28 カンタレラ
百合の作戦が上手く行っているようだ。
小柳取締役の娘の恵子のふりをして玲子に電話をしているのは百合だ。
妹の椿が玲子に精神的に追いやられたように、玲子を追い込んでいる。
当てられる俺ばかなり辛いが、これも百合の復讐の為だ。
もぞもぞした違和感で起きると、玲子が俺の全身を撫でまわしている。
「これは私だけのモノ・・・」
「あの女殺す、殺す、殺す・・・」
百合が何を吹き込んでいるのかは知らないが、玲子はなかなか追い込まれているようでとても笑える。
小柳に売るタバコを結構取っておいたらしく、灰皿に吸った形跡がある。
目がイッている時がある。立派な中毒者だ。
玲子のマンションに俺の足跡を残さないようにしている。婚約指輪もキツくなってきたと言う事でサイズ直しで預かってる。
玲子を抱くと薬のせいもあり失神した。
玲子をベットに転がしシャワーを浴び、部屋を出て相模原の店に向かう。
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田中と美香が待っていた。俺を見ると頭を下げる。
「須藤さん私達入籍しました」
恥ずかしそうな二人を見るのは楽しい。
「本当にお似合いだと思います」
「須藤さんのおかげです」
「そういえば小柳取締役のお嬢さんと婚約したとか?」
「いえ、まだ正式にしていないですよ。と言うかこの前初めて会ったばかりですよ」
「そうなんですね。すぐ結婚するのかと思いましたよ」
「優良物件っぽいですからね」
「違うんですか?」
「さぁ?何とも言えないですね」
まぁこれで安心した。近い将来二人に店を譲ろうと思った。
広い店舗に引っ越し準備も進んでいる。
このまま任せても大丈夫そうだ。
打ち合わせが終わる頃携帯が鳴る。
「はい須藤です、・・・えっ!すぐ向かいます」
「何か緊急事態ですか?」
「小柳取締役がタイで襲撃を受けたらしいです」
「えっ!それは大事じゃないか!」
「では、ちょっと会社に顔を出すので失礼します」
「こっちは任せてください」
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本社応接室に入ると各役員と社長がいた。
「須藤君来たね」
「何があったのですか?怪我はどうなんでしょう?」
「どうやらタイ北地区で強盗にあったらしい。そこで撃たれたらしい」
「危険地帯に踏み込んだかもしれないですね」
(よし!予定通りだ。このまま逝ってくれればいいのだが・・・)
「治療途中に日本で治療すると言い張って帰国したらしい」
「それは大丈夫なんですか?」
「大丈夫な訳無い!」
社長秘書が部屋に駆け込んできた。
「小柳取締役が空港から帝都ホテルにチェックインしました!」
(百合に連絡をしておくか)
百合に小柳の件を連絡した。百合のマンションは小柳名義だったので、将来は相模原の俺の家に引っ越す事にしている。
相模原のアジトだが、その隣の昔買われてしまったウチの駐車場を買い戻した。
そこに家を建てた。
工場側は母屋は更地隣の工場と地下室は残した。Nボックスは売り払った。カブは残しておく。
AMGは相模原で車庫証明を取り持って来た。




