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ウボァー!私がポンコツ女神なんて認めないぞぜったいにだ!!!!!!!!

「第一回!ベルンハルトさんを王様にするぞ作戦会議を始めます!」

「なんだその頭の悪そうな」

「そりゃあ帝王学みっちりエリート教育されてるベルさんよりはね!仕方ないですよね!」


 ほかの部屋から運んできた木の椅子は軋んでぐらつく。背もたれによりかかってリラックスは出来ない。

自分の椅子が壊れて、ほか二人の椅子が無事だなんて事態が起きたらきっと耐えられない。

作者、現実に帰る。


 アウレール氏いわく、ずっと放置されてきたので、王都からここ北の砦のフォルモント城へ到着した時点でめぼしいものはほとんど盗まれてしまっていたらしい。

残ったのは使用人が使っていた物で、さらに壊れかけのものくらいだそう。

石造りの城のすきま風を防ぐタペストリーも何もかも剥がされ、ほぼ遺跡のような見た目になっている。


 「創造主とやらは無能でも務まるらしい」

 ハッ、と嫌味に笑い、長い足を組み換えベルンハルトにアウレールは苦笑しながら欠けた大皿の破片にこんがりと焼けた肉をナイフで切り分けていた。

それ、生贄の血を用意する時に使ってないよね……?

聞きたいけどもし答えが答えだった場合立ち直れなくなりそうなのでやめておく。


知らない方が幸せなこともある。


「は~~~~ん、そんなこと言っていいんですか、重大発表があるのに。ベルさんは聞きたくない、と」

「何もそんなことは言っていない」

「えっへへ、聞きたいです?聞きたいです?」

「……どうせ大したことではないのだろう。聞く価値もないようだ」

「うわひどい!私はね、ベルさん。

私が作った世界で健やかにお育ちのベルさんを我が子のように思っているのですよ!」


「それはそれは……たいそうな愛情を注いでくださいました母上には相応の感謝を込めて行動で示さねば。

幼少の頃より目をかけて頂きまこと恐悦至極にございます。が、

結果我が子とおっしゃる私がこのような寂しくも冷たい流刑地に住まいを移しておりますことは、親愛なる母上はどのようにお思いか」


「それにつきましては大変申し訳なく思っておりまして、ハイ……これからほら、大逆転シンデレラストーリー……いや、チートで快進撃、らぶずっきゅんドドスコハーレムストーリーをですね、ええっと、」


「なんだか穏やかじゃない語感があったのだけれど、どういう意味かなぁ?」

「ヒエッアウレールさんの顔が良くて笑顔が素敵だけど氷点下暗黒微笑ってやつだ」


 はいどうぞ、と細身のナイフに突き刺した肉を口元に差し出された。突きつけられたという方が正しいかもしれない。


「あっははは…いただきます」


 ついでにちょっと砂の付着してしまったメロンパンも献上済みだ。既に毒味ということで二人の目の前でかじって見せたが、そもそも作者で創造神と黒歴史ノートに書いてしまったので毒なんか効きそうにもないけれど。


