表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/26

友だち?

 「お前友だちできたんだな~よかったよかった」



 風呂上がりの乙女の部屋にあがりこんで、乙女を友だち居ないやつ呼ばわりするのはどこのどいつですか。

じろりと睨み付けてやると「ひっごめん」と返ってきた。お前思った以上にわたしの傷をえぐったんだからな。



「何を見て友だちができたと思ったわけ?」

「え、だってなんかメガネのやつとよく一緒に居るだろ?」

「メガネ…ねえ」



佑真の言うメガネはおそらく平胤のことだろう。あれを友だちと見るかこいつは。うーんまあ、友だちかあ、そう言ってもいいのかなあ。わたしはまだ勉強仲間という言葉でごまかしているけれど。だいたい向こうがどう思ってるかわからないし。



「あいつすっげー頭良いんだってな、いいなー頼りになりそうで」

「勉強面で頼りになることは確かだけど、別に友だちってわけじゃ」

「いーじゃん友だちで、知り合いじゃなんか寂しいだろ?」

「うん…」


ま、本人のいないところでくらいいっか、どうせこいつとは学校で話さないんだし平胤の耳に入ることもないだろうし。



「でさーシンジ、お前連休なにすんの?」

「ああ、その友だちと図書館で勉強する日が一日ある」

「おっ!じゃあ俺も」

「呼ばない」

「デスヨネ」



バカにしては理解が早くて助かる。



「ま、どうせ俺は連休ずっと部活だしそんな余裕無いからなー」

「お疲れさん」


スポーツ推薦で入った佑真は、結果を出すことが期待されて入学しているのだ。まだ1年生とはいえチームの主力になっているらしいこいつに連休なんてものは無いのだろう。



「ていうかお前、なんでそんな勉強してんの?」

「そりゃ、テスト順位で上位に入ってれば女子から一目置かれるでしょ、ひとつのモテ要素だよ」

「ああ…」



そういやそうだったみたいな目でわたしを見るな。そうだ、こいつにも聞いてみるか。



「ねえ、佑真から見て、学校でのわたしって女子にモテてる?」

「えっ」


佑真には、平胤に聞いたみたいにオブラートに包むことはしない。



「うーん、モテてるってか、一線引かれてる感じ?憧れはするけど、近寄りづらいって思われてるんじゃね?」

「…あんたもそう言うのか」



うーん、平胤と同じことを言われてしまった。てことはやっぱりそうなんだ。



「わたしにいったい何のモテ要素が足りないっていうの…女子のアイドルになるために何が必要なのか…」

「なんかお前目的見失ってねーか」

「いや、見失ってようがなんだろうがわたしは前に進むしかないの」


王様が接触してくるその日まで、あとどれくらい時間があるかわからないんだから。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