29 ファイナル・カウントダウン
小柳は帝都ホテルにチェックインしその日に死んだ。
検視に回されたが、なにか問題があったらしい。しばらく帰って来ないそうだ。
(まあヤク中だからな)
周辺の調査も入る恐れがあるので、百合と玲子に接触しないようにする。
しばらくは新百合ヶ丘のアパートから通う。
こっちのジャイロキャノピーもバイトを辞めたので処分済みだ。
おにぎり屋は田中に連絡し、小柳取締役の件でしばらく顔を出せないと言っておいた。
とにかくいつもの普通の生活をする。
町田の街中を歩いているとモニターで海外で爆破事故が発生したと報じていた。
まさかこれがアレのせいだとは、この時は微塵も思わなかった。
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王菱重工の会議室室で品質管理部長が東ノ精密の金本社長を吊し上げている。
不良品が発生したらしい。ロッドに関係無くランダムに壊れているらしい。
グリム・リーパーだ。とうとう効果が現れてきた。
これからますます増えるはずだ。
とりあえず旧部品に交換するように要請したが、東ノ精密に残っていた旧部品はすでに廃棄済みだそうだ。
品質管理部長は今すぐ旧プログラムに戻すように怒鳴っている。
小柳社長は会議が始まってから黙っているが、ハゲ頭に血管が浮いている。怒り心頭ってやつだ。
急プログラムにすぐに戻す約束をし金本は帰って行った。
旧プログラムに戻したくてもウチの河本達はもう居ない。さて、どうするのか楽しみだ。
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小柳取締役の遺体がやっと戻って来たので、葬儀に取り掛かる事が出来た。大急ぎで葬儀準備となった。
今日は葬儀当日だ。
娘の恵子が席を外しトイレに向かう。薬が切れたんだろう。
それを玲子が血走った目をして追いかけていく。
その後ろを百合が距離を置いて尾ける。
スッキリした顔で恵子が部屋に入って来た。
「恵子!」
後ろから呼ばれ振り向いた所を出刃庖丁で何度も刺される。
玲子だ。
すぐ後ろに居た百合と横の人影から見ていた俺は飛び出す。
「何をやっているんだ!やめろ!」
といいながら玲子・俺、百合3人が揉み合う。
周りからは俺と百合が玲子の凶行を止めているように見える事だろう。
俺は包丁の刃の上を持ち、小声で玲子に包丁を離すように言う。
玲子は俺の顔を見て柄の力を緩める。
その柄を抜き、見えないように百合に向けると素早く握り玲子の心臓を突く。
手を離し俺は玲子の手を包丁に握らせる。
百合がその手の上から握り。
悲鳴を上げる。
「いゃぁー!取り上げようとしただけなのに!」
周りからは取り上げようとして、揉み合い刺さった事故のように見えるだろう。
玲子は俺を見て「何で?」っと不思議な顔をしている。
百合が周りに聞こえないように、口を動かさないように喋る。
「私ね小柳のもう一人の女なの。あなたのせいで死んだ須山ツバキの姉なのよ。」
玲子は目を見開いた。
「でね、良太の妻なの。あなた本当におバカさんね」
「そう言う事だ玲子」
(入籍まだして無いけどな)
「あばばば・・ががっごっご」
何か言っているが血の泡を吐いているので聞き取れない。血走った目の玲子は自分の胸から刃物を抜き狂ったように周りに襲いかかった。
ヤク中だからかなかなかしぶとい。
ゾンビ映画のようだ。
小柳の妻の正美が刺される。
小柳社長は部屋から出ていった、逃げ足が速い。
玲子が周りの男達に取り押さえられた。
百合は冷たい目で見ている。
その目には涙が流れていた。
手を引き椅子に座らせた。
震える手をそのまま握り続けた。
周りの人達からは怖かったですからね。っといわれる。




