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第1話 転生幼女 

 「おんぎゃあ!おんぎゃあ!おんぎゃあ!」


 春のよく晴れたある朝、貧乏な農家のもとに1人の元気な女の子が生まれた。

 だがこの赤子、転生者である·····!


 「元気な子が生まれて良かったな!」


 「ええ。本当よかったわ。」


 「名前はレイカだ!」


 「いい名前ね!はじめましてレイカ。」


 (この人たちが俺の両親か。優しそうな人で良かった。)


 「ばぶぅ。」


 「あなた!今しゃべったわ!」


 「ああ!聞いたぞ!もしかしたら天才かもな!」


 (ちょっと親バカ·····かな。)


 時は転生前にさかのぼる。

 彼、石浜 涼は残業を終え、駅のホームで電車を待っていた。だが、残業の疲れからか急に立ちくらみに襲われた彼は、そのままホームから落ち·····。


 「あぶなぁぁぁい!」


 「きゃーーーーー!」


 気が付くと彼は真っ白な謎の空間にいた。


 (ん·····なんだここ。さっき電車にひかれて·····。あ、ここ、あの世か。)


 すると突如、彼の前に白い長ヒゲのお爺さんが現れた。


 「うわっ!?」


 「おっと、驚かしてすまんな。フォッフォッ。」


 「·····。もしかして神様的な方ですか?」


 「いかにも!わしが神様じゃ。で、いきなりなんじゃが、わしの気まぐれでお主を異世界へ転生させることにしたんじゃ。」


 「いやいや気まぐれで転生って·····。」


 「ちなみにお主は女の子となって転生するのじゃ。じゃが安心してよいぞ。前世の記憶は引き継がれるが、主な人格は転生先で形成されるからの。」


 「つまり無理に女っぽく子供っぽく振る舞ったりしなくても自然と女っぽくなったりするってことか。」


 「そういうことじゃ。ではさっそく転生させるぞ。」


 「いやっまだ全然理解出来てな·····。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 それから3年が経ち、レイカは3歳になった。

 彼女は病気にかかることも風邪をひくこともなく、両親に愛情を注がれ元気にすくすくと育った。

 また、自分が転生者だということもほとんど意識しなくなっていた。


 「パパ! わたしもそれやりたい!」


 彼女は父が大好きで、薪割りや畑を耕すなど、なんでも真似をしたがった。


 「パパ!それなに!?」


 「これはイノシシだ!森で狩ってきたんだよ。」


 「わたしも狩りたい!」


 「女の子は狩りはできないよ。男の子より力が弱いからあぶないんだよ。」


 「ぶー。」


 やりたいことはなんでもやらせてあげる父だったが、狩りはさせなかった。


 「レイカ。もう薪は十分だから裁縫の練習しましょ。」


 「やだ!薪割りの方が楽しいもん!」


 レイカは女っぽい細かい作業より、父のように体を動かす事の方が好きだった。


 ある夜の食卓、父が神妙な面持ちで話をした。


 「実は戦場へいくことになったんだ。」


 「え!?どうして·····。あなたはもう兵役の義務を終えたじゃない·····」


 この世界では15歳から30歳までの男子に兵役の義務があるのだ。

 レイカの父は数年前に兵役を終えていた。


 「ああ、そうなんだが、なにやら戦況がよくないらしく緊急で30歳以上も召集されたんだ。」


 「せんじょーってなにー?わたしも行きたい!」


 「戦場っていうのは戦争をする所で、魔族っていう人を傷つける悪いやつらと戦ってレイカやママみたいな人たちを守るんだ。危ないからレイカは来ちゃダメだ。」


 「ぶー。でもなんでヒトを傷つけるのー?」


 「そうやって楽しんでるんだよ。最低なやつらなんだ。」


 「ふーんへんなのー。」


 この世界は、大陸を真ん中で分け、西に魔族、東にヒト族とに分かれており、数百年の間、両者の間で争いが続いている。

 だが近年、様々な問題によりヒト族の領土が魔族に奪われつつあるのだ。


 「いつからなの?」


 「明後日からだ。」


 「そう·····。」


 母は悲しそうだった。


 翌日、レイカは父と楽しい時間を過ごした。

 3歳のレイカには戦争がどういうものか、どれほど恐ろしいものか分かっていなかった。

 出兵当日。


 「じゃあな。二人とも。落ち着いたら帰ってくるからな!」


 「ええ。気をつけてね。待ってるわ。」


 「パパー!」


 レイカは泣きながら父に飛びついた。


 「ママのお手伝いして待っててくれな。」


 「うん。すぐ帰ってきてね。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 それから2年が経ち、レイカは5歳になった。

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