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戦国好き達は英雄の代行を任されました  作者: ユートピア
尾張平定編
11/39

私たちがそばにいる

「以上で作戦の内容の報告を終わる!何か意見や質問のあるものはいるか」


優吾は堂々とここまでの文を言いきった

自分ではここまで流れを褒めたい


昨日ならばこの人数の前で喋れなかっただろう

これも1日でだいぶ気持ちの整理がついた事と信長の記憶があるから冷静でいられるのだろう


だが、正直ここで質問が来たらどもる恐れがあるが

大丈夫なようだ。間を置いたが質問の気配はない


「では、それぞれの作業に取り掛かれ!解散」

「「「ハッ!」」」


僕の言葉を皮切りにそれぞれが準備にとりかかる


さて、僕のやるべき事をやらなければ


「そこの者、文の用意をせい!」

「ハッ」


名も知らない足軽に声をかける


1分足らずで足軽は戻ってくる


「どうぞ」

「うむ、下がってよいぞ」

「ハッ」


その言葉を最後皆のいた部屋は信長一人となった


さて、信長らしい手紙を書かなければならない

まだ、伝えるべき内容が決まっているだけで文が定まっていない


この手紙は作戦の成功を左右する大事な手紙だ

失敗するわけにはいかない

少々眠たいが寝られる気がしない


どうせ寝られないなら作戦の成功を1%でもあげる手紙を書きあげる

文才に自信がないこともあり今日はこの部屋に缶詰めになりそうだ


まぁ流石にずっとだと身体的にも精神的にも辛いので準備の視察という形で散歩に出かけようと考えたのを最後に優吾は集中し始めた




由紀said


「長秀殿、準備の段取りについて相談があるのですが」


めんどくさいと思いながら振り返ると

相手は


「はい。...何でしょう利家殿」


振り返ると太一だった

太一であったことに少し安堵を覚え間が空いてしまった

だが、周りには人がいる。気安い態度はとれない


「して、どのような相談でしょう」

「ああ、それなんだが。人のいない所で話したい」


何事だろう?太一の目が真剣だ

作戦は確かに大事だが、何かが違う。悲しそうとか辛そうというのが見て取れる

ただ事ではない。そんな気がする


「では、どこで話しましょうか」


太一の事だ場所の案は出てるのだろうという問いかけだった


「え...ああ、そうだね」


あれ?考えてなかった?


私や真彩や剛輝は思った事をとりあえず口にだし、他の人の意見を聞こうとするが


太一は優吾も同じであるが、ある程度頭で考えてから喋るタイプ

なのでこういうのは珍しい。まぁ当然うっかり考えてなかったと言うのはあるだろうが。


こういうタイプの人は真剣な話に時は考える時間があればあらゆる事を趣味レートする傾向がある


こういうタイプは演説などの成功率が高い。だが反面アドリブに弱いという欠点もあるのだが…だから、太一の話は相当な事なのかもしれない


「えっと、長秀殿部屋はどうかな?」


これもおかしいかもしれない


「えっと、男の人を私の部屋に入れるのはちょっと」


この時代の人なら抵抗がないかも知れないが

由紀は平成生まれである。恋人でもない異性を部屋に入れるのは抵抗がある


「言ってることはわかるが、僕の部屋には妻がいるし、そこが一番安全だと思う。妥協して貰えないだろうか」

「...わかったわ」


え?妻?と思い記憶を探ると納得がいく

だが、これにツッコむのはどう考えても今じゃないだろう


太一のこの切羽詰まった感じ、絶対別れてから今までに何かがあった

あらゆる事を考えてみる


だが思い当たらない


とりあえず聞いてみよう。考えるのはその後だ

2人は由紀の部屋に歩き出した


ピシャッ

戸が閉まる音がした


「で?何があったの」


当たりから人の気配はない。声量に気をつければ

普段通りで問題ないだろう


「とりあえず、聞く前に心の準備をしてほしい」

「え、ええ」


なんだろう。かなり不安になってきた


「たぶん、その様子じゃ気づいていないんだね。僕も優吾に事情を説明されるまで考えが至らなかった」


「何なのよ。早く言ってよ」

「今から話す。だけど心の準備はできたかい?今から話してこの記憶を認めると頭の中の奥にある記憶から嫌な記憶があふれてくる。気持ちをしっかりね?」


そこまで真剣な顔でこんな事を言われると、不安を通り越して恐怖を覚える

だけど、こんなに念押ししてくるのだ。

これはこれから私がみんなと生きていくために聞かなければいけないことだと思う


「...いいわ。話して」


そして、太一は今日の夜中優吾が部屋を尋ねてきたことから

信長の過去について由紀に思い出すきっかけを与えた


思い出した感想は

最悪だ


これ以上思い出したくないのに残酷で非常な過去の記憶が頭の名から本当にあふれてくる


「嫌..嫌嫌嫌」

「気をしっかりもって!」


太一が肩をゆすってくれる


「うっ」

激しい嘔吐艦がこみあげてきた

それに気づいて太一は


「気持ちはわかる!!だが吐いたらダメだ!!」


もう嫌、何でこんな事思い出さなくちゃいけないの...


