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Q6 元傭兵がVRMMOをプレイしたらどうなるか述べよ

大変申し訳ございません…病気やらfgoやらスランプやらなんやらで投稿が止まってしまいました…この通り生きてはいるので、又投稿ペースを上げられたらいいなぁ、と思いながら執筆させていただきます…

 「さて、と…」


 これからどうしたものか。とりあえず当座の危機は去ったものの、いずれシエルとノエルにちょっかいかけようとする阿呆共がまた出かねない。となると…





 翌朝、冒険者ギルドにて


 「この依頼、まだ参加できるか?」「少々お待ち下さい…王都までの商隊(キャラバン)の護衛依頼ですね。募集期限が今日までですが、まだ参加者募集中ですので参加可能ですよ。受注します?」


 そりゃ受注しますとも。なにせさっさとここを離れたいもので。


 「分かりました。直ぐに手続きをさせて頂きます…それから、貴方を名指しでギルドマスターがお呼びです」「…聞かなかったことには…ならんか、やっぱり」


 バックレたら駄目か?やったら全ギルド支部で指名手配する?ハイハイ…そんじゃ、双子が起きて部屋で騒ぐ前にさっさと済ますか。








 「複数の証言が挙がってるよ…全く、君は何者だい?子供とはいえ、ドラゴンをテイムして来たと思ったらその後直ぐに大乱闘…しかも、1対40で相手を殲滅して再起不能多数とは…いやはや、無茶苦茶だ。マトモな人の所業とは思えない」「それ褒めてます?それとも貶してます?」「どっちもだよ…」


 この町のギルドマスターは意外にも若々しい男だった。今はその顔をしかめているが、普段はその端正な顔立ちで何人もの女を泣かせているのだろう。


 「聞いてるのかい?今、君の話をしているんだけれど」「へーい」


 やれやれ…といった様子で彼は続ける。


  「まぁ…君の理屈は分かるよ。あそこで()()して置かねば付け上がる者も出ただろうからね…ただ、そのあとはやり過ぎだったかな」「…そうか?」「そうとも。あの動画のおかげで我々も動かざるを得なくなった」


 そこまで話してから、大きな大きな溜息をひとつ。


 「結論から言って…騒ぎを煽った彼はランクを凍結…と言っても追放よりかはマシだろうけどね。凍結期間はこれから協議するけど、大体こっちの時間で3ヶ月は社会奉仕活動かな〜」「さいですか…」


 ま、これで奴さんも懲りただろう。もう二度と、俺たちに関わるようなことはしない筈だ。


 「それから、君の処遇についてだけど…」「…罰を受けろというのなら、甘んじて受けるが…」「いやいや、それはないよ。君のやった事は少々行き過ぎていたとはいえ、正当防衛という事で話がついた。本題はそっちじゃなくて…」


 そこまで言って言葉を切ると、彼は机の引き出しから封蝋付きの書簡を取り出した。


 「我らが王国の首都にある冒険者ギルド総本部…その長である総長(グランドマスター)より、書簡が届いた。勿論、君宛だ。見ての通り中身はまだ見ていない」「…検めても?」「当然」


 パキリ、と封蝋が割れる。俺は書簡に巻かれていた紐をクルクルと解き、書類の内容を確認した。…が。


 「…何も書かれてないぞ?」「…!ちょっと、見せてくれるかい?」


 否も応もない。俺は求められるままに書簡をギルドマスターに手渡した。ギルドマスターは書簡を食い入るように読み込んでいたが、その顔は徐々に険しくなっていった。


 「ムムム…これは…いやしかし…フーム…」「…何か書いてあるんだな」


 一見何も書いてないように見えるだけで、彼には見える文字がそういう類の顔料で書かれているのだろう。暗号を書く際に使われる、手垢の付いた手法だ。ブラックライト使ったりとかな…


 「…首都にある冒険者ギルド総本部…その長たる総長(グランドマスター)より出頭要請だ。内容は現地で話すと」「断る」


 なんだその依頼は。フツー依頼内容と事情くらいはどこも事前に知らせてくるぞ。一部の極秘任務は除くが。


 「いやいやいや、頼むよ。君知らないだろうけどこの特殊インクで書かれてるってことは結構な重要書類なんだって。それを無視したらこっちにどんなとばっちりがあるやら…」「知るか。お宅の大元締めだろうが詳細も明かさずに自分の都合を押し付けようとする連中は信用できん。大抵そういう時はロクな目に遭わん」


