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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある日カフェで推しに話しかけられた件

作者: 鯖の味噌煮




 「あのもしかして、Vtuberをやってるジェシカさんの公認切り抜き師の方ですか?」




 私はとある人気Vtuberの切り抜きを3年程やっている。現在も彼女の切り抜き動画を出す為に観葉植物や黒板なんかが置いてあるお洒落なカフェで作業をしている真っ最中だった。




 そんな中で私に声をかけてきたのは艶のある綺麗な黒髪をストレートロングにした日本人形のような美少女だった。彼女は私の後ろを通る際にパソコンの画面を見てその事に気が付いたのだろう。




 まさか、Vtuber本人ならともかく切り抜き師の私が声をかけられるなんてこれっぽっちも思って無かった。そんな彼女が私に返事をする前に見せてきたものは中々にインパクトがあるものだった。





 そう彼女が見せてきたスマートフォンの画面には、自身がとあるVtuberであることの証明が映されていた。




 もうお気づきの方もいるかもしれないが、何と彼女は私が長年切り抜き動画を上げているジェシカ本人だったのだ。

















「お邪魔しまーす」



 何だかんだとあり私は推しのVtuberが一人暮らしする部屋にお邪魔することになった。これは夢か何かなのだろうか?素直に嬉しすぎて喜びが爆発しそうだ。




 何でそのような事になったかと言えば、彼女が私と会話をしたいけどカフェでするにも誰かに話を聞かれて身バレしたら問題だから私の家に来ませんか?と言ってくれたからだ。




 しかも、何の因果か彼女の家は私と同じマンションで一つ上の階の住人さんだったらしい。さらに言えば私と同じで彼女は一人暮らしをしているらしく、しかも家から電車で15分程で行くことが出来る私と同じ女子大に通っているそうだ。



 

 さらに学年も同じで誕生日も1日違いだそうだ。色々なところで共通が多い。




 これらの話しはカフェから歩いている時に聞いたのだが、歩いていく方角が私の住んでるマンションと同じだった事に驚愕しながらも、本当に同じ場所に住んでいる事が判明した時には驚きで腰を抜かしそうだった。




 彼女も偶然ですねーとニコニコで笑顔で喜んでくれた。まさに天使。まさかジェシカの中の人がこんな美少女だったなんて。



 

 そんなこんなで彼女の家に来てしまったのだが、急な来客にも関わらず家は掃除が行き届いて綺麗だった。ついでに推しVtuberの配信ルームなんかも見てしまった。普段はこの場所でジェシカが配信してると思うと中々にオタク心に刺さるものがある。





 「では改めてまして、私はアリシア女子大に通っている鈴木姫花と申します。現在は大学2年生で、先ほど紹介した通りVtuberジェシカとして活動をしています」



「私も鈴木さんと同じ大学に通っている2年の橘灯です。一応ジェシカさんの公認切り抜き師をやらせて頂いてます」




 落ち着いたところで私達はお互いに自己紹介を始めた。




「じゃあ、挨拶も終わって同級生な事がこと分かったところでお互いにフランクに話し合いましょ!」



「そうですね」



「って言うか、私の公認切り抜き師の方がこんな可愛い女の子だったなんてビックリ!しかも同じ大学!」



「ですよね、私もビックリしました。あのジェシカさんが同じ大学に通っていて、なおかつ同じマンションに暮らしているご近所さんなんて。でも、同じ生活圏内で暮らしていたからこういう偶然の出会いが起こったんでしょうね」




 そう言えば鈴木さんは私に話したいことがあると言っていたが、まだ何のお話しか聞いてなかったな。公認切り抜き師を辞めて下さいとかだったらどうしよう。




「あのー、そう言えば私に話したいことがあるとおっしゃっていませんでしたか?」

 


「そうそう!ありがとうって灯ちゃんに伝えたかったの!!」



ありがとう?何の話だろう?

 

 どちらかと言えば、切り抜きをさせて貰っている私の言葉では?というか、推しにいきなり名前呼びされてる。




「あ!不思議そうな顔してるね!」



「正直に言うとそうですね」




 私の方が切り抜きだけじゃなくて、Vtuberジェシカという存在には癒しや活力を貰っているので感謝したいぐらいだ。



 辛い大学受験に対する勉強のお供になった。まさか志望校に推しが居るとは思わなかったけど。




「私は今こうやって色々な人に配信を見てもらえるようになったのは灯ちゃんのおかげだと思ってるんだ」



「そんなことないよ。鈴木さんが頑張った成果だよ」




「うんうん、灯ちゃんは私のチャンネル登録者が500人ぐらいの時から応援してくれた。それこそ最初の頃のなんてお金にもならないだろうに面白い切り抜き動画で私のサポートもしてくれた」



「だから私は灯ちゃんには凄い感謝してるし、ありがとうって伝えたかったんだ!」



「……」 




 どうしよう、凄い嬉しいけど恥ずかしい!!何これ!推しに感謝されてるし、そんなに前から私の存在を認知してくれてたなんて!でも少しでも推しの力になれてたのなら嬉しい!




「あー!凄い顔が真っ赤になってる!うー、照れてる灯ちゃん可愛い!」



「え?ウワッ!」



 急に推しに抱きつかれた!何か良い匂いするし柔らかくて暖かい!何とか今までクールな感じでやってたけど、嬉しすぎて頭がクラクラする





 そうやって初対面だけど初対面ではない私達のイチャイチャ?なご近所付き合いが始まったのだ。それにしても、私の推しはスキンシップが激しすぎる。



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