に良き話だ」

「条件とは」

「条件は4つある」

「.....」

「1つ目は尾張の実権を渡したら、我に敵対しない事」

「続きを....」

「うむ。2つ目は正式に我の義弟となり建前上は我が尾張の覇者であり、貴様に尾張を託したという形にする事」

「それは!」

「何か問題があるのか?」

「....」

「尾張を実質総べている者としてその椅子に座りたいそれが、目的ではないのか?」


信勝は目を泳がせ

混乱しているようだ


「...条件の続きを」

「3つ目は我と貴様は対等の立場であること」

「対等とは?」

「これは貴様にも得になる話だ。正当な申し出であれば我に意見ができる

我も貴様に尾張の事について口を出してもいいという話だ」

「尾張の頭首は僕じゃ!!」

「違う。頭首は我だ。貴様は尾張を統べているだけだ」

「どういうことでしょう?」


「さきほども言っただろう。我が建前上は覇者だと

 ならば、尾張を発展させるのもわれの役目でもあるなに、悪い様にはせんし。必ず貴様に話を通す」


「なるほど。理解した」

「では最後の要求だ」

「....」


信勝は僕にも見えるくらい大きな生唾を飲んだ

何を言われるか、緊張しているのだろう

今までのは、信勝に損のない話

だが、


「4つ目は貴様の兵で優秀な者を貰いたい」

「それはダメだ!?」

「僕の身が危うくなるだろう!」



これは損しかない話だ

だが、これは僕たちにとって一番大事な事だ

絶対に説得する


「全員ではない。貴様の警護の者は残すし

我も足手まといはいらんし、足軽と数人の家臣だけだ」

「襲われた時はどうする」

「襲われるとは誰にだ?」

「今川とか....」

「今川が今貴様の城に攻めてきたとして、今の貴様の今の戦力で勝てるのか?」

「それは...」

「我の戦力でも今川を倒すのはまだ戦力が心もとない」

「でしょうな」

「だから、我はこれから美濃を攻める」

「何だって?」

「道三とは同盟を結んでいるが、あそこも一枚岩じゃない

だから、今すぐ兵がいる。美濃を手に入れれば貴様に増兵することめもできる」

「...」

「それにだ。今と何か状況が変わるのか?どうせ今武田や今川が攻めてきたら尾張は終わりだろ?」

「たしかに」

「武田は上杉と睨みあっているが

最近今川が動き出している。尾張が攻められるのも時間の問題だ」

「今川が動いているのか!!」

「そのとおりだ。だから、今すぐ戦力を増強する必要がある」

「わかった...兵を貸そう」


「という事は申し入れを受けるのだな?」

「待ってくれ。誰が欲しい?」

「そうだな。先ほども言ったように戦力にならん奴はいらんから...」


優吾は考えるフリを入れ


「柴田勝家とその兵ともう1部隊を望む」





真彩said


(っ!?)


とうとう言ってくれました!

優吾の一挙手一同に驚いていたが

頭の片隅で待ち望んでいた言葉を聞いた時、思わず目を見開いてしまった

そんな真彩に気づくはずもなく....いや、丹羽長秀の目と目が合った

そんな真彩をよそに目の前で話が続けられる


「待て!勝家は困る」

「理由を聞こう」


頑張って信長

いや、恐らく優吾先輩


「僕の家臣の中でも一番優秀な部下なのだぞ!?」

「だからこそだと言うのがわからんのか!」


怒気を込めて優吾先輩が言葉を発する

だが、ひるむと思われた信勝は


「一人くらい強者がいなければ僕だけじゃない!部下の命にも関わるだろう!」


なんと信勝は今までに見たことがない顔を見せ怒気で返した

ここで初めて信長の顔に驚きの表情が浮かんだ


「僕の部下...いや、家族を危険にさらすなら!尾張なんかいらない!」

「待て。このままだとどうせ今川に...」

「僕はその情報を信じ切ったわけではない!そんな不確定な情報で僕らの未来を揺るがすことは出来ない!

他の者なら出兵してもいいが、その者が望まないのなら、そちらに行かせはしない」


絶句する信長

え?これで終わりなんですか!?

え、ほんとに?

正直信勝を凄いと思ったが

でも、でもでもでも


「信勝様、今川が進行しているのは事実かもしれません」

「何?ほんとか?」

「はい、噂ですが。信憑性はあるかと」

「そうか...」


私は先輩達と一緒がいい

だから助け舟を出した

そのやり取りを見ていた信長は


「....信じて貰えたか?」

「信勝が言うならそうなのかもしれないな」

「正直だな。我は貴様の事を見直したぞ」

「え?」

「我は主に向かぬただの七光りと思って貴様を利用してやろうと思っていた」

「何?」

「救援を出せば対応はしたが、本気で助けるほどでもないと思っていた」

「なん..だと...」

「だが、評価は変わった。貴様は尾張の主にふさわしき才を確かに持っている」

「....」

「我に勝家を譲ってもらえないだろうか」

「!?」


信長が頭を下げた

字だけ見れば普通かもしれないが

これは異常なことだった

夏に雪が降ると言う方がまだ信じられる

それくらいのもだった


「我の条件を飲んでくれるのなら、本当の意味で義兄弟の盃を交わし

仲良くしたいと思った。貴様は確かに我が親族だ」


信長の言葉に信勝は

言葉を出せない


「貴様がピンチなら、全力で助ける

少なくとも貴様を信用している勝家は貴様の元に向かうだろう

我はそれを止めないと誓おう」


もう一度頭を下げる信長

途中「え?」と思う内容もあったが

形容範囲だ


「義兄、今の言葉まことですか?」

「ああ」

「わかりました。条件を飲み、尾張は任された」

「助かる」

「義兄のためじゃない。僕と僕の家来のためだと思ったからだ」

「わかってる」


こうして信勝と信長は和解し

私たちの尾張での戦いは終わった

私が手伝わなかったらどうなってかわからないが


(ありがとうございます。信長先輩♡)

 

















はい、一つの章と呼べる所までこれで大体終わりです

ここまで読んでくださった方ありがとうございました

次回からも読んでくださると嬉しいです

では

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