 フタを開けたら待ち伏せ特盛とかな…同業者連中(ぎょうかい)じゃよく聞く話だ。


 「フム…なら詳しく説明してあげよう」「⁈‼‼」


 唐突に掛けられる女の声。背後から伸ばされた白い手が俺の顎をくすぐる様に撫で上げるのとほぼ同時に反射的に振り返る。


 「おや…なかなかイキのいい奴じゃあないか。筋も良い…アンタ、なかなかの手練だねェ」「…ッ!(コイツ…強い!今までのザコ(プレイヤー)とは明らかに次元(レベル)が違い過ぎる…ッ!)」


 ソイツは俺が咄嗟に抜き放ったダガーの刃を、驚くべきことに持っていたであろう煙管で受け止めていた。しかも、刃を受け止めたのではない。(きっさき)での全力の突きを、細い柄で受け止めているのである。オマケにさっきから力を入れているというのに、ダガーはピクリとも動かない。凄まじい技術が無ければ到底こんな真似が出来ない事は素人でも分かる筈だ。


 「あ、ああ…ジャクリン東部方面統括局長どn「あ゛ぁ?」…『様』。…いつおいでに」「フン。ついさっきさね、アルスター。たまたま小耳に挟んだ『樹海の狂竜』の顔を拝みたくなってねェ。ちょちょっと抜け出して、遊びにきたのさ♫」(ヒトに勝手なあだ名をつけるんじゃねぇよ…ギルマスが慄いてるとこ見るに、結構なお偉方なんだろうな)


 優雅にギルマスの机に腰を下ろし可笑しそうに微笑む、ジャクリンと言われた茶髪のツインテールの女。身長は大体160㎝後半くらいで、大胆に深い谷間を惜しげもなく晒した赤いイブニングドレスを身に纏い、足を組んで煽情的な目線を向ける彼女は、しかしてやや切れ長で吊り上がった目で…猛禽類の如き金色の瞳で俺を真っ直ぐ見据えていた。


 「改めて、自己紹介と行こうじゃないか。アタシはジャクリン。東部方面の冒険者ギルドを取り纏めてるモンだ。んで、コイツはかつてアタシの子飼いの諜報部隊から唯一脱走に成功した奴」「アハハ…どうも」「…レックス。見ての通り異邦人(ストレンジャー)だ」


 聞けば、ギルドの中でも上から三番目に偉い連中なんだそうな。そりゃギルマスも驚くわ。それとは別の理由で小さくなってるみたいだけども。


 「それで?何でアンタみたいなギルドの重鎮がここに居るんだ。本当に物見遊山に来たと言う訳でも無いだろ」「ふむ、実力は申し分無し、頭も悪くは無い様だねェ…コイツなら…」


 …


 「…何をやらせる気だ」「なに…ちょいと野暮用が、ね…ああ、そんなに殺気を飛ばすんじゃないよ。ちゃあんと一から説明してあげるからねェ…」


 






 ...1st phase all completed.


To be continued to 2nd phase...


See you soon...








.


..


...


  ~ドラント 冒険者ギルド ギルドマスターの執務室~


 …バタン。


 「…フゥ~~…」「き、緊張した…前から思ってたけど何なんだ彼は…死ぬかと思った」


 レックスが退室した後の執務室。


 みっちりと部屋を覆い尽くしたレックスの殺気が消えていくと同時に、二人はドッと滝のような汗をかいた。


 「やれやれ…鬼が出るか蛇が出るか、まさかどっちもハズレとはねェ…」「ええ。報告を受けた時には担当者の妄想かと思いましたが…」


 鬼?蛇?とんでもない。蓋を開けてみればそんなものがかわいく感じるレベルの代物が出てくるとは、海千山千の彼女をもってしても読み切れなかった。


 「まぁ…あの程度涼しい顔してこなせない様ではあの古狸の目には止まらないだろうからねェ。流石に『()()が託しただけあるか…」「ですね…この事は陛下には?」「伝えてないとでも?この程度の事にも思い至らないとは、さてはアルスター…アンタ鈍ったね?」


 目に見えてギルドマスターの表情が凍り付く。それを見たジャクリンはその美貌に嗜虐的な微笑みを浮かべた。


 「フフフ…安心しなアルスター。大方その椅子の座り心地が良くなかったからだろう?偶には体を動かしな。なぁに心配するな。お前が抜け出して、今アタシを警護している『部隊』の連中もきっと手伝ってくれるだろうさ…ほら、聞こえないかい?『道連れ…有罪…死なば諸共…』ってお前を呼ぶ声が」「ギャアア!それ絶対ロクな目に遭w」


 その日、ギルドマスターは一時行方不明になり有志の冒険者による捜索が行われ、その翌日の夜明けごろ、自室でボロ雑巾のような状態で発見されたそうである…

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