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俺はキミがどうしようもなく好きだ。  作者: クールホーク
5/10

荒冬夜と蜜の裏事情。

頭にバスタオルをかけながら、

荒冬夜が戻ってくる。


蜜をちらりと見る。

頭にバスタオルをかけている。

もう風呂に入り終わったのか?


「じゃあ、おふろ入らせていただきます」

荒冬夜にそう言うと、

荒冬夜はコクリと頷く。

ああ。可愛い。水も滴る荒冬夜……って、何想像してんだ!


俺は少し顔を赤くしながら風呂場に向かう。


俺は記憶力がいいから、さっき蜜に三階へ連れてこられた時に、この家の見取り図は大体分かった。


風呂は二階のはず……。


二階の広々とした空間の横にある、細い通路を通り手当たり次第に扉を開けて行く。


奥から三番目の扉が風呂だった。

俺は最近ハマっている歌を口ずさみながら、風呂場に入り込む。


風呂の中は、そこそこ広い。

グッと手を伸ばす。


風呂の中からは、いい匂いがする。

「ふぅっ〜……」


**


三階に登ると、何か嫌な声が聞こえる。


「んっ……。

蜜っ……。キモちぃ……。

もっとっ! やって……」


!?


な、な、な!?


な、なぁ〜にやってんだ!?

恐る恐る扉の前に近づく。


「はぁっ……。

ふぅっ……。キ、キモちぃか?

もっとやってあげようか?

でもっ……俺もう……疲れたっ」

「でもっ……キモちぃからっ……

はぁんっ! 力……入れすぎ……」


ゴクリ。


喉を鳴らす。

もう我慢ができない。

俺の荒冬夜を……!

(俺の発言が変態だよ)


「な、なぁにやってんだ!

恥を知れ、恥を!! 」

そう怒鳴り、思い切りドアを開ける。


あ?


目の前に見えた光景は、

別に変なものでは無かった。


荒冬夜がうつ伏せになっていて、

蜜が荒冬夜の上に座っている。

勿論服は着ている。


「えっと……? 」

俺は恐る恐る二人に尋ねる。

今二人は、ナニ……してたの?


二人は少し不機嫌そうな顔をして、

そしてそのあと、大笑いをした。

「なっハハハハッハハハ!

なに? 変なことやってるとでも思った? やっぱ豹魔くん、君、男だねぇ」


な、、、!!

なんだよ! 勘違いして悪かったな!

あー! イラつく! ってか、

じゃあなにやってたんだよ!


「まぁまぁ、凍樹、怒んなよ。

今僕は蜜にマッサージしてもらってたの! massage!

アーユーオーケー? 」


な……ぬ……。


荒冬夜の、やけに発音のいい、

“アーユーオーケー? ”

に、ヤケに……イラつく。


「二人で俺を騙したのか! 」


俺は二人に怒鳴る。

すると二人は、いかにも不思議そうな顔をして、


「は? なにと勘違いしてるんだ? 」

と、口を揃えて言った。


と……とぼけんな……!


心の底から、無性にイライラが込み上げてくる。

まぁいい。


「で? 風呂にも入って、

美味いシチューまで食べて、

なにする? 」

俺は、二人に問いかける。


二人は、少し悩み面にになる。

で、俺らが出した答えは、

「寝るか」


**


「勿論、俺ら男子二人と

荒冬夜一人っていうチームで寝るんだろ」


当たり前だがそんなことを聞く。


少し、荒冬夜と一緒に寝れるのではないかなんて思ってしまった。

「んー。別になんでもいいぞ?

今日は僕は蜜と寝る。

明日はじゃあ、凍樹な」


ブフォーーーッ!

思わず喜んでしまう。

最&高!


でも、なんで一緒に寝ることを許してくれるんだ?


少し悩む。


すると、頭上から声がする。

「視亞は一人が苦手なんだよ。

事情は知らねーけどよー」


へぇ。

蜜の言われたことを聞き、

納得する。


一人が怖いなんて、なんて可愛らしいんだ。

見た目男なのに。


蜜と荒冬夜は二人で別の部屋に移動している。

「あ、凍樹の部屋はこのコタツの部屋の前の部屋だからな。

僕らは凍樹の部屋の隣」


そう一言言い放つと、

二人は(一時的な)俺の部屋の隣に行く。


はぁ。

なんだかなぁ……。


なにか……つっかかる……。


少し心にモヤっとしたものを気にしつつも、俺の部屋に入る。


割と広い。

二人寝れるぐらい広い布団に、

天井から床までの、大きいカーテン。

小さめのテレビまでついてる。


ふーん……。


**


しかし、やけに広いせいか、

なかなかねれない。


んー。


どうしたもんかな……。

人の家なんて、慣れねぇからな〜。


荒冬夜のとこでも行こうかな……。


**


静かに扉を開ける。

蜜と荒冬夜が隣同士で寝ている。


ズキッ! ……。

な……に? 今の……。


その部屋は、異様に静かで、

耳が痛くなりそうだ。


目を静かにつむり、ゆっくりと扉を閉める。

はぁ。

なにか……なぁ……。


**


その日はなかなかねれなかった。

慣れないってのもあるし、

あの二人がきになるし……。

はぁ!?


べ、別に荒冬夜と蜜の間に何かあるなんて……思わねぇし!

あいつらはただの幼馴染……。


はぁ。


やけに、ため息の数が……多い。


頭をぐしゃりとする。

頭痛がしてきた。


早く寝よ。


俺はこの時、直感で感じていた。

荒冬夜と蜜の間に、何かあるのではないかと……。

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