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僕の兄弟は  作者: ノアズ
1/1

僕の兄貴と姉貴は一卵生の双子だ。

名前は兄貴が雨宮カイ。姉貴が雨宮リサ。(どちらもハーフ)

大きくて澄んだ眼。ちょうどいい高さの鼻。美しい輪郭。美しい金髪。(生まれつき)


いつも読書をしていて堅物キャラのような印象を持ち、自分以外の事なんて興味ない的なクールな性格ながらもみんなに好かれ、超モテている兄貴。バレンタインのチョコは学年の女子の5ぶんの4からもらっている。(成績優秀。)


そんな兄とは対照的に明るく、優しく、弾けるような笑顔を振りまき、スポーティーで元気な姉貴。年間に告白される回数は先輩後輩合わせて22人。(こちらも成績優秀)


僕とは大違いだった。


僕の名前は、雨宮権蔵あまみやごんぞう。あとで説明するけど、時代劇マニアの父親が、酒を片手に見ている一番好きならしい長谷川権蔵っていう人が出てるやつで、その権蔵って人から取ったらしい。ん?なになに?母親は反対しなかったのって?(聞いてない)

それが「日本らしい良い名前だわ~。」とか言って、認めてしまったのだ。マッタク、こまったもんだ。

僕は、細くて、死んだような目。鼻は低く、細すぎる輪郭。地味な黒髪。

骸骨がいこつ」というあだ名を持ち、毎年バレンタインチョコ0個の僕の成績は5のうちオール2。

それに、僕と兄貴たちとは父親が違う。


僕の父親は、だらしない大酒飲みの時代劇マニアのクソ親父。


兄貴たちの父親は、なんとあの世界的に有名なマサチューセッツ工科大学とハーバード大学を超優秀な成績で卒業したエリートなイケメン…。


で、そんなのんだくれの父親から生まれた僕は当たり前のように嫌われて、いじめにあっている。

(いじめっていうか…なんというか…そこまでひどくないけど)


そんなんだから、僕と兄貴達とは全く別の人から生まれた。と思われていて、そのことを言うと、みんな愕然がくぜんとする。

「カイ先輩とリサ先輩の弟なわけないじゃん。」

決まってそう言われたあと、男子には殴られ、女子には渾身のビンタをくらう。


----あ~あ。もう。僕は何も悪い事してないのに----

腫れた左頬をおさえながら半泣きでいつも思う。

「いつか、こんな生活から抜けられる日が来るのだろうか。」

答えは決まっている。ムリだ。

家出したって、すぐに帰ってしまうってことは分かっている。

何より度胸がないから、自殺とかとんでもない。

そう。僕が何をしたって無理なことは、分かりきっていることだ。

兄貴や姉貴のように、何をやってもうまくできる。万が一、失敗してもみんながフォローしてくれる。


そう。僕と兄貴達は大違いなのだ。

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