大魔王は添えるだけ。
「大魔王様、お早うございます!」
「おう、お早うリヨン」
「早速なんですがニュースが御座います。」
「述べよ」
「あそこに見えるマウントデビルが魔界文化遺産に登録されたそうです!めでたい事ですね!」
「それって何処かの国の山に肖ってるだろ?」
「そんな事は微塵もありませんよ?ただ単に独自に認定されたまでです!」
「そっか?因みにその山の標高幾つよ?」
「えっとですね~3776.24mですね。」
「まんまやん!あの山とまんま一緒やん!
どうせ麓には死の森と恐れられる樹海でも広がってるんだろ?」
「・・・まあ在りますね
そんな事よりマウントデビルで登山するに入山料を取る予定らしいですよ?
それってどうなんですかね?」
「それも聞いた事があるような・・・
まあでも良いんじゃね?遺産とかになったんだからちゃんと維持してかなきゃいけないしマナーの悪い輩を多少は篩いに落とせんじゃん?」
「確かにお金払ってまで登りたい人はちゃんとしてそうですもんね!」
「ただ変に知識があるとゴミは荷物を減らす為に捨てて行くもんだ!とか主張する輩も出て来そう」
「金払ってんだからその金で清掃しろみたいにですかね?」
「そうそう」
「でも大魔王様って悪の大魔王の癖にしっかりマナーとか守ろうとする方なんですね?」
「んっ?・・・そんな訳ねーし!俺は遺産とかに落書きする奴と同じ側の存在だし!
それに俺はそう言う輩とは悪さの規模が違うからね!」
「例えば?」
「そうだな・・・例えば物凄い貴重な岩があったとするじゃん?
その岩を俺・・・砕くね!粉砕だよ粉砕!
『ほわたーーーー!!!』って言って砕くね!
言うよ?『ほわたーーーー!!!』って」
身振り手振りで主張する大魔王
「へえ、じゃあこの山に対しては何します?」
「・・・斬る?そんで標高半分にしてやんよ!」
「言う程さっきと変わんないっすね?そんなもんですか?大魔王様の力は」
「バッカじゃない?そんな訳ねぇじゃん!?ほんの障り程度だよ!
・・・野糞?・・・いや今の無し!」
「規模が一気に小さくなりましたね・・・迷惑ではありますが・・・」
「だから今のなしって言ってんじゃん!
さすがに俺も怒るよ?活火山だけに噴火するよ?」
「えっ?それは何ですか?面白いと思って?上手い事言ってると思って?
何故その発言が出て来たのか私には理解に苦しみますね・・・」
「そこまでダメな発言!?ちょっと言ってみただけじゃん!」
「まあ、どっちでも良いですけどね
兎にも角にも今度一緒に登りませんか?」
「何が悲しくてお前と二人きりで登山せにゃいかんのだ!
それに俺はホラ、登らない側の人間だし
人間じゃないけど・・・」
「大丈夫ですって悪いようにはしませんから!」
「良からぬ事を考えてないだろうな?」
「ホントに何にもしないから!行こ?絶対に何にもしないから!ねっ?」
「ホテルに連れ込もうとする輩の言い分に似てるな・・・
お前こっち?」
「あらヤダ!そんな訳ないじゃない!良いから行くわよ!?」
「・・・嘘でも真でも取り敢えずお前キモいな・・・」
「んまーっ!失礼しちゃうわ!」
「御免。行くからその口調止めて貰えない?」
「あっホントですか~じゃあ私、今から登山用品買い揃えて来ますね!」
「うん、任せるわ」
なんやかんやで登山する方向に話が進んでしまった・・・