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10 ジゴロ

こじんまりした良い店だ。

中に入ると間違いない老舗洋食屋の香りがする。


「ここはね、スコッチエッグが美味しいのよ」

「へぇ、そうなんだ」

「あっ!ごめんヴィーガンだっけ?」

「大丈夫だよ。実は付き合いが苦手だから装っているだけ」

「えぇ!そうなんだ!」

「ナイショね」


「玲子さんは今日は?」

「うん、ちょっと買い物・・・」

「Aセカンド?」

「・・・うん、言わないでよ、いい歳して恥ずかしいから」

「言わないけど、別におかしくは無いんだけど?」

「何で?若い子を推してる30代なんておかしいでしょう?」

「うーん・・・若い子推してる30代の男なんて山ほどいると思うけど?」

「・・・よく考えたらそれもそうよね?」

「でしょ?気にしない気にしない!あっ言わないからオレのヴィーガンもナイショね!」


「なんか須藤くんって会社とは、ガラッと雰囲気もしゃべり方も違うのね?」

「そりゃね、それとリョウかリョータで呼んで!」

「それはちょっと恥ずかしいな歳上だし」

「歳は関係無いよ玲子さん美人でスタイル良いし」

「もう!からかわないでよ!」

「オレもレイコって呼ぶからさ」

「・・・じゃあリョータ」

「何、レイコ?」

「ふふっ・・・なんか恥ずかしいわね」


食事を終え玲子と靖国方面に歩き皇居を散歩する。

「リョータはどこに住んでるの?」

「新百合ヶ丘駅近くのアパート、レイコは?」

「淵野辺って所」

「横浜線の?町田から2駅ぐらいだよね?」

「そう!詳しいわね?」

「昔、近くに住んでたから、青学の方?公園の方?」

「青学よりかな」

(配線工事屋に化けて盗聴器を仕掛けたから場所も部屋も知っているけどな)


「へぇーレイコの部屋に行ってみたいな」

「・・・いいわよ、来る?」

「もちろん!」

レイコの腰を抱き寄せた。


◾️◾️◾️◾️


九段下から都営新宿線で新宿に出て小田急線で町田に行く。

横浜線に乗り換えた。

九段下から1時間20分ほどで淵野辺に行く。


淵野辺駅を出て右に歩いて行くとレイコマンションに着いた。

エントラントも広くセキュリティもしっかりしている。

「いいマンションだね」

「働いて独身を10年もやってるとお金も貯まるのよ」

(これは高いマンションだな、まぁ愛人の報酬だろうな)

エレベーターに乗り5階の501号室のレイコの部屋に向かった。


部屋に入るとAセカンドのアツシの推しグッズが所々に飾られている。

「もう、見ないでよ!恥ずかしいじゃない!」

「アツシ好き?」

「そうね」

「俺とどっちが好き?」

強引に抱き寄せキスをする。

「泊まって行く?」

「ああ」

「お正月とか用事無いの?」

「無い」

「レイコは?」

「・・・私も無いかな」

「じゃあ休みの間泊まる」

着替えとか持ってくる?

「ベッドで裸でいるからいらない」

「もう!裸族じゃ無いんだから馬鹿言ってないで」

顔を赤らめまんざらでも無さそうな玲子だった。



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