兄の帰国・・なぜ?社長の大事な話の内容とは?母との別れ涙の1話
そのあと時間がなかった為
わたしはすぐに合宿所に戻った。
合宿所前のポストに1通の手紙が入っていた
「お兄ちゃんからだ・・・・」
中を見てみるとバス券と手紙・・・・
読んでみると
「お母さんが倒れた、これはドッキリじゃない、本当の話だ。信じられないかもしれないが今すぐ
帰って来い。俺もあと1日で病院のあるところの近くに着くから、準備しろ」
お母さんが倒れたというのはうそ?
それともホント?
前に引っかかったドッキリでわたしは
少し信じられなかった。
だけどわたしは走って合宿所に向かった。
自分の部屋の大切なものだけをバックに入れて
すぐに合宿所を出ようとしたけど
出来なかった。
なぜかと言うと
社長からのメールが携帯に入っていたから
そのメールの内容は
「CDが完成した。今すぐ事務所でお披露目だ。」
せっかくの完成日で嬉しい気持ちもあるけど
事務所に言ってる間にお母さんが・・・お母さんが・・
「どうしよう・・・・」
海「どうした」
「海さん・・・・・」
海「事務所よりも母親を優先するのが当たり前だ。早く行け」
「早く行きたいのはわたしも思っています。だけどバスの時間がまだまだで」
海「仕方ない。車で行くぞ」
「え?」
海「ここでうずうずしてもしょうがない。」
「ありがとうございます!あと・・・しばらくは戻れないかもしれないです・・・」
海「分かってる、安心しろ、社長には伝えとく。」
「はい。」
そして3時間後
「海さんは戻ってください。帰りは一人で帰ります。」
海「そうか、じゃあな」
「はい。」
走って家まで行くと
「お母さん・・・・・」
お母さんは亡くなっていた。
「お兄ちゃんは?・・・ねえ、お父さん?」
父「瑠李のいるアメリカはすごい台風で、帰れないんだって」
「わたし・・芸能界やめてフランスで夢かなえたほうがお母さん一番喜ぶと思うの」
父「そうだな・・・」
「でも今辞めたらみんなに迷惑かかるの、どうしたらいいの?」
父「瑠李があと1週間で日本で芸能活動するそうだ、別に美亜もやりたいならいいんじゃ」
「それじゃだめなの、今決めて欲しい、1人になれるのは今だけだから」
父「だったらお母さんのためになることをしたほうがいいんじゃないか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
わたしは自分の部屋に入って鍵をかけて
考えた。
どっちがお母さんの為になるかを・・・
どっちを選んでも悲しむ人は沢山いるはず、
もしフランスに帰ったら
お母さんは喜ぶけど、事務所のみんなや
海さんたちに迷惑がかかってしまう。
芸能活動を選んだから
お兄ちゃんは悲しむと思う。
あれだけフランスに行く事を
怒りながらわたしに言ってたから
プルルルルルルル
電話が鳴って
「もしもし?」
海「今どこにいる」
「家ですけど・・・」
海「今、社長に大事な封筒をもらったんだ。中を見たんだけど」
海「CMのオファーが2つもきたらしいな。」
「2つも?本当ですか?・・・・・・でも」
海「?」
「わたしは今はCM撮影なんて出来ないんです。辞めたいぐらいです。」
海「今日はもういい。切るぞ」