ボールは大魔王。こわくないよ
「はぁ・・・」
「大魔王様!おはようございます!」
「はぁ・・・」
「如何なさいました大魔王様?溜め息など吐いて・・。」
「恋をしてしまったようだ・・笑えるだろ?いい歳扱いた大魔王が何を言ってんだって・・・。」
「そんな事はありません!恋に年齢制限などあるものですか!!
してお相手の方はどんな方なのですか?」
「翼ちゃんだ・・今日、夢に出て来たんだ・・・。」
「・・・あるある~!
あまり意識してなかったのに夢に出て来たもんだからちょっと気になっちゃう事ありますよね~。」
「いや・・前から意識していたさ・・しかし俺はそれを気付かぬフリしていたんだ・・・
だが潜在意識の中で恋心を否定する事を拒み夢へと昇華されたのだろう。」
「もう何言ってんのか・・・いい歳扱いたオッサンが見苦しい。」
「恋に年齢制限などないと言ったのはお前だろうが!?
自分の発言に責任を持て!!」
「言いはしましたがあまりのお粗末な恋話に呆れを通り越して嫌悪が・・・。」
「お前・・!?
お前は翼ちゃんが夢に出て来てあんな事をしても同じ事を言えるのか!?
俺は言えない・・だからこそこうやって苦悩しているのではないか!?」
「ちゃんちゃら可笑しいですね。
所詮夢は夢・・現実を見て下さい?翼ちゃんが居ますか?居ませんよね?コレが現実です。」
「俺の名がミサキだったら良かったな・・・。」
「何ですか急に・・・?」
「『翼君と岬君でゴールデンコンビだね?』って会話をしたいじゃないか!?」
「あの子の年代でそれが解るのかどうか・・たとえ解ったとしてもオッサン死ね位にしか思われないですよ?」
「そ、そんなぁ・・夢の中の翼ちゃんはもっと優しかった・・変わったね・・寂しいよ・・・。」
「いや御免なさい・・ホントにそう言う子かどうかは知りませんが妄想気持ち悪いとは誰もが抱く感情なので・・・。」
「夢でもし逢えたら素敵な事ねって黒い人も言ってたがホントに素敵だった・・
夢の中で言ったんだよ、いつもありがとうって・・この味いいねって翼が言ったから翼記念日にして良いかな?今日。」
「サラダね・・・取り敢えず言わせて下さい。
翼はてめえの事なんて知らねえし何とも思わねえから~!?残念!?妄想大魔王斬り!!」
「居なくなったと思ったらこんな所に居たのか・・北の侍。」
「それ違う人!その人何でも味噌付ける国に行きましたから!」
「それどんな偏見だよ!何でも味噌付けるって・・・。」
「失言と捉えましたら申し訳ありません。
お国柄を説明するのに手っ取り早かったのが味噌のソレだったのでつい。
大魔王様がお好きなグループが存在する所でしたね・・本当に失礼しました。」
「は?何言ってんの?意味わかんねーし!俺、翼一筋だし!
俺の愛車はホンダウィングだし!初めての共同作業でツインシュート打とうね約束した仲だし!」
「私が今この場でトルネードアロースカイウイングシュートを顔面に撃ち込んであげましょうか?」
「それならば俺は反動蹴速迅砲でお前に撃ち返してやるぜ!」
「それならば私はそれを更に雷獣シュートで撃ち返しますけどね!」
「クソッ小癪な!ならば俺はその雷獣を龍の咆哮へと昇華させ放つとしよう!」
「中々やりますね・・スライダーシュート・・ダメか・・キャノンシュート・・これでも無理か・・いっその事ドライブシュートで撃ち返すか?」
「もうお前には手札が無い様に見受けられるがまだ続けるかね?」
「已むを得ません降参しますって何ですかこれ!?
何が勝敗を分けるんですか!?」
「どちらにせよ俺にはS.G.G.Kがゴールを護ってるからペナルティーエリア外からはゴール出来ないし
いざとなれば例の猿坊主が顔面犠牲にして止めてくれるしお前に勝ち目無かったよ。」
「どんなゲームだよ。ってか了君の扱い酷いですよ!あれでもJ2のプロなんだから!」
「・・・今季からね・・結構寂しいよね。」
「昔は強かったのにね・・・。」
「しんみりしちゃった・・サプリちゃんで元気出そっと。」
「その為の録画だったのか・・・。」
ドラマを鑑賞しながら悶える大魔王様はとても滑稽でした。