「ネガティブになるな!優吾は...優吾はもっと辛かったんだぞ!」

「え?」


「優吾はさっきも言ったように夢でこの事を思い出したっていたよね」

「うん...」


「昨日僕の部屋を尋ねた優吾の顔は相当ひどかった」


なおも言葉を続ける


「うまく隠してるつもりみたいだったけど、目の下は泣いて腫れ上がってるし、顔色も最悪、唇は紫がかっていた」


由紀はゴクリと唾を飲み込む


「わかるかい?僕たちはごく一部の信長の記憶に居合わせただけで、ほとんどの記憶は信長の事後報告なんだよ」


そうか。優吾は私なんかよりずっと...


私は目に溜まった涙を拭い

喉の異物感をグっとこらえる


「由紀ちゃんその調子だ。僕たちが弱音を吐いたら優吾に顔向けできないよ。

今日の夜中の事がありながらも優吾は気丈にふるまいさっきの軍議を進めた

僕らは、今回は僕ら2人が優吾を支える側なんだから今回の記憶の件で絶対に励まされちゃいけない」


「...ええ、そうね。そのとりだわ」


優吾の記憶は正直今の由紀の記憶よりもグチャグチャだろう


信長の記憶は熾烈そのものだ

優吾の記憶の中では、由紀の記憶の上位互換なうえに優吾の場合信長の感情が上乗せされる


私だったら耐えられるだろうか...

自信がない


というか、どれほどの物か想像ができない。したくない。

だからこれぽっちの記憶で私が悲しんでちゃいけない



「うん大丈夫そうだね。今度会う時は今の顔じゃなく、朝優吾と顔合わせした時と同じ顔でね?」

「うん」


「優吾は今日たぶん寝れてない。

いや。たぶんじゃないか。これよりもひどい記憶を夢見てあんな顔になって

寝れるわけがない。僕だって寝てないし、今日寝れるかもわからない」


「ええ、そんな図太い神経が優吾にあれば、そんな状態にならないでしょうね」


「ああ、だから数日は僕と由紀で優吾を気遣おう。迷惑と思われるかもしれないけどそれくらいはされるべきだ」


「そうね。私が同じ立場だったら誰かにそばにいて欲しい」


「ところで、悲しむなと言ったのは僕だけどほんとに由紀ちゃんは大丈夫かい?」

「大丈夫..ではないけど」


弱弱しいながらも、言葉に重みを込めて


「優吾が。ううん、仲間が辛いなら助けるのは当たり前でしょ?へこたれてなんていられない」


由紀は自分が辛いながらも必死に笑顔を作りそう言い放った





太一said


太一と由紀はまもなくして自分の仕事に戻った


真彩を助けるためというのはもちろんだが、優吾が頑張っているのに僕らが仕事をしないわけにはいかない


(しかし、まぁ由紀ちゃんは凄いな)


あそこで由紀ちゃんが涙を止めたのは素直に褒める所だろう

それだけでも凄いのに


(あそこで、笑顔まで作るんだから感嘆だよ)


僕が由紀ちゃんの立場なら笑えただろうか

いや、無理だと思う


少なくとも僕は、優吾の前で笑えなかった

こんな表情ではいけないと思いながらも表情を変えられなかった

そんな容易く受け入れて笑顔を作り出せるレベルじゃない


優吾もそうだ

僕たちでもこんなレベルなのに、僕たち以上に苦しいはずなのに

今日は再開した時はねむたそう


意外のものを感じさせなかった

たぶん、よく観察してやっと見つけた変化だ

他の人は誰一人として気づいていないのではないだろうか


ほんと優吾と由紀は凄い驚かされてばかっかりだ

いつも僕の予想を超えてくるみんなと一緒にいるのは本当に楽しい。


そして僕はこれが壊れるのが今一番怖いと思える

だから、僕が全力でみんなを取り持つ架け橋となろう


みんなの事は僕が繋ぎ止めてみせる




優吾said


優吾は、外に出てきていた


剛輝と太一作業進行九合を聞くという目的兼気分転換の散歩のために

正直集中していても頭をよぎる嫌な事

徐々に慣れていくしかないのはわかっているが気になる


サークルメンバーと話したい

こういう時真彩や剛輝なんかと話すととても気が晴れるのだが


真彩ちゃん大丈夫かな

まってて。もうすぐ作戦を開始するから


来ていないなんて考えはあまりしていない

何故か確信できる


あえて理由を言うなら、サークルメンバーだからただそれだけだがそれだけで十分ば気がする


太一は昨日自分も辛かっただろうに、僕を励まし、謝りまでしてくれた

十分に気持ちは伝わった


太一が困っていたら必ず助ける

もちろん、他の皆も助ける


自分の事など後回しだ

そんな風に追いやっていたらそのうち頭から消えてるだろ


夜中と比べると太一が感じたように周りには何も以上なさそうな顔で作業中の場所にたどり着く


「バンッ」と火縄銃の音がした


(やってるな)


