序章
お初にお目にかかります。
相模 仄華です、初めてこちらで小説を書かせていただきます。
なるべく、誤字脱字をせず沢山の方に読んでいただけるような小説を書けるように頑張りたいと思います。
宜しくお願いします!
ガラーン……ガラーン……
窓から見える時計塔の鐘が、午前0時を告げた。
「……お前が、そうか」
これが全て夢だったら、どんなに嬉しいだろう。
目が覚めたらベッドの上、見えるのは自室の天井、階段を降りたら母親が朝食を作っていて、寝ぼけながらも私は、母親に挨拶をして……当たり前の日常だった。
ついさっきまでの事だった。
なのに、まるで何年も前のことのように感じる。異常な出来事ばかりが起こり、頭の中での整理が追いつかない。
「震えているな、お前……怖いのか?」
目の前の青年は悪戯っぽく口の端を釣り上げて笑う、その瞬間私は背筋がゾッとした。
奇麗な笑顔だった。
怖いのは確かだ、けれど自分が何に対して怖いのか【分からない】。
青年?この状況?それとも?
「…………怖い、です」
口から出た言葉は、自分でも驚くほどにか細かった。
青年の方は蘇芳色の両目を猫のように細めると、私の方に向かって手を伸ばす。
––––逃げ ラ れ ナイ
序章は短くなっていますが、次の話からはもう少し長く書きたいと思います!
一週間の間に一話から二話のペースで、更新をしていこうと考えております。