表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

Review.11:解明。


「ついたよ」


玖刻日報本社ビルの地下駐車場にセダンを停め、オレらは中に入る。

白を基調にした、シンプルかつ精練とした内装だ。

若森先生が、受付の令嬢といくらか言葉を交わした後、エントランスから更に奥に入る。

エレベータに乗り、三階へ。

そこの、会議室らしき場所で待たされる。

「その方も、高天原の生徒だったんですよね?」

綾瀬が、会議室に漂う静寂を破るように言った。

「まぁそうなるね」

先生がそう言った直後、

「お待たせいたしました」

一人の妙齢の女性が、会議室に入ってきた。

グレーのスーツをビシリと着こなし、いかにもキャリアウーマンといった風情だ。

どうにも記者には見えない。

「初めまして。玖日広報部の扇夕(おうぎばた)です。よろしくね」

にこやかな笑顔。

――うん、職上柄だな。

オレらもそれぞれ自己紹介する。

「藍造時君からもちろん話は聞いているわ、〈現象研究会〉の皆さん。私に出来ることなら何でもするわ。遠慮なく言ってね」

「だそうだ」

扇夕さんの台詞に、和歌森先生が絡んでくる。

「この人は、編集・情報収集のプロだ。過去の記事の検索なんかもちょちょいのちょいだよ」

先生の説明に苦笑いしながらも、扇夕さんは否定しない。

自信もあるようだ。

――ならば、頼んでみるか。

「すみません。じゃあ頼み事、良いすか?」

オレは、手を上げる。

「もちろん。何でも言ってちょうだい」

どんと胸を叩く扇夕さん。

ユーモアあり。結構気さくな人みたいだ。

「過去の記事の中で戦争に関わるものを、洗い出してくれませんか?」

「……分かったわ。やれるだけやってみる。一日の猶予をちょうだい。あ、アドレスも交換しておきましょう」

無理難題に不平も言わず、怪しまず、扇夕さんは頷いてくれる。

ありがたい。

「じゃあ、帰るか」

正味四十分ほどの対談。

実に実りあるものとなった。


これで、上手くいけば、解決の日はそう遠くは無い。



――深夜。

オレはみんなに秘密で、常平学園を訪れていた。

保健室へ向かう。

ノック。

すぐ扉は開く。

「来るんじゃないかとは思ってたんだよ」

藍造時先生は、いつもの白衣姿でニンマリとした。

薄暗がりの中で、紅茶を手にオレは先生と向かい合う。

「先生、まだ色々と知ってることありますよね?」

オレの刀をじろじろと眺め回す先生に問う。

「ん……そりゃあ、な」

曖昧な答えだな。

ま、それならそれで良い。


「野獣は、元は誰かの〈犬〉でしょう?」


先生の動きがぴたりと止まる。


「そして、奴が探しているのは、今は亡き飼い主だ。――違いますか?」


先生は、刀をオレに返しながら溜息をついた。

「大西を上回る発想力だな間」

その目は、嬉しそうに輝いている。

「その通りだよ。正解だ」

降参とでも言うように両手を挙げる。

「扇夕先輩に調査を依頼したんだろう?詳しくは明日にでも分かるさ。それより、その発想は何処から来た?」

「突飛な発想なんかじゃないですよ。仲ジィが色々と調べてくれたおかげでね、ばら撒かれていた符号が繋がったんです」

へぇ、と先生は素直に感心する。

「お前、町の裏の有力者とつながりがあったのか」

くつくつと笑い、先生は紅茶を傾ける。

「ま、解決は近いな。気をつけて帰れよ?――奴、今夜は、出るぜ」

藍造時先生の注意に覚悟を決めながら、オレは刀を握り締め、席を立った――


学園モノとか言っているクセして、その要素がまるで無いのではないかと危惧してます(笑)

大人の比率が高いような気も(^_^;)

…………ま、いいや(いいのか)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