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俺はキミがどうしようもなく好きだ。  作者: クールホーク
4/10

荒冬夜料理上手い説浮上。

投稿遅れてすみません!


待ってくれた人……いたらありがとうございます!

「あのー……。どちら様? 」


俺はその人の機嫌を伺うように尋ねる。その人は、「は? 」と一言。


は? って、だって誰だよ!

あいつ一人っ子で、、、。

まさか、母親!?


いや、うちの母親じゃあるまいし、な訳ないか。

ってことは……。誰?


「んーと……。

頭おかしくなったか? 凍樹。

僕だよ、視亞! 」


……。

思考が停止する。


荒冬夜……?


「へ? 」

荒冬夜は少しばかりニヤニヤしながら言う。


「そんなに僕が僕じゃなく見えるか? 」

俺はコクリと頷く。


だってこんなん、どっからどう見ても普通の女の子だろ?


荒冬夜は手をクイクイとさせて、

まるで家に入れよとでも言うように

してくる。


お言葉(? )に甘えて、

荒冬夜の家に入らせてもらう。


ガチャリッ!

ドアを開けると、

フローラルな香りがした。


女の子なんだなぁ……。


家の外見は似ていたけど、

部屋の中はあまり似ていない。


奥の部屋に続く廊下を歩く。

「ま、まってっっ! 」

突然荒冬夜に止められる。


「そっちは……、

ぼ、僕の部屋だから、まだ……入んないで」


まだ……?


荒冬夜の言葉に少し疑問を感じながら、

「あー、うん……」

と、曖昧に返事をした。


二階へと続く階段を上がる。

季節はもう、9月だ。


だんだんと外はひんやりとしてきている。

二階に上がると、途端に体がブルリと震えた。


かなり寒い。

周りを見渡す。

どうやら窓が開いているようだ。


どうりで寒いわけだ。


はーっと息を吐き出し、手を擦り合わせていると、荒冬夜が俺が寒がっているのに気づいたのか、窓を閉めてくれた。


「寒いのか?

……。あー、暖房つけるか?

三階にこたつあるから、コタツにでも入って話しよーぜ」


あぁ。荒冬夜、優しいな……。


荒冬夜について行き、三階に入る。


廊下にドアが3つある。

荒冬夜は手前のドアを指差し、

その部屋に入って行く。


……ん!?


その部屋の光景を見て驚く。

こたつから、首が出ている。

誰かがこたつの中で寝ているらしい。


母親……か?


その人は俺の方をぐるりと向く。


「あ、荒冬夜……!? 」

その振り向いた顔を見て驚く。

その張本人も驚いている。


「な……凍樹……?

あー、泊まりか。

って、おい、蜜!? なんでいんだよ、ここに! 」


ん?

み……つ?

え、まって、ちょ、理解ができない。

荒冬夜が二人?


……は?



話を聞くとこう言うことらしい。


まず、こたつで寝ていたのは視亞。

で、三階まで案内してきたのはみつ


視亞と蜜はいとこで、

蜜は男。


蜜が視亞の変装をして俺を騙したらしい。


なんつーか、蜜は女顔というか、

視亞が男顔というか……。


あーも! 喋ってる俺がわかんなくなってきた!


えっとつまり、

コタツに寝てるのは荒冬夜、

俺を案内したこの髪の長いアイス咥えてる子が荒冬夜のいとこの蜜!


ってわけ。


伝わった?



「えっと、視亞が視亞で蜜が蜜?

もーややこしいな! 」


俺が少し苛立っていると、

荒冬夜が落ち着いた表情で、まるで闘牛をなだめるかのような言い方で言った。


「髪の短いのが僕。

長い、もしくは僕の顔に似てる、

けどどことなくおカマっぽい雰囲気出してるのが蜜」


蜜は荒冬夜に向かって言った。


「だーから! 俺はおカマじゃなくって女装好きのれっきとした男! 」


蜜がほっぺを膨らましながらいう。

うーん……。


蜜もいいな……って、

何考えてんだ俺!

どうかしてるぞ! おかしいぞ!


俺がっ……。荒冬夜以外の人のこと好きになるわけないだろ!


ってか、荒冬夜と蜜が異常に……、

仲がいい……。


**


俺が一旦家に戻って荷物をとって荒冬夜の家に戻ってきた頃には、ご飯ができていた。


「あれ? お母さんは? 」

荒冬夜に聞く。


「なんか、

『三人で楽しんでね! 』とかって意味深なことを言ってどっか行った」


ふーん……。

空気読める系の人か。

荒冬夜の母親は。


**


「う……っまそ〜!!

シチュー! 」


目の前に出された湯気を出しながら神々しく輝いているシチューを見ながら、思わず歓声を上げてしまった。


一口頬張る。


途端に口の中に幸せが広がる。


この熱々さも、また、丁度いい。

ニンジンだのジャガイモだのは、

うちのよりも一回りほどサイズが大きい。


そのぶん、とても歯ごたえがあって、

いい!


「荒冬夜の母親って

料理上手いんだな! 」


口に熱々のジャガイモを入れ、

ハフハフ言いながら荒冬夜にそういう。


上手いなんて比じゃない。

サイコーにサイコーにサイコーだ。


口では表現できない。


「へー。そんなに美味かったか?

実はそれ、僕が作ったんだよ」


ん!?


荒冬夜のその言葉に驚きを隠せない。

荒冬夜が!?


あっ……。


『幸福!!! 』


荒冬夜は優しい、ふわっとした笑みを浮かべながら俺のシチューを食べる姿を眺める。


少し緊張する。


「あー、そーいえば風呂のことだけど……」

シチューを思い切り飲み込む。


「あっっっっっちぃ〜〜!!!

ゲホッ!! ゲホッ! 」

噎せる。熱い。


きゅ、急に風呂の話すんな……。


そ、想像しちまうじゃねぇかぁっ〜!


突然頭上に激痛がはしる。

な……!?


上を向くと“蜜”が拳を握りしめている。どうやら蜜に頭を殴られたらしい。


「なっ! おい、蜜!

何凍樹を殴ってんだよ!

首絞めて殺されてぇのか!? 」


「だってこいつ、鼻の下伸ばして気持ち悪りぃんだもん」


な、失敬な!

(ま、事実だけど)


「あー、風呂か?

荒冬夜先に行けば?

だって、男が入った風呂に浸かるなんて嫌だろ? 」


俺はあくまで、荒冬夜のことを思って言ったつもりだった。


「はぁ!?

おい、凍樹、てめぇ、

視亞の入ったお湯で、

〇〇したり、××したり、△△したり

するつもりかよ! 」


ブーッッ!


思わず吹いてしまった。

荒冬夜も顔を真っ赤にしている。


「ち、ちがっ! そーじゃなくて……」


荒冬夜はスクリと立ち上がると、

俺の方に来て、

「キメェんだよ! このエロガッパ! 」


思い切り怒鳴りつけて風呂場に向かって行った。


そ、そんなんじゃねぇのに……。


俺の隣では、蜜が不気味な笑みを浮かべていた。


なにか、勝ち誇ったような顔をして。

第四話、読んでくださりありがとうございます!

次話もお楽しみに!

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