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第98話

 周囲からは二人がどう見えているのだろうか。美男美女が仲良さそうに並んで歩いていては恋人同士だと勘違いする人も少なくないだろう。


 コハクはそんな事を考えながら心の中でニヤニヤしながら歩いていた。カムリィがコハクの歩く速度に合わせているおかげで、隣を見ればすぐカムリィの姿が視界に入る。


「にしてもコハク、こんな時間にどうしたんだ? 夜更かしは毒だぞ」


「まだ九時くらいでしょ? ふふ、私の事何歳だと思ってるのよ。私はまぁ、色々とやる事があって気付いたらこんな時間になっちゃったって感じかしら」


「昨日の話と関係ある事か?」


 カムリィの質問にコハクは一拍間を置き、首を縦に振った。


「ええ。そんなところよ。それで、あなたの方は? 進捗は順調かしら?」


「そりゃあもう。謎の内の一つはもう解明したしな」


「へぇ~。当ててあげましょうか? あなたが解明した謎って、あの二人がどうやって特別な來冥力を手にしたのか……これでしょ?」


 コハクは得意気な表情でカムリィの進捗状況を言い当てる。


 やはり出題者だけあって各問題の難易度と解きやすさは理解しているのだろう。


「あんたは何でもお見通しだな。さすが最年少で転生協会の会長になっただけはあるな」


「それは別に関係無いって。……ねぇカムリィ」


 ここでコハクは声色が若干変わった。少しだけ自信が無さそうな、不安が混じったような、そんな声だった。


「ん?」


「私が転生協会の会長なの……あなたは不満じゃない?」


「は? どうしたよ急に」


 コハクは普段こんなネガティブな事を絶対に言わない。話相手がカムリィだからか変に着飾る必要は無いと心を許しているが故の発言だった。


「だって私……まだ二十歳だし、女だし、頼りない奴って思ってる人、多いと思って……」


「俺らの世界に年齢も性別も関係無いだろ。実力至上主義の世界でトップになったんだぞ? もっと誇って良いと思うけどな」


 ここでカムリィは二つの意味で『俺らの世界』と口にした。一つは転生協会、そしてもう一つがリバーシだ。お互いに正体を明かしていない状況下であるにも拘らずお互いが把握し合っているような、不可思議な空気が流れている。


「それに個人の能力の話をするんなら、あんた以上に会長に相応しい奴は居ないだろ。タスク処理能力、頭の回転の速さ、計画性、視野の広さ、先見力、交渉力、立案能力、判断能力、優れた鑑識眼……あらゆる能力に長けてて、寧ろトップに立つべき人だ。不満どころか、あんたが会長で良かったと思ってるよ」


「……」


「どした? 褒め過ぎて逆に嘘っぽいか? でも俺の本心だ。変に不安に思わず、あんたは堂々としてれば良い。コハクの事を頼りないって思うような奴は、年齢や性別っていうフィルターを掛けないと人を評価できない……実態を見れない連中だ。そんな奴らの言動をいちいち気にする必要なんて無い」


 実際にカムリィは五大機関を除けば最も敵に回したくない人物はコハクだった。まさに鬼才と呼ぶに相応しく、個の能力で言えば各五大機関トップとも張り合える実力者だと評価している。


 確かに十代という若さで転生協会の会長に就いた時は不安に思う声も多かった。しかし彼女の実力は本物であり、時間が経つにつれて徐々に彼女を会長にした協会の判断は間違っていなかったのだと知る事になったのだ。そもそも実力勝負の世界で会長という座を勝ち取った時点で、その能力の高さは桁違いであるのだから。

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