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日本学術会議の選考基準

作者: ぽごちん

 昔、

生理学の講師の研究室ヘ、レポートを提出しに行った。

理系留年者なら、良く知っていると思うけど、

大学をサボると、

実験系の英文を和訳させられる。

私が差し出したレポートを一目見て、

その講師は、

こう言った。


 「目は良いんだからさ! こんな大きな文字で、

しかも、

一行置きに書いてくれなくても、読めるんだよ!」


 私は、

その生理学の講義には、一度も出席した事が無く、

その講師とは初対面だったのだけれど、

留年歴が長く、大学の先生と雑談する機会が多かったので、

その嫌味が理解出来た。


 大学では、

学生が書いたテストの答案やレポートの評価は、

見た目だけで行なわれる。


 (どれだけギッシリと、詰め込んで書かれているのか?)


 ただ、それだけさ。


 中身は、

精読されない。

暇人とか、下請けの下っ端とか、

例外は有るけどね。


 私が驚いた顔をすると、

その講師も、状況に気付いた様で。


 大学では、

【レポート用紙で何枚】という【量を指定】した条件で、課題が出される。

でも、この場合、

基の英文自体で【量が指定】されているから、

提出物の【量は指定】されなかった。

字を大きくしたり、一行置きに書いて枚数を稼いでも、

無意味なのだ。


 その講師は、

何時もの癖で、中身を読もうとは、せず、

見た目だけで判断しようとしたのだが。


 私が全てを理解しているのが伝わったらしく、

その講師は、

言い訳を始めた。


 「学生の内から、論文を書いておいたほうが、良いよ」


 勉強しないで遊び回っている私に、

的外れな事を言った。


 「学者は、

【論文の数】だけで評価されるから、

若い内から、【数を貯める】必要が有るんだよ」


 「中身は関係無いんですか?」


 私が尋ねると、


 「論文の内容の価値は、全く同じ研究をしている人にしか、

解らないんだよ。

つまり、

その論文の真の価値を理解出来るのは、

その論文を書いた人だけ」


 「だから、

研究者を客観的に評価する方法は、

【論文の数】しか無いんだよ」


 「それが最も公平だろ?」


 そこへ、

一人の爺さんが入って来た。

その講師の親分の名誉教授だ。


 「君達!

ちょうど良い所に居た!

ちょっと、手伝ってくれ!」


 私が講師を見ると、

「手伝ってくれたら、生理学の単位をあげますよ」

昔から、日本は【不正と忖度の国】だった。


 その場には、学生が四人いた。

その名誉教授の説明は、

「400キロのレールを、四人で動かせ!」

という無茶苦茶なものだった。

理解不能だ。


 レール?


 そこで、

隣の名誉教授の部屋ヘ行ってみると、

2メートルくらいの高さの棚の上に、

鉄道用の鉄のレールが鎮座していた。

(何故? こんな物が、生理学の研究室に?)

その頃は、

鉄道オタクという言葉は無かったのだけれども、

今、考えると、

この名誉教授は、そういう類いの人なんでしょうね?


 その名誉教授は、

背伸びして、高さ2メートルの棚の上に手を伸ばし、

400キロの鉄のレールを、一人で引き摺り降ろそうとしている。

そして、こう言った。


 「う〜ん。ビクともしない」


 (当たり前だろ!)


 高さ2メートルの棚の上に置かれていたら、

たとえ10キロでも、動かすのは無理だ。

それが400キロも有ったら、平地でも。


 (そう言えば、この爺さん。

「一人じゃ無理だったので、応援を呼びに来た」って、言ってたな!)


 高さ2メートルの棚の上に手を伸ばし、

必死に降ろそうとし続けるキチ○イを目の前にして、

(このキ○ガイを説得する方法は無いものか?)

と考えた。


 その棚の下を見ると、

コンビニのコピー機みたいな物が設置されていた。


 「この機械は何ですか?」

私が尋ねると、

名誉教授は、

「日本で一台しか無く、買えば、一千万円以上する」

と自慢して来た。


 話はズレるが、

T大には、

『日本で一つしか無い物』が、ゴロゴロしている。

T大の図書館から、本を持ち出して、古本屋ヘ持って行くのが、

流行った事が有るのだそうだ。

『赤毛○アン』の初版本とか、

百万円以上で引き取って貰えるらしい。

何故? そんな貴重な物がT大に有るのか?

と言うと、

「コレクターが、

お亡くなりになる際に、遺贈先として、T大を選んで下さる」

のだそうだ。


 話を戻すと。


 「このレールを無理矢理降ろそうとすると、

この貴重な装置を破壊してしまう可能性が有りますよ」

私が言うと、

その名誉教授は、

考え込んでしまった。


 私達は、

さも当然の様に、その場を出て行った。

さすがのキチ○イも、何も言え無い。

やっぱ、

こんなキ○ガイを客観的かつ公平に評価する方法なんて、

【論文の数】しか無いわな!


 ○総理も、

「日本学術会議の任命を拒否された学者は、

同じ分野の他の研究者と比べて、【論文の数】が少なかったから」

と、

答弁すれば良かったのに。


 【事実だったら】だけど。


 さて、

今回の日本学術会議騒動だけれども、

その目的は、

学者を【冷遇】する姿勢を見せる事に依って、


1 日本の技術を、海外ヘ流出し易くする。


 中国、韓国、台湾、

これら日本の近隣諸国が発展したわけだが、

これらの国がラッキーだったのは、

日本が技術者を【冷遇】してくれたから。


2 日本の優秀な若者に、学者を目指さなくさせる。


 日本の大学院進学率は、

21世紀になっても、伸びていない。

日本の大学院生は、

『授業料を払う奴隷』と呼ばれている。

日本の大学院は、

完全な徒弟制度なんだけど、

職人さんとか、昔の徒弟制度では、

生活の面倒くらいは、看て貰えた。

でも、

日本の大学院生は、

生活費を自分で用意し、

なお且つ、授業料まで支払わなければならない。


 この条件で大学院に進学したら、【ただの馬鹿】だよな?


 T大医学部名誉教授が、

あんな感じなのも、理解出来るだろ?


 理系留年者からすると、

勉強しない言い訳に使えて、良いけど。


 日本人の敵達は、

○総理に同調して、

学者を【冷遇】する姿勢を見せ続けている。


 日本を【衰退国】にするために。




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