 薄い塩味の肉を控えめにかじり、咀嚼する。

なんだかじんわり体にしみ渡るおいしさ。そう、寒い日に飲んだおでんの汁のような。


「お口に合うかな」

「美味しいです。何の肉かは聞かない方が良かったりする展開ですか?」

「特別なものじゃないよ、これはヤムヤム鳥。ベンノが焼いてくれたんだ」


 ヤムヤム……えっ王子様が焼いただけとはいえ料理するんだ。

「何か言いたげだな」

「美味しいですありがとうございます」

王子様は読心術もできるのだろうか。できるなら読まないで欲しい、乙女の心はとっても繊細なのだ。


「撃ち落としたのはアレンだ」

「ベンノは魔力が強すぎてね、遠くに魔術を撃ち出すと周辺の木々ごと焼き払っちゃうからね」

アウレールさん、それは笑顔で言うことではないと思います。


「なるほど、ベルさんは細かい火力調節が苦手なんですね」

「最近──ここに来てからかな、ベンノの魔力が増えているみたいなんだ。ここに来る前も多かったけれどね、ここまで乱れるほど一気に増えたみたいで」


 へえ、と自前のナイフに刺して肉を頬張るベルンハルトを見れば、不機嫌そうに眉をひそめた。

「ベルさんのステータスってどんな感じですか」

「……は?」

「ステータスですよ、ステータス。ステー……もしかして、そういう文化は無いん、ですかね……?」


 ベルンハルトの反応に不安になり、アウレールの方を見れば、こてんと首を傾げた。此奴、なかなかにあざとい。イケメンだからときめきそうになるけれど、自作中のキャラクターですからね、息子だよ息子。


 女の部分は黙っとれ……。こいつは優男のような見た目でも中身は切れ者として作ったキャラクターだぞ、絆されてもいいことはほとんどない。作者知ってる。こいつは暗躍するにふさわしいステータスの持ち主なんだ。

まだ見てないけど絶対そう。


ステータスという言葉に馴染みがない二人にどう説明すべきか考えながらも、

どこまで自分の知っていることが適用されているのか気になってきた。


だって言葉は通じる。けれど世界観的に日本語の書き文字はおかしい。しかしながら作者は外国語が堪能な訳では無い。

一体全体どこに不思議な力が働いているのだろう。


「えーっと、ステータスとは個人の能力を数値で一覧に表したものです。見れるかな、お食事中失礼しますね、ベルンハルトさんのステータス!!開示!!」


 何となく気合を込めてナイフを持たない手をベルンハルトの額辺りに向けてちょっと恥ずかしい呪文を唱える。

この簡易的なワードでなんとかなる世界観を生み出した始祖に感謝感激雨あられ。


 ぶん、とブラウン管テレビがつく瞬間のような音がした。

同時に文字とアラビア数字が浮かび上がる。


えーと、元ベルンハルト、現ベンノ……魔力は


「ウボァー!!!!」

「どうしたの!?」


 思わずあげた悲鳴にアウレールの椅子もつられて悲鳴をあげた。驚かせてごめんなさいと謝罪するよりも先にベルンハルトの数値を二度見した。


「魔力!ベッ!アッ!アッ!」

「食事中だぞ黙れ殺されたいのか」

「ヒョワアアアアア彼の魔力は53万です????」 

 ベルは魔王でベルゼなバブー!!!!????

フリーザさん、ドドリアさん、こいつが魔王です!

あれっザーボンさんはどこ!?


「び、ビビってばびってぶー……」

「このような奇声ばかり上げる創造の女神に我が人生が台無しにされたかと思うと込み上げる殺意を抑え込むのが馬鹿らしくなってくるな」


半眼で睨めつけてくる推定魔王のステータスの魔力最大値は53万だがその以下の数字がカウンターのようにゆっくり回っている。

「ベルさん……恐ろしい子ッ」


もはやお手上げともいうように、ベルンハルトは分配したメロンパンをちぎり食べ始めた。


「あ、あの、アウレールさんの魔力も見せて頂いてもよろしいでしょうか……?」

「ええ、どうぞ」

「アウレールさんのステータス開示ッ」

「…………」


これまたぶん、と音をさせて現れたステータスに目が点になる。なんだこれ。


「どうかな、僕のすてえたすっていうやつ」


なんだこれ。


なんだこれ。なんだこれェ!!


「ま、りょく22まん……?」


ベルンハルトの半分以下とはいえ、22万。

私の魔力は1000ですよ!神って設定つけたのに!

神様ひどい!神は死んだ!いや死んでない私が神だ!


「せちがれぇ……」


こんな魔力じゃ、新世界の神なんてつとまらないよ。無理ゲー。


「我々には何も見えないが……貴様には見えているのか」

「ハハッ……ウヒ……そうね、見えて……ますね」


ウボァー!私がぽんこつ女神なんて認めないぞぜったいにだ!!!!!!!!




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