act5やっぱりね
よくわからないことになってしまいました
「まぁ、入れよ」
「じゃあ、失礼します」
僕は神崎先生を、御影先生はさくらを抱えながら(なかば引きずっていたが)門をくぐった。
「お帰りなさいませ、若!!!」
……若?
そこには、今時、Vシネにも出てこないようなむさくるしい男たちが列を作り、声を張り上げていた。
「若!?」
その中にいた、一番偉そうな奴が俺やさくら、神崎先生を見つめ、驚いた。
「若!?こちらの方たちは…若のご友人でありますか!?」
…だんだん、軍隊のような、話しかたになってきたような…?
「ってか、その若ってやめないか!?俺もう若くないぞ!!」
御影先生が重い口を開いた。
「失礼しました、若!」
……だめじゃん。
そう言えば、さっきから後ろの方でヒソヒソと話し声が聞こえてくる。
「若が女をお持ち帰りされているぜ!?」
「やっぱあの人も看護師さんかな!?」
「うぉ〜っ!!白衣萌ぇ〜〜!!」
……そこかよ!?
「てめぇら!何話ししてんだ!?」
さっきの親分が出てきた。「すっすいません!!」
「てめぇら、そんなに俺に殴られたいのか!?」
…俺たちはそこから逃げるように立ち去った
「それにしても、御影先生の部屋、大きいですね〜」
「35畳だから、そんなデカくねぇよ」
……35畳!?
「この二人、起こした方が良いか?」
「ですね」
「おい、起きろ!!」
俺と御影先生は二人を起こした。
「…ここ…何処?」
「俺んち」
御影先生はあっさりと認めた。
「広くない?」
神崎先生は信じられない様な顔をした。
「神崎先生たち寝ちゃったんで一応、御影先生の家に連れてきました」
目が覚めた時、隣に座っていた佐野は御影に同意を求めるように話した。
「あぁ。お前ら酒弱いならあんなに飲むなよ」
さくらは嫌そうな顔を作り言った
「嫌なことがあったときは酒が進むんです」
「それにタダだし」
「神崎先生、それはタダっていうより奢りっていうんですよ」
さくらは面白そうに笑っている。
「副院長の話しのときに酒飲まないほうが変です」
そんな感じで私たちは、夜を過ごした。
朝。
小鳥の冴えずる音ともに、美しい朝日が4人の体を包みこんだ。
「…は?」
声がした方に振り返ってみると
「…神崎先生?」
「ここどこよ?」
佐野は寝癖だらけの頭で考え始めた。
「御影先生の家じゃないですか?」「…9時30分…遅刻にもほどがあるでしょ」