ニヤッと口元を釣り上げる

そして剛輝は山の中だろうから太一を探す


作戦の本部に行くとすぐに姿を捉えた

「利家」


こちらを振り向く太一


「...信長様このような所へよくおいでくださいました」

「ああ。頭をあげよ」


頭をあげた太一は


「信長様少し眠そうですが、お体の調子や精神的な問題はありませんか?」


太一め..危険な問いかけを

まぁ心配されても仕方ないかも知れないが

僕が太一なら絶対同じような事を言っただろう


「問題ない。少々眠気はあるがそれだけだ

「左様でございますか」


「で?作戦の準備は進んでおるか?」

「はい、滞りなく」


「うむ。では引き続き頼んだ」

「ハッ。一つ申し上げたい事が」


「何だ」

「ハッ。お部屋に戻られる前に長秀殿に一度会っていただきたい」

「...元より立ち寄るつもりであった」


話したのか太一...

さて、由紀は大丈夫なのか

そんで僕にどう接してくるか


「左様でございましたか」


無言で踵を返す僕

今度は由紀のいる中の作業場に向かった




「長秀」


作業場に付くとこちらもすぐに見つかった


「....信長様」

少し間はあったがそこまで大きな変化はないように見える


「...どうだ。作業の進行具合は?」

「おおむね満足できる仕上がりになっております」


「ほう。準備は終わったか」

「はい」


「では、もう作業は完了し後始末か?」

「はい」


「では、皆のものにご苦労であったと伝えてくれ」

「かしこまりました」


会話した感じも不自然な所は無いか

そっとしておこうという考えかな。それなら有難い。あまり思い出したくない


「あのーこの後時間ありますか」


そんなことは無かったか

気は進まないが、由紀が望むなら


「ああ」

「信長様にお話したいことがリます」

「そうか。では、後始末が終わったら朝軍議をひた部屋に来るといい」

「ハッ」


僕は元いた部屋へ戻りだした

背後からは由紀が後始末の支持をしている声が聞こえた


「ふー手紙はこれでいいかな」


会心の出来ではないだろうか

変な所は無いだろう

まぁ現代からしたら異常な内容だが


外を見ると夕暮れに染まっていた

由紀はまだ来ていない


あれから1時間くらいたっているだろうか

時計がないというのは不憫極まりない


(まぁ待つしかあるまい)


墨汁を片したりして時間を潰していると


「失礼します」


(きたか)


「入れ」


障子をあけて入ってくる由紀


「「....」」


無言の時が続く


「長秀」


口を開いたのは優吾だった


「えっと..言いたいことは何だ」

「周りには誰もいないわ」


「あ、そう」


「ええ。ここに来るのも人払いしたから気にする必要はないわ」

「わかった」


「「.....」」


また無言

少し待ってみると由紀が

トントンと自分の膝を叩いた


「?」

正直意味が分からない


「膝枕」

「え?」


「だから!膝枕してあげるって言ってんじゃない!」


え、言ってないじゃん!?

何でキレてんの


動揺する僕を納得させる答えが由紀から出される


「優吾寝てないんでしょ?凄いクマができてる。太一から事情は聞いてる、一人で夢を見るのが怖いんでしょ?」


「....」


なんとなく言ってることがわかってきた


「だからさ。私の膝貸してあげる。もし、眠って夢を見たとしても私がそばにいてあげる。だから、安心して眠って」


嬉しい。嬉しいのだが。


「いや..恥ずかしいんだけど//」

「な!?//せっかく私が・・・」


そう言うと僕の首を「ガシっと」掴み。無理やりに膝の上に載せた


「ぬわっ!?」

「いいからつべこべ言わず寝なさい!!明日の作戦に支障が出たらどうするの」


「明日は第1段階だから、僕は何も...」


「あーもう。うるさい早く寝ろ」


何も言い返せない

どう反論しても押し倒されそうだ


だが、このまま今夜も寝ないという選択肢はダメかもしれない


そうしてもいつかは寝なければならない

それに手紙に脳を使いすぎたせいか朝とは比べものにならないほど眠い


だが、今も寝るのは怖い

でも、もしかしたらそばに仲間がいてくれるなら...


意識が遠のいていく

一度気を抜いたらダメだ


意識が遠のく...怖い

そんな、事を思っていると


手が握られた

そして意識が落ちる前


「大丈夫。優吾は一人じゃない。私たちがそばにいるから」


その言葉を最後に優吾の意識は闇の中へと消えていった

はい、どうだったでしょう

キリのいいとこまでと思ったら5Kですねw

自分では気を付けているのですが和数を重ねてきたので自分でも気づかない矛盾とかあるかもしれないですがあれば言ってください

矛盾とかは、僕自身が嫌悪しているのでほんと気を付けているのですが

まぁなにわともわれ最後まで読んでいただきありがとうございました

やっと長い間謎のままだった作戦の内容が解禁されると思います

そんなたいしたものではないですが楽しみにしていただけると嬉しいです

では

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