HBE日記
2011年 平成23年
4月13日(水よーび) 陸中野田。被災地にて。(現地はインターネットが復旧してない為、携帯で書いた物を、久慈市のネットカフェで14日の夜、取り込みました。)
犬がね。犬がね。
そう大型犬が、汚れきったヌイグルミのように……、古毛布って感じで、バンザイしたまま死んでるんだよ。サモエドのようでもあるが……こりゃ、何て犬種だっけ? 後で写真を見て解明しよう。と思った。
「こりゃ可哀相だな。線香、持ってくるんだった」
と言う私を見て、ななめ後ろの残骸の撤去作業をしているクレーン車のオペレーターが笑いかけてきた。
「そーなんだよ。どこもかしこも、こんな案配だよ」
と、目が言っている。
やがて、作業員のみなさんも手を休めてタバコを一服。イップクタイムだ。
犬を見に集まってくる。
「酷えなあ。いや、本当に酷えなあ」
と兄ちゃんが呟いた。
一日になんべんも呟いているのであろう。
犬の写真を撮るつもりだったが、なんとなく気が引ける。
「あっちのほうに、コリー犬がいだっけ」
と兄ちゃん。
「ラッシー(名犬)とおんなじのな」
とおっちゃんも教えてくれた。
「んじゃ、行ってみっかな」
と私。
「セントバーナードもいだっけ」
と誰かが言って、みんなが笑う。
ああ。久々に聞く、この東北流ジョーク。
私も生粋の東北人だ。
従って、
「ウソだべ!」
と答えた。
「わはははは」
と皆が笑った。
小雨がパラついてきた。
そして小雨にゃ似合わぬゴロゴロ様の中、私はコリー犬の方向へ進んで行った。
兄ちゃんはナビゲーターとなり、小雨の中、いつまでも指差し続けてくれた。
「こっちか?」
と指差して尋ねる。
「その向こうだってば!」
とゼスチャーで答える。
人間が一番大切なのはあたりまえだろうが……ペットのワンワンや、ニャアニャアの鎮魂も必要だと思った。
東日本大震災はそりゃ酷いもんです。
3月23日(水よーび)
私も女房と一緒に、親族を救うべく、旅立つ決意をしたのでありました。
現地はガソリン事情が滅茶苦茶悪いそうで、様子を見て出発するつもり。
今月中には行くよ。 待っててくれ。
それから、ペンネーム「千駄山」を止めました。
これからは、「HBEロッカ」とします。千駄山ロッカバンドも「HBEロッカバンド」とする次第です。
メンバーも友人達も皆、「その方が、かっちょえ~よ」と言ってくれてます。
ココロも軽く、身も軽く、アタマも軽く、サワヤカに。サイフも軽くてドーシヨウ。
とにかくロッカは行くのじゃー!
ボランティアの皆さんの邪魔にならない事が肝心だな。