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第99話

 カムリィから想像を絶するレベルで高評価を貰っていた事を知ったコハクは、嬉しさのあまり顔を赤らめながら、へにゃっと顔の緩みを抑えきれずにいた。


「あ、ありがと。あなたにそんな風に思ってもらえたなんて光栄よ」


「まぁあれか。唯一と言っていい欠点は、友達が少ない所か」


 どうやらコハクの友達が少ない事実は普段から彼女の近くに居る人からすれば常識レベルの知識のようだ。


 気にしている所を突かれたコハクは少しムキになって反論する。


「う、うるさいわね。友達ならこの間新しくできたんだから!」


「ほお~、それは良かったなぁ」


「信じてないわね? だったら証拠を見せてあげるから。ええと……ほら、その時に作ったグループ窓よ」


 コハクは立ち止まってからノアを展開して司たちとのグループチャット窓をカムリィに証拠として見せた。


 普通であれば会長の立場であるコハクは、仕事で彼らとのグループ窓を作る機会も必要も無いので、必然的にプライベートな仲の五人グループ窓であると想像できる。


 その窓では軽い雑談から真剣な話まで既に色々とやり取りが行われている。当然中には司がエマと接触した時のメッセージもログとして残っていた。


「へぇ~。あの四人グループの輪に入れたのか」


 そう言ってカムリィは興味深そうに少しだけ屈んでコハクのノアを覗き込んだ。


「 (わ……顔が近い……! あと凄くいい匂いする……) 」


 コハクは必死にノアの方に顔と視線を向け、カムリィに顔の火照りを気付かれないように振舞った。


「良かったじゃねぇか。良い友達が新しくできてよ……ん? 界庭羅船? エマ? おい何だこれ。クオリネの件とは別だよな?」


「あ、それは……」


 カムリィは司とクオリネの一件を把握してはいるが、エマの件は把握していない。この事について知っているのはそのグループの五人だけだ。


 界庭羅船絡みの謎のやり取りが目に入ったカムリィは怪訝な表情になり、真面目な声でコハクに質問する。クオリネ以外の界庭羅船メンバーも司に接触した事実はカムリィを心配させるに十分な情報だった。


「歩きながら話しましょう」


 カムリィになら話しても良いかと思ったコハクは、そう言うと歩き始めた。カムリィはそんな彼女の横に付き、説明を待つ。


「実はね、エマと名乗る界庭羅船の一人が今日司に接触したの。まだ謎の多いモデルNをより知るべく、モデルNを参考に創っている人工異世界に目を付けたみたいね」


「なるほどな。クオリネ伝いで司の事を知って、人工異世界について聞こうとした訳か」


「でもね、異世界創生班じゃない司が渡せる情報なんて初歩的な事くらいでしょ? 向こうには当然情報なんて渡せなくて、最終的には逆ギレして帰っていったみたい。それと、他にもかなり興味深い情報をもらったわ」


「そいつぁ興味深いな。ぜひ聞かせてくれ」


 カムリィが乗って来た事を確認したコハクは、彼に伝える。エマが界庭羅船に強い恨みを抱いている事、そして彼女が復讐目的で界庭羅船に近付いている事を。


「……。エマの両親がねぇ……」


「もしかしたら自分のお父さんとお母さんに会えるかも知れないっていう、個人的な願望も協会で調査していた理由かも知れないわね。でもこの世界以外で亡くなっているし、転生登録も協会にしていない以上、その願いは叶わないわね」


「ああ。そうだな」


 カムリィの声にはどこか悲しみの感情が乗っていた。


 界庭羅船の一人とは言え幼い少女が歩むにはあまりにも悲惨な道であり、二人の間には重苦しい雰囲気が流れる。

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