Q5 山越えルートと平原遠回りルート、どちらが何日早く到着出来るかを求めよ。
結局のところ、モチベーションの問題なのだろうな…と言う訳で更新です。
「…そういう訳で、俺は此処を通り掛かったらあそこに出くわしたんだ」「そういう事か…あの御仁には陛下も手を焼いていてな…よく『何を考えているかはわかるのに、やらかす事の意味が分からん』とボヤいていた」
お互い苦労してんな、というやり取りのあと、俺達は自分たちの仕出かした暴挙の後始末を始める事にした。つまり…
「報酬確認タイムだ」「なにを一人で呟いてるんだ?」
まあいいじゃないのよ。さて、あんだけ無茶したんだからなんか出て欲しいものだけども…
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脂がのった骨付き肉×18 レア度:アンコモン
とても脂がのった肋骨付近の肉。このままじっくり焼きたいところである。
旨そうな赤身肉×10 レア度:レア
見るからに脂控えめな赤身肉。通はワイルドに生で食べるらしい。
脂がのった肉×15 レア度:アンコモン
とても脂がのった肉。肉はすぐ食べるより少し待って熟成した方が旨いのはどこも同じのようだ。
獣の骨(大)×81 レア度:コモン
獣型モンスターの骨。見た目の割に密度が高く、重い。
獣の頭骨×9 レア度:コモン
大型の獣型モンスターの頭蓋骨。何とも言えない威圧感を放っている。
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ヨシヨシ、目当ての肉は大量に手に入ったな…それに骨か。今の所擦り潰して畑に撒く位しか使い道が思い付かないが…ま、何かに使えるかも知れないしとっておこう。
「旦那~…!」
ん…?お、この声は。さっき置いてきた御者がこっちまで来たのか。にしても何で馬車を押してるんだろ。置いてくればいいのに。
「ハァ、ヒィ、全く、何でこの人はウチの商売道具を野盗がいるかもしれない場所に置いていくなんて発想ができるんですかね…」「あ~…済まねぇ。そこまで考えてなかった。一応簡単に直せる壊し方をしたつもりだから、いまから直すよ。あと、乗ってみて分かったんだが、あの馬はいい馬だな」「でしょう。だいぶ爺さんですが、前の戦争で最前線にいた武官の馬だったらしいですからね。この程度戦場に比べればそよ風みたいな物だったでしょうよ」
そんなもんか…当然のように荷台を押していたことには突っ込まないでおこう。スキル使えば似たような事出来るだろうし…
「んで?王様の側仕えの騎士サマが何だってこんな場所に?少なくとも、何かあった時の為に主の側に張り付いてなきゃあいかんだろうに」「む?う、うむ…」
…なぜそこで口籠る。…まさか。
「…クーデ「馬鹿な事を言うな!偉大なる我らが王に叛逆するなど、有り得はしない!」…左様で」
なるほど、それなら何の理由でここに居るんだって話だがな。
「…ハァ……他言無用だぞ」「流石。そろそろ腕ずくで聞き出そうと思ってた所だ」「…いっそ清々しい程に勝手な男だ。どこぞのグランドマスターと変わらんでは無いか…」
ブツブツ愚痴っているが、俺はこういう男だ。諦めてくれ。
「全く…我々は王都に向けて、『ある物』を輸送する為に王命を受けたのだ。…中身については言えんぞ。何しろ機密なのでな…ともあれ、それを受け取り、王都へ帰還する途中であのモンスターの群れに出くわした訳だ」「ふうん…なるほどねェ。で?その『ある物』って?」「それは…」
…なんだよぅ、気になるじゃねえか。それに、もしかしたらそいつがあの牛共を誘き寄せる原因だったかもしれんし。
そんな事を考え出した矢先だった。
「お待ちください!まだ外に出ては…」「黙れ!この期に及んでコソコソ引き籠るなどっ!」
ドゴォ…ン!
「ぬわぁ危ねぇっ⁈」
なんだぁ⁈馬車のドアが飛んできた…って、オイオイ、酷くひしゃげてる上に蹴り跡ついてんぞ…蹴り飛ばしたってのかよ。なんちゅう野郎だ。馬車まで15mはあったってのに…咄嗟に避けなきゃ直撃コースだったぞ。誰だこんな無茶苦茶かつ傍若無人な行動取るヤツは。
と、思っていたら。
「フウゥゥ…で?貴様が異常発生したモンスターを討ち平らげたという冒険者か?私は…そうだな、ちょっと、そう、ちょっとありふれた貴族の家の娘だ。兎にも角にも礼を言わせろ。そしてウチの食客になるのだ」
「…雌獅子?」
猫耳(?)を頭に生やした長身の美女が現れたのである。…騎士サマが頭抱えてるあたり、確実にロクな事にならんだろうなぁ…