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素晴らしいこの世界の片隅で。

猫先輩

作者: ニチニチ

目的地周辺です。

音声案内を終了します。

 

 

 


 

昔よりはかなり減ったけど。

出張がボチボチある。

 


若い頃は担当エリアが僻地だったから、営業車で転々と回った。

今は、都市部が多いから電車移動。

 

 

たまに、初めて行く会社の最寄り駅が知らない駅だったりする。

そんなとき、何だかソワソワしてしまう。

 


今はスマートフォンで目的地が簡単に調べられるけど。

正規ルートを通っていけば、時間も正確だけど。

 



僕は、大体の場所を歩きながらアナログに探す。

 

 


知らない土地をひとりで歩いていると。

その土地の雰囲気や、生活感が感じられる。

そして、その空気感は、少しの懐かしさと寂しさを運んでくる。

 

 

 


僕が子供だった頃。

知らない土地の路地裏で迷子になったとき。

お地蔵様のとなりに、首輪をつけた猫がポツンといた。


知らない土地のその先輩は、ゆっくりと歩き始める。

僕は、何となくついていく。

色々寄り道をしたけど、最後には何となく目的地周辺に導いてくれた。 

 

 


暑い日。

寒い日。

雨の日。

雪の日。

晴れの日。

 


嫌なことがあった日。

落ち込んでいる日。

緊張している日。

少しいいことがあった日。

 

 


 

昔のように、携帯電話も時計も持たずに。

自分の知らない土地で、たまには正規ルートから外れて。

 

 

 


久しぶりに、猫先輩のあとをついていってみようと思う。

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