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不穏

「ようこそ勇者様!我々カナルブルクの民一同、貴方方のご救援を心から感謝致します!」


大きな城壁のそばで領主らしき男が最敬礼をしている。男と勇者とのやりとりを遠目に見つつ考える。


今表に出ていくことで魔族側に勇者一行の戦力を大きく見せるべきか、あるいはギリギリまで潜みその戦力を過小評価させた上でバックアップすべきか。


その可否はこの街での立ち回り次第。


とはいえ…懸念事項が二つ。

城壁の傷が均等すぎることと、歓待が一貫していることだ。


前者は、そもそも戦術を私が知らないからなんとも言えたものではない。だが、下から上まで、一定の間隔で隅々まで傷ついているこれがおかしいのは流石に見て取れた。


後者もそう。

勇者が街の希望であるから、その歓待に力を注ぐのはわかる。しかしそれは、あくまで余裕のある対応だ。間違っても魔族に襲われて今にも陥ちそうな街のするやり方ではなかった。


これは…

「罠、かな」


街全体がグル…最悪の場合、街そのものが魔族の手に既にある可能性すら出てきた。


なんにせよ、

「今は出るべきじゃない、か。」


出来るだけ近くの、街の外に野営する。

幸い、勇者一行も弱くはない。むしろ実力は私より単体ですら遥かに上の強者揃い。

ならば、ここはあくまで保険として動くべきだろう。


もし街に異変があれば外より把握し中に伝える。あるいは勇者達の討ち漏らしを外から処理する。


これが、現状私のすべきことだ。


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