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0. 愛のはじまり
ーーー待って…っ!!!ーーー
どことも検討がつかぬ場所へ沈みゆく身体の中。
その愛しくてたまらない声を、遠くに聴きながら。
不安で怖いはずの心は、妙な安心感に包まれる。
『あ…、なんだか、あったかいや・・・・・』
彼女がそう思った瞬間。
周囲の水が優しい光を帯びはじめ、徐々に辺りを包み込み、
ついには何かを形成していく。
『…なんだろう???』
遠のく意識の中、彼女の目の前に現れたのは。
【さあ、次の物語へ、進みましょう】
『…あなたは、だれ?』
彼女の持つオレンジと水色をしたオッドアイの瞳に映ったのは
優しく、そして、ただ彼女を包み込むためだけに存在する大きな愛。
それらを、その身体に纏った神々しいまでの、白く美しく、言葉では表現が出来ないほどの純粋さを極めたかのような、海蛇。
【我は、アナタ。会いたいのでしょう?彼に。
ならば、ここでとどまっているわけにはいきません。
アナタの愛を、育ててゆきなさい。】
ーーーΕίσαι ο μεγάλος έρωτας μου. ーーー
ーーーカトラティアーーー
音にならない叫びは、私の心の中に消